第５０回原子力委員会定例会議議事録（案）

１．日　時　　　２０００年８月１５日（火）１０：３０〜１１：１０ ２．場　所　　　委員会会議室 ３．出席者　　　藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員 （事務局等）科学技術庁 原子力局 国際協力・保障措置課中原課長、濱崎 原子力調査室　伊藤室長、千原、山越、北澤、鯉渕 吉舗専門委員 ４．議　題

（１）遠藤委員の海外出張報告について
（２）原子力委員会専門委員の変更について
（３）その他

５．配布資料

資料１	遠藤原子力委員の海外出張報告について
資料２	原子力委員会専門委員の変更について（案）

６．審議事項 （１）遠藤委員の海外出張報告について

　標記の件について、国際協力・保障措置課より資料１に基づき説明があり、遠藤委員より補足の発言があった。これに対し、

食品照射等とその安全性についてはタイでも知っている人と知らない人がおり、放射線、原子力に対する教育はタイの中ではそうなされていない。アジア原子力協力フォーラムには、教育問題がテーマに含まれているのか。
（国際協力・保障措置課）教育問題は論点の一つとして取り上げられることも考えられるが、大臣級の議論ではあまり細部に入らない方が良いと思われるので、教育問題は表面上は現れていない。
食品照射の実態を知らないで原子力に関する一方的な知識だけを得てしまうと、原子力に反対的な立場になることがある。
（国際協力・保障措置課）食品照射を実施しているセンターを見学したが、そこでは年間５００万バーツの利益が上がっているとのことであった。
大臣会合については、目に見える成果につながることを期待したい。
大臣会合においてプレゼンテーションすることは可能だが、実質的な討論が期待できるか。
今までアジア地域原子力協力国際会議を１０年間行ってきて十分な成果が出なかったと非難されるべきなのか、出ない現状こそ客観的な現実であるという認識に立つべきなのか。どちらかと言えば後者であろう。成果を拙速に求め過ぎるのは逆効果ではないか。
ワークショップに来る人と、ユーザーとの間に断絶があったのではないか。農業、医学、工業分野には、放射線利用のニーズはある。
アジア地域原子力協力国際会議の１１回目だということを強く出して１０回の反省に立って開催するのか、タイで開催するからタイの状況を十分考えて海外で開催する最初という立場を強く出すか。
（国際協力・保障措置課）まったく衣を変えているが、核になる活動自身はこれからも大きくは変わらない。従来のものに新しいものが付け加えられれば良いと思う。そういう意味では第１回としながらも、過去の活動を大切にしながら発展させていきたい。
エンドユーザーと繋がっていないとすると、フォーラムの７分科会の開催の仕方を考えた方が良い。
アジアにおける原子力が遠からず問題として登場してくる。それに対応するための布石として、原子力委員会としても努力を積み重ねてきた。今回第１回としてタイが主催するが、サミット方式のようになってしまい、性格が変わっていく。本来はタイがイニシアティブを取らなければならない。
大臣会合でのサクセスパスを検討する必要がある。エンドユーザーと繋げる方向は何なのか。
目的と結果が示されれば、成功に近づきやすい。漠然と広げられてはまとまらない。少なくとも次回はこれをしようという計算は今からでも考えられる。
（国際協力・保障措置課）大臣級会談をもとにしてコミュニケのようなものを出そうとしているが、その中で、これまでの活動に加えて数ヶ国でも関心が持てる新しいものを探している。それらも含めて、今後の進め方についてまた相談させていただきたい。
タイの科学技術大臣が原子力の安全をトピックとしたいと言った気持ちは、どういう所にあるのか。
（国際協力・保障措置課）大臣の発言はコバルト６０線源の事故に関係したものである。
日本−タイ合同準備会議には、他国の方は加わっているのか。
（国際協力・保障措置課）今回は共催であり、プログラムにしても両者が合意したという段階である。これからコーディネーターを通じて各国に打診する。

　等の委員の意見及び質疑応答があった。

（２）原子力委員会専門委員の変更について

　標記の件については、人事案件であることから非公開審議とした上で、事務局より資料２に基づき説明がなされ、案通り了承された。

（３）その他

　事務局より、次回は８月２２日（火）に定例会議を１０：３０より開催する方向で調整したい旨、発言があった。