第8回原子力委員会定例会議議事録(案)
1.日 時 2000年2月8日(火)10:30〜11:30
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
(事務局等)科学技術庁
原子力局
中澤審議官
原子力調査室
伊藤室長、板倉、村上、池亀、鈴木、会沢、鯉渕
国際協力・保障措置課 片岡、橋本
核燃料サイクル開発機構
国際・核物質管理部 水城次長、持地課長
吉舗専門委員
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4.議 題
- (1)原子力政策円卓会議(第7回)の結果について
(2)木元委員の海外出張について
(3)第2回JNC原子力平和利用国際フォーラム−新たな概念の創出へ向けて−について
(4)その他
- 5.配布資料
資料1 | 原子力政策円卓会議(第7回)の結果について |
資料2 | 木元原子力委員の海外出張について |
資料3 | 第2回JNC原子力平和利用国際フォーラム−新たな概念の創出へ向けて−について |
資料4 | 第7回原子力委員会定例会議議事録(案)
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- 6.審議事項
(1)原子力政策円卓会議(第7回)の結果について
- 標記の件について、原子力調査室より資料1に基づき説明がなされた。これに対し、
- 比較的論点が絞られているという感じがしたが、原子力政策円卓会議を今後どうするかについても踏み込んだ議論をして欲しかった。
- 原子力安全委員会とダブルチェック機能についての議論は、行政庁と安全委員会の役割及びダブルチェックの内容をよくご理解頂いた上での議論であったのか気になる。
- 安全委員会などの役割が外から見えにくいこと及びダブルチェックによる効果が評価されにくいことが、参加された方の発言につながっているのではないか。
- 原子力推進側と規制側の組織が一緒にあるという意見があったが、情報の全くないところからどのように情報を得るかという問題とうらはらな面もあり、難しい課題である。
- 原子力安全委員会の役割とダブルチェック機能について、関心が集まっていることは事実であり、いろいろな意見を発言してもらうことは良いことである。
- エネルギー全体の中で原子力をどう評価するかについて、エネルギー基本法をまず作る必要があり、その中の一つに原子力があるということ、また、原子力だけを特化して考えることで良い面もあるが逆にマイナス面もあるのではないかということが議論のポイントの一つとしてあったと思う。
- 新エネそのものの実体は、直ちに原子力の代替になるとは誰も考えていないことが明確になったと思う。
- 風力発電ができるところは風力でやればいいという話がでたが、本当にそれだけでいいのかという問題がある。
- 主体者が自己責任で新エネを進める場合を別として、原子力政策円卓会議の場では、そのような当事者ではないことから、風力ができれば風力でといった発言が出てくるのだと思う。
- さまざまな形でパブリックコメントを頂くなどコミュニケーションを図ることは大事なので、そのような場はどうあるべきか議論頂きたいとの発言が司会よりあったが、時間的な制約もあり十分な意見がでず、意思表明で終わってしまっという印象がある。
- 今回は、議論の中身が濃くポイントも絞られており、議論がかみ合った部分が多くあったので、良い話し合いができたと思う。
- エネルギー全体を踏まえた議論はどの場が適当かという問題がある。
- トータルのエネルギーをバランスを持って、安定的な形で進めていくこと、また、風力、水力などの新エネが一体どこまで浸透できるか、そのための助成策はどこまでやるか、実績はどこまで出てくるかなどエネルギー政策全体の議論は、総合エネルギー調査会の場で議論されるべきである。
- 総合エネルギー調査会にはいろいろな部会があるが、それぞれが独立しており、調整できていない部分がある点を申し上げた。
- エネルギー政策全体を総合エネルギー調査会で議論する一方で、原子力についてどのような推進をするかについて方針を出すのかが、原子力委員会の役割である。
- 各エネルギーの特性を議論するのはよいが、化石エネルギーを聖域にして議論をほとんどしていない。エネルギーを考えるには全体を議論する必要があるが、全てのエネルギーの特性にまで踏み込んだ議論のできる人がどれだけいるか問題。
- いろいろな議論を掘り起こしたという点では、原子力政策円卓会議は意味があったと思う。
- 等の委員の意見があった。
- (2)木元委員の海外出張(インド・ネパール)について
- 標記の件について、原子力調査室より資料2に基づき説明があった。これに対し、
- JCO事故については、どのように情報が伝わり、どのように受け止められたか伺ってきたい。
- インド非在来型エネルギー省では、インドは人口増加の延びが大きいので、電力需給の見通し、送電設備などの開発計画について伺うとともに、日本及び近隣諸国との協力関係について、何ができ、何が必要かなどについて新エネを含めたエネルギー資源の有効利用の観点から議論をしたい。
- 原子力発電公社では、PA問題、放射性廃棄物の処理、処分、インドにおける今後の建設計画、原子力発電の将来展望などについて意見交換したい。
- ネパールでは、日本の協力できる部分も多いと思うので、今後の発電計画等について意見交換したい。
- 等の委員の意見があった。
- (3)第2回JNC原子力平和利用国際フォーラム−新たな概念の創出へ向けて−について
- 標記の件について、国際協力・保障措置課及び核燃料サイクル開発機構より資料3に基づき説明があった。これに対し、
- 国際フォーラムの参加者には、一般参加者もいるのか。
(核燃料サイクル開発機構)全体で300名ぐらいになるが、原子力関係者が多い。
- せっかくの機会であり、お金をかけてやるのだから、それに見合う効果を期待したい。
(核燃料サイクル開発機構)第1回会議では議事録に残すなどフォローアップをしており、また、平成12年度の計画作成に際し参考としている。
- 核燃料サイクル開発機構の自己満足のためにやっているといった批判を受けないように、有意義なものにして欲しい。
- せっかく海外から招へいするのだから、国際フォーラムとは別の場で、核燃料サイクル開発機構として招へいした専門家と個別に議論する機会も考えて欲しい。
- 等の委員の意見及び質疑応答があり、審議の結果、本件についての原子力委員会の後援名義の使用を認めることとした。
- (4)その他
- 遠藤委員よりタイへの出張報告があった。
- IAEA主催の地域広報セミナーに出席し、IAEA側と東南アジア諸国との原子力に対する関心に大きなずれがあると感じた。IAEA側は、原子力の中のエネルギーを中心にした安全あるいはエネルギー全体の中の原子力といった認識、一方、東南アジアの方は、むしろ放射線利用に関心がある。したがって、同じPA、安全といいつつ、その認識にはずれがあると感じた。
- エルバラダイIAEA事務局長と会談した際、カリブ海、南太平洋地域でセミナーを開催するよう要望したが、これらの地域にはIAEA加盟国がほとんどないので、その地域での開催は難しいが、例えばメキシコ、オーストラリアに頼んでやってもらうのも一案で、その方向で検討してみたいとのことであった。
- また、アジア、太平洋の国々では原子力損害賠償制度が十分に整備されていないので、IAEAにてイニシアチブをとるよう要望したところ、前向きの発言があった。
- 対露協力については、まずは米国と露国の協力関係及びIAEAと米露との関係の具体像が見えないと、日本が今後さらなる協力関係を進めることは難しい旨を伝えた。
- タイの科学技術環境大臣との会談では、今後、日本とタイで協力関係を推進するためには、安全、PA、原子力損害賠償制度といった共通の問題をピックアップし、それについての議論をすることが重要である旨を伝えた。
- タイでは、エネルギー需要の鈍化、新規天然ガスの開発輸入などの影響により原子力発電の開発計画が延期されている。東南アジアでは、ベトナムが最も原子力に対し熱意を示していると思う。
- (5)議事録の確認
- 事務局作成の資料4第7回原子力委員会定定例会議議事録(案)が了承された。
なお、事務局より、次回は2月18日(金)に臨時会議を10:30より開催する方向で調整したい旨発言があった。