平成13年度文部科学省原子力関係予算の概要

平成12年9月1日
科 学 技 術 庁

基本的な考え方

 文部科学省は、科学技術に関する原子力政策、科学技術水準向上のための原子力技術開発(核燃料サイクルの研究開発)、放射線利用に関する研究開発、原子力平和利用の確保、試験研究炉の安全規制等を行うこととしている。
 具体的には、核融合、高速増殖炉、先進的な核燃料サイクルに関する研究開発を着実に実施するほか、加速器、放射線医学等の分野においても、積極的かつ効率的な推進を図っていくこととしている。
 文部科学省としては、昨年のウラン加工工場臨界事故を踏まえ、安全確保、防災対策の充実・強化に努めるとともに、現在原子力委員会で策定中の新たな原子力長期計画を踏まえ、以下のとおり平成13年度概算要求を行うこととしている。

1.安全確保、防災対策の充実・強化

(1)原子力防災対策の充実・強化   6,729百万円(5,775百万円)

 JCO事故の教訓を踏まえて制定された原子力災害対策特別措置法や平成11年度補正予算による防災対策を、より実効的なものとするための取組を行う。
・原子力関係防災研修事業の充実・強化623百万円(451百万円)
・緊急被ばく医療体制の充実・強化370百万円(新規)
・原子力防災訓練の実施333百万円(新規)
・原子力緊急時支援・研修センターの運営422百万円(147百万円)

(2)安全性関連研究の実施   24,535百万円(22,848百万円)
 日本原子力研究所、核燃料サイクル開発機構等における安全研究や施設の安全対策を行うとともに、新たに、放射線医学研究所における低レベル放射線の生物影響研究を行う。
・安全性関連研究
 −日本原子力研究所5,621百万円(5,959百万円)
 −核燃料サイクル開発機構15,537百万円(13,043百万円)
・低レベル放射線の生物影響研究200百万円(新規)

2.新たな原子力長期計画に基づく展開

(1)原子力に対する信頼確保と立地地域の共生   32,988百万円(34,255百万円)
 地元自治体が一層主体的な対応を図ることを可能とするため、各種交付金の使途の拡充、弾力化を図るとともに、地域科学技術の振興を通じた地域の自立的、長期的な発展の支援を強化する。
・電源立地特別交付金の拡充、使途の柔軟化4,526百万円(4,237百万円)
・電源地域産業育成支援補助金の拡充918百万円(529百万円)
・特別電源所在県科学技術振興事業補助金の拡充 2,100百万円(1,800百万円)

(2)高速増殖炉サイクル技術の研究開発等   34,336百万円(42,323百万円)
 高速増殖炉サイクル技術は、ウランの利用効率の向上、環境負荷の低減の観点から、将来に備えたエネルギーの有力な選択肢として積極的に研究開発に取り組むことが必要であり、高速増殖炉サイクル技術の実用化像とそこに至る研究開発計画を示す「実用化戦略調査研究」等を拡充する等高速増殖炉サイクル技術の研究開発に着実に取り組む。
・実用化戦略調査研究の充実3,868百万円(3,027百万円)
・もんじゅ維持、設備点検・検査等10,336百万円(9,694百万円)

(3)原子力科学技術の推進   56,385百万円(54,779百万円)
 物質・材料系科学技術やライフサイエンス等の最先端の科学技術分野の発展を支える加速器研究や将来のエネルギーの安定供給のための核融合研究等を重点的に推進するとともに、原子炉関係研究を実施する。
・大強度陽子加速器計画の推進2,938百万円(3,102百万円)
・国際熱核融合実験炉(ITER)計画の推進2,976百万円(3,733百万円)
・原子炉関係研究(原研)9,294百万円(9,437百万円)

(4)放射線利用の推進   18,328百万円(17,341百万円)
 放射線の医療への応用をより安全に、効率的に行うための研究開発等を推進する。
・放射線感受性遺伝子研究(新生枠)716百万円(新規)

(5)核不拡散と国際協力の推進   16,504百万円(17,210百万円)
 核不拡散体制の維持・強化のため、保障措置の着実な実施を図るほか、ロシアの余剰兵器プルトニウムの処理処分に対する協力等の取組を進める。また、国際的課題への主体的取組として、アジア地域における国際協力等を推進する。
・保障措置の着実な実施5,097百万円(4,037百万円)
・ロシア余剰兵器プルトニウムの処理処分技術開発966百万円(1,138百万円)
・アジア地域における国際協力1,471百万円(1,405百万円)

 

(参考)関係行政機関との連携例

(1)先端的科学技術分野

・大強度陽子加速器計画に向けた研究開発の推進(科技、文部)
  2,938百万円(3,102百万円)
 日本原子力研究所と高エネルギー加速器研究機構が両者のポテンシャルを活かし、共同して加速器計画を推進。

(2)放射線利用分野
・放射線感受性遺伝子研究(科技、厚生)
  716百万円(新規)
 個人差に応じた安全で効率的な放射線治療を行うために、放射線医学総合研究所が、国立がんセンター、国立医薬品食品衛生研究所と連携して研究を行う。

(3)国際協力分野
・アジア原子力協力フォーラムの下でのアジア地域原子力協力活動の推進(科、通、外、厚、農)
  228百万円(218百万円)
 原子力委員会が開催するアジア協力原子力フォーラムの下でのアジア地域原子力協力活動を推進するため、関係省庁連絡会を開催し、関係省庁の協力を得つつ連携により取り組む。

(4)国民社会分野
・原子力広報(科技、通産)
 原子力の日のポスターコンクールの共同開催やホームページのリンク等の連携を実施。
  574百万円(469百万円)(連携分のみ計上)

・原子力教育(科技、文部、通産)
 科技庁、文部省、通産省の連携により、現場の教員を支援するための取組について検討を実施。
  505百万円(326百万円)