第１６回原子力委員会定例会議議事録（案）

１．日　時　　　２０００年３月１４日（火）１０：３０〜１１：２０ ２．場　所　　　委員会会議室 ３．出席者　　　藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員 （事務局等）科学技術庁 原子力局 中澤審議官 原子力調査室　伊藤室長、板倉、池亀、鯉渕、鈴木、木村 吉舗専門委員 ４．議　題

（１）原子力政策円卓会議モデレーターからの提言を受けて
（２）米国エネルギー省２００１年度予算要求について
（３）その他

５．配布資料

資料１	原子力政策円卓会議モデレーターからの提言を受けて（案）
資料２	米国エネルギー省２００１年度予算要求について
資料３	第１５回原子力委員会臨時会議議事録（案）

６．審議事項 （１）原子力政策円卓会議モデレーターからの提言を受けて

　標記の件について、原子力調査室より前回の審議の結果を踏まえて修正した案として資料１の読み上げがあった。これに対し、

円卓会議モデレーターから立派なご提言を頂いた。原子力委員会としても積極的に対応していきたい。

　等の委員の意見があり、審議の結果、本件については案通り了承した。

（２）米国エネルギー省２００１年度予算要求について

　標記の件について、原子力調査室より資料２に基づき説明があった。これに対し、

新エネルギー予算中のバイオマス・エネルギーについて、どこに重点が置かれているか。また、電力貯蔵システムとはどのようなものを意味しているのか。
（原子力調査室）電力貯蔵システムは、発電所に設置してピーク電力をカットする設備であり、超電導等を利用するものである。
具体的な内容について調査して欲しい。
ＮＥＲＩ（原子力エネルギー研究イニシアチブ）の額が増えているが、どのような中身か。
（原子力調査室）昨年からの研究の継続分と、海外協力研究である。
どのような範疇の研究に重点が置かれているのか。
核融合研究予算が減額されているだけでなく、装置の解体に予算がついている。米国の核融合研究の方向性を示しているのか。核融合研究は日欧露に任せるということか。
ロシアの核不拡散に関する年度予算は、たいへんな額である。米国の政策がこの問題にいかに集中しているかということの表れであろう。
ＮＥＲＩに新たに追加される約１５件の公募研究の内容によって、米国の今後の原子力研究開発の方向性が示唆される。発展途上国向けの原子力政策、即ち中小型炉である。米国内での原子力開発動向ばかりが注目されるが、米国が発展途上国の原子力平和利用に対してどのようなイニシアチブを取ろうとしているのか、注目していかなければならない。
本報告は予算案であるから、議会でどのような議論がなされるか。大統領選も控えており、フォローする必要がある。
ＣＥＲＮ（ヨーロッパ合同原子核研究機関）に関する予算額は。
（原子力調査室）７０．０百万ドルである。
日本では長期計画策定の審議を行っているところであるが、日本、米国エネルギー省、フランス原子力庁の各々が見ている原子力の世界は、軍事利用を除けば大きな違いはない。エネルギー省予算の項目だけでも整理できないか。平和利用に限る日本が各国と競い合っていく上で、何が大切か、考えておかなければならない。
ポーツマスのガス拡散法ウラン濃縮を継続するように書かれてあるが、その予算はいくら計上されているか。
（原子力調査室）ウラン濃縮についての予算は３０３百万ドル、５３百万ドル増額である。そのうち、２７３百万ドルが汚染除去のための予算である。
廃棄のための汚染除去か。
（原子力調査室）調査する。
米国ではレーザー濃縮法の商業化の目途が立ちながら、止めている。ガス拡散法がその受け皿として継続されていたはずだが、米国はウラン濃縮で今後どういう位置に立つのか。米国一辺倒の日本のウラン濃縮体制の打破が宿願だったが、今後は欧州のＵＲＥＮＣＯ社に依存することになる。政策論的影響は大きい。

　等の委員の意見及び質疑応答があった。

（３）議事録の確認

　事務局作成の資料３第１５回原子力委員会臨時会議議事録（案）が了承された。