• ５月１２日に旧ソ連の核実験場の近くにあるクルチャトフへの訪問を予定している。ここで、ＮＵＰＥＣ（原子力発電技術機構）が軽水炉の過酷実験などで非常に成果を上げたが、これに続き、高速炉の再臨界排除の実験を計画しており、これらの電気事業者や、核燃料サイクル開発機構の計画の話をする予定である。
• カザフ国際原子力セミナーでは日本の考え方を示したい。上記の他、国内核物質計量管理をＢＮ－３５０で実施したことや、外務省、厚生省、科学技術庁の関係として原爆実験場の被爆患者の実態調査について、広島、長崎の大学からの報告が予定されている。
• その他、ロシア関係者との意見交換を予定している。

• 宮崎で開催された太平洋・島サミットでは、放射性物質の輸送に対する南太平洋諸国の懸念や、事故発生時の潜在的な経済損失に対処するための対話の促進が宣言に盛り込まれた。
• 南太平洋諸国のエネルギーに対する関心はディーゼル、太陽光、風力発電等であり、原子力はエネルギー源としては考えていない。
• それに対し、①万が一の事故の補償問題については法律専門家による会合を昨年９月に引き続いて今年も早期に開催したい、②今後も対話を進め、よい案件については協力したい、③医療、農業においても原子力は利用できるので、ＩＡＥＡに対して放射線利用のためのセミナー開催を働きかけているなどの説明を行った。また、今年１１月に開催される地球温暖化会議（ＣＯＰ６）において、柔軟措置の対象について、前向きで弾力的な協力を求めた。

• グリーンピースの動きについての話は出たか。
• 南太平洋諸国にはグリーンピースからの情報が相当入っているはずだが、話は出なかった。
• 自然エネルギーについては、例えばキリバスに対して日本は相当提供しているはずである。
• 日本からは、風力発電がコスト的に安いと説明しているが、風況がよいかどうかはわからない。
• 南太平洋諸国に対する外交は、基本戦略を立てて行っているのか。日本にとって重要な地域であればＯＤＡの資金をもっと活用していくべきである。輸送問題が起こってから電事連が対応するような場当たり的なやり方では効果が上がらない。
• 南太平洋諸国の最大の関心は、地球温暖化問題である。自分たちは先進国の犠牲者であるという考えが根底にある。より高い次元で外交の基本戦略を立てて進めていかないと、原子力への理解は得られない。
• 航路確保の問題は、中東からの石油輸送が最大の要因である。日本の外交政策として、外務省が世界総合戦略を立てて、原子力もその一部として進めていくべきである。
• 放射性物質の輸送に関する安全性に対して懸念がもたれているが、むしろ石油タンカーの事故の方が危険であろう。
• このような状態であるからこそ、日本は核燃料サイクルの国内完結を原則とせざるを得ない。

　なお、事務局より、次回は４月２８日（金）に臨時会議を１０：３０より開催する方向で調整したい旨、発言があった。