第6回原子力委員会臨時会議議事録(案)
1.日 時 2000年1月28日(金)10:30〜11:15
1.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、遠藤委員、木元委員
(事務局等)科学技術庁
原子力局
中澤審議官
原子力調査室 伊藤室長、板倉、池亀、会沢、木村
研究技術課 川原田課長、斉藤
廃棄物政策課 飯島
日本原子力研究所
齋藤理事、向山特別研究員
企画室 高田
吉舗専門委員
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4.議 題
- (1)米国の加速器駆動核変換技術開発計画の動向について
(2)その他
- 5.配布資料
資料1-1 | 米国の加速器駆動核変換技術開発計画(ATW計画)について |
資料1-2 | ATW計画開発指針報告書の概要 |
資料1-3 | ATW計画開発指針報告書の概要(添付資料) |
資料2 | 第5回原子力委員会定例会議議事録(案) |
- 6.審議事項
(1)米国の加速器駆動核変換技術開発計画の動向について
- 標記の件について、日本原子力研究所より資料1-1、資料1-2及び資料1-3に基づき説明があった。これに対し、
- 米国の加速器駆動核変換技術開発計画(ATW計画)の予算規模は、どのくらいの影響力があると考えるか。
(日本原子力研究所)2000年度予算として認められている9M$の予算は、大した額とは言えない。ただし、R&Dの6ヶ年計画全体の予算規模は280M$となっており、かなりの額である。
- ATW計画では、具体的にどのような国際協力を考えているのか。
(日本原子力研究所)今後具体的な計画が立てられるものと思うが、日本、ヨーロッパ諸国などと協定を結び技術交流を行ったり、研究施設の共同利用などが主な内容になると思う。
- ATW計画の担当局が、民間放射性廃棄物管理局から原子力・科学・技術局に移行されたのは、今後新たな可能性を発展させるためと考えてよいか。
(日本原子力研究所)本件について判断するためには、しばらく今後の動向を見極める必要がある。
- ATW計画は、ロスアラモス研究所が原子力の平和利用を目指した方向として、加速器を利用することを掲げていることは特筆的なことと思う。アルゴンヌ研究所の乾式再処理研究の内容がうまくくっついているので、米国の原子力分野における新しい動きとして重要であり、期待できると思う。
- 米国は日本のように使用済燃料を再処理せず、直接処分する方針をとっている。ATW計画は、ユッカマウンテンに高レベル放射性廃棄物を埋設処分する場合の補完を目的に始まったが、今や日本と同様、高レベル放射性廃棄物の処理、処分を核燃料サイクルの一部として見ようとしているのではないか。
- エネルギー政策は、各国が独自に取り組むべき問題であるので、日本の立場を確立した上で、米国との協力関係を検討することが重要である。
- ATW開発指針報告書に対し、運営委員会のメンバーの中に否定的な意見があるとのことだが、理由は何か。
(日本原子力研究所)ATWは、非常に難しい技術であることがその理由である。ATW計画自体に反対しているのではなく、6年間という短い期間の研究開発で見通しを得るというシナリオに対し、疑問をもっているものと思われる。
- 運営委員会のまとめたATW開発指針報告書に対し、DOEはどのような立場をとっているのか。
(日本原子力研究所)ATW開発指針報告書は、DOEが議会より指示を受け、あくまでATWという技術を情報源としてまとめたものであり、DOEに対し拘束力をもつものではない。運営委員会の作成した報告書は議会へ提出されたが、今後の扱いについては議会で審議されることになる。
- ATWでは、45mA、1GeVという仕様の加速器開発を目指しているが、実現の可能性については、どのように考えるか。
(日本原子力研究所)米国の加速器開発にAPT計画というものがあり、その中で、エネルギーレベルは低いが、100mA、1MeVという仕様を達成しており、ある程度大電流化の見通しを得ているのではないか。
- ATW採用により、処分場の線量がどの程度低減するかということも重要であるが、加えて、何年にわたりリスクが継続するかという観点での評価も重要である。
- 等の委員の意見及び質疑応答があった。
- (2)議事録の確認
- 事務局作成の資料2第5回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。