第４７回原子力委員会臨時会議議事録（案）

１．日　時　　　２０００年７月２８日（金）１０：３０〜１１：１０ ２．場　所　　　委員会会議室 ３．出席者　　　藤家委員長代理、遠藤委員、木元委員 （事務局等）科学技術庁 原子力局 中澤局長 小中審議官 原子力調査室　伊藤室長、千原、山越、鯉渕 動力炉開発課　坂口 核燃料サイクル開発機構 都甲理事長、竹内副理事長、中神副理事長 笹谷理事、相澤理事 吉舗専門委員 ４．議　題

（１）平成１３年度原子力関係予算ヒアリングについて（核燃料サイクル開発機構）
（２）原子力委員会専門委員の変更について
（３）その他

５．配布資料

資料１	平成１３年度予算概算要求
資料２	原子力委員会専門委員の変更について（案）

６．審議事項 （１）平成１３年度原子力関係予算ヒアリングについて（核燃料サイクル開発機構）

　標記の件について、核燃料サイクル開発機構（サイクル機構）より資料１に基づき説明があった。これに対し、

前年度に重点項目とした事業について、その結果を説明して欲しい。具体的に前年度どうであって、今年度どういう戦略をもって事業を進めるのかが見えてこない。
（サイクル機構）各事業所で事業目標を設け、それに基づき計画−実行−評価−対処のサイクルを回して、目標がどれくらい達成されたか年度の終わりに評価し、取りまとめているところである。
（サイクル機構）計画と成果、次年度の計画について説明する機会を、近々設けて頂きたい。
「もんじゅ」の維持に相当なお金がかかっており、早期再起動をお願いする。
サイクル機構は、開発した技術を民間に移転していくことが大切である。民間でのＭＯＸ燃料加工や高レベル放射性廃棄物処分に対し、抽象論ではなく具体的にどのような計画で技術移転していくのか説明して欲しい。
ロシアの余剰兵器プルトニウム処分について、サイクル機構はどこまで関与するか。
（サイクル機構）ロシアの余剰兵器プルトニウム処分についてはフェーズ０、フェーズ１、フェーズ２という段階を踏んで進めることとなっており、技術的にもＦＢＲサイクル開発戦略調査研究にも役立つという範囲で実施している。フェーズ１までが、サイクル機構が関与する範囲である。フェーズ２になると大がかりであってサイクル機構の技術協力としても限界があり、別の枠組みで考える必要がある。
（サイクル機構）技術移転については、人を施設ごと移すのが一番良いと思うが、実際には難しい。少なくとも人を伴った技術移転を進めていく。これまで培ってきた技術が役立つような枠組み作りが重要である。また別の機会に、技術移転だけのテーマでお話をさせて頂きたい。
従来から技術移転がスムーズに行われなかったという反省に立って、今何をやればいいのか、それに対してどう努力しているのか、当事者間の話し合いで済むのか等の点を含めて、お話頂きたい。
「もんじゅ」の事故以降、国会において、核燃料サイクルに関する法案がほとんどの政党の賛成によって成立した。このような国は他にない。従って原子力業界は長期計画に沿って対応をしていかなければならないが、各委員には、その後のサイクル機構の動きが見えず、不信感がある。そういう観点から是非、見える形のものが欲しい。
これから先の仕事とこれまでの残務整理事業が等価に近い。これは組織として相当につらい状況であるが、将来展望の中で現状を位置付ける必要がある。また、今サイクル機構にお願いしている仕事からすれば定員が増えることはあり得ない。現実には易しい問題ではないが、世の中にあるリストラは、それを克服しながら前進している。予算と人員の話はそういった問題を抜きには議論できない。この問題については是非伺いたいし、原子力委員会としてどう対応すべきか考えたい。
「もんじゅ」の早期再開は高速増殖炉懇談会、今度の原子力長期計画第三分科会報告書に盛り込まれており、国の立場ではこの重要性を何度も強調してきた。しかし、「もんじゅ」の再起動に向けて、サイクル機構が当事者として何を主張しているのかが見えない。当事者が必要性と重要性、取組と成果を明確にすることが大事である。当事者の努力にもう一層の期待をしたい。それがあって初めて、再起動が具体化してくるのではないか。
（サイクル機構）現在、過去の遺産整理にかなりの金を使っており、大きな問題意識を持っている。将来は「ふげん」の廃止措置とデコミッショニング、放射性廃棄物の処理処分をしなければならない。今年度の概算要求では、向こう５年後の計画を立てた上で申し上げたが、１０年先を見通してどうあるべきかご説明申し上げ、ご支援を頂きたい。
（サイクル機構）「もんじゅ」については出来るだけ早い機会に回答をお持ちできるように努力している。
単に原子力委員会に対する話ではなく、地元や日本の社会にどうアピールするのか。
外側から見ていると、サイクル機構がどういう危機感を持っているのか、受け取れない。従来の感覚を若干引きずりながら動いているという感触を否定できない。その部分をどうするか、意識改造を含めてお話を伺いたい。
本当に「もんじゅ」を動かしたいと思っている技術者は、モラルを維持する限界にきているのではないか。
（サイクル機構）地元の理解が得られるよう、全社的に努力していく。
地元対策は重要だが、国民が感覚的に納得できるよう、どのように動こうとしているのか見えなければ、国民も気持ちの上でも応援できない。
（サイクル機構）お力添えを頂けるよう、今後とも、こまめに報告できるようにする。

（２）原子力委員会専門委員の変更について

　標記の件については、人事案件であることから非公開審議とした上で、事務局より資料２に基づき説明がなされ、案通り了承された。

（３）その他

　事務局より、来週の原子力委員会は休会とし、次回は８月８日（火）に定例会議を１０：３０より開催する方向で調整したい旨、発言があった。