第44回IAEA総会について
平成12年10月3日
外務省科学原子力課

 

1.IAEA総会の主なポイント
(1)「保障措置の効率強化と追加議定書の適用」関連
(2)「放射性物質の輸送の安全」関連
(3)「革新的中・小型原子炉の開発」関連
(4)「原子力安全の教育訓練」関連
(5)予算関連

2.RCA(アジア原子力地域協力協定)総会
(1)RCA地域事務所設置に関し、韓国が同国内設置を提案。右に対し問題点等につき検討することとなった。
(2)UNDPがRCAへの拠出を削減するとの意向表明。各国より再考を求める意見多数。
(3)「アジア・フォーラム」とRCAの重複を排除すべしとの意見あり(豪州、インドネシア、中国)。我が方より、両者の共調が建設的である旨応答。

3.科学フォーラム

(参考)保障措置協定と追加議定書の発効促進に関する行動計画の内容

1.背景
(1)IAEAの保障措置を強化し、未申告の核物質・原子力活動を探知することを目的とする追加議定書のモデルが1997年に採択された。しかし、9月22日現在、16ヶ国の追加議定書が発効しているにすぎず、追加議定書の発効促進(普遍化)が重要な課題となっている。(署名国は53ヶ国。我が国の追加議定書は昨年12月に発効。)
(2)本年5月に取りまとめられたNPT運用検討会議の最終文書において、IAEA事務局長と加盟国が、保障措置協定と追加議定書の発効促進のための行動計画の策定につき検討することが要請された。
(3)これを踏まえ、今次IAEA総会において、大島科学技術庁長官が政府代表演説において、追加議定書の発効促進のための行動計画の必要性を訴えるとともに、これを支援するためIAEAへの特別拠出を行うことを表明した。さらに、関係国との非公式協議を踏まえて、我が国は追加議定書の行動計画を含む決議案(EUが提案した保障措置・追加議定書に関する決議案に対する修正提案)を総会に提出した。

2.行動計画のポイント
 本決議に盛り込まれた保障措置協定及び追加議定書の発効促進(普遍化)に関する行動計画のポイントは以下の通り。

(1)IAEA事務局長による締結努力の強化(特に原子力活動を有する国に対する締結努力の強化)
(2)締結のための国内プロセスを促進するための二国間又は地域的な協議の強化
(3)締結及び実施に必要な知識・技術の提供を通じたIAEA及び加盟国による支援実施
(4)IAEA及び加盟国による締結働きかけ努力の調整の強化
(5)上記努力の進展を踏まえた、国際会合の開催を含む更なるステップの検討