第２６回原子力委員会臨時会議議事録（案）

１．日　時　　　２０００年４月２８日（金）１０：３０〜１１：１０ ２．場　所　　　委員会会議室 ３．出席者　　　藤家委員長代理、依田委員、木元委員 外務省 総合外交政策局 軍備管理軍縮課　森野首席事務官 社団法人日本原子力学会 中平理事（住友原子力工業（株）代表取締役・常務取締役） （事務局等）科学技術庁 原子力局 原子力調査室　伊藤室長、板倉、池亀、木村、小室 吉舗専門委員 ４．議題

（１）ＮＰＴ運用・検討会議について
（２）第３８回原子力総合シンポジウムの開催について
（３）その他

５．配布資料

資料１	核兵器不拡散条約(ＮＰＴ)運用検討会議（４月24日〜５月19日於ニューヨーク）
資料２	第２５回原子力委員会定例会議議事録（案）
配付資料	第３８回原子力総合シンポジウムについて

６．審議事項 （１）ＮＰＴ運用・検討会議について

　標記の件について、外務省より資料１に基づき説明があった。これに対し、

ＮＰＴの運用検討会議については日本が強力なリーダーシップを取ることが望まれている。５つの核兵器国と核兵器を持たざる国との溝が存在するが、その溝が埋まる見込みはあるのか。
今回の会議では核軍縮について何らかの合意が出来ることが重要な課題である。合意の見通しについては、核兵器国の歩み寄りにより、交渉が行われることとなった。
国民社会に訴える意味で、日本が行った第８項目の提案は重要な意味を持つ。また、この提案はＧ８とのリンクはあるのか。
今回の会議の結果はＧ８に反映出来るのではないかと考える。
被爆者団体と政府代表とのコンタクトあるのか。
軍縮大使が原水禁や国際的なＮＧＯとも会うことになっている。
最近ではＮＧＯ側も核や環境など、政府の立場を批判しているだけでは進歩が無く、ある部分では支持していこうという考え方になってきている。

　等の委員の意見及び質疑応答があった。

（２）第３８回原子力総合シンポジウムの開催について

　標記の件について、社団法人日本原子力学会より説明があった。これに対し、

２７０人程度入るホールを使っているようだが、毎回何人くらいの出席者がいるのか。
昨年はもう少し広い会場で開催し、多数の参加者があった。
一般の参加者や、女性の参加者はどの程度いるのか。
一般の方もかなり参加し、女性もかなり参加している。
一般の方には質問しづらい議題であるし、また、平易な質問は受け入れにくいと思うが状況はどうか。
一般の方からの質問の場合、少し答にとまどうような質問もある。
物理学会や日本化学会は参加していないが、工学に限定されすぎているのではないか。科学の進歩の中で新しい方向をとらえるべきだが、原子力学会はその方向性を限定しすぎているようである。諸外国の原子力学会はもう少し基礎的な側面をとらえているのに対し、日本はテクノロジーに傾きすぎた学会編成になっているのではないか。
原子力学会は積極的に理論の側面からも研究を進め、新しい工学の発展につなげていく方向性が必要である。
今度の長期計画でも、技術論だけではいけないというのが重要な視点になっている。おそらく、原子力学会が関係機関に分かりやすく説明しようというところからシンポジウムが本来始まったのだから、時代の変化をどう盛り込んでいくかを考えるべきである。
原子力の現状を一般の人に公開する場としてシンポジウムを位置づける方向がよいのではないか。
原子力長期計画においても第四分科会を独立させ、物理方面を盛り込みたい。社会的な関係が深まっているからこの際このシンポジウムを広げていくのは一つの方法ではないかと思う。
参考資料を見ていると、原子力委員の発言がここ最近載っていないが、来年は長期計画が決定しているのでいい意見が出せる。
最後に、今道先生らの科学哲学を一般の人にも感覚論ではなく、技術論として理解して欲しい。

　等の委員の意見及び質疑応答があり、審議の結果、本件についての原子力委員会の後援名義の使用を認めることとした。

（３）議事録の確認

　事務局作成の資料２第２５回原子力委員会定例会議議事録（案）が了承された。　なお、事務局より、次回は５月９日（火）に定例会議を１０：３０より開催する方向で調整したい旨、発言があった。