原子力政策円卓会議(第7回)議事概要

  1. 日 時
  2.  7月12日(金) 午後1時30分~午後5時30分

  3. 場 所
  4.  東條会館(東京都千代田区麹町1-4)

  5. テーマ
  6.   「原子力-未来に何を引き継ぐか?」
     -原子力開発利用政策と核燃料リサイクル-
    • 期待される議論
     (1)人間文化・社会と原子力
     (2)エネルギー源の選択
     (3)原子力開発の意義(総合科学技術としての意義も含む)
     (4)原子力開発利用政策のあり方
     (5)核燃料リサイクルの意義・展望
      (再処理、高速増殖炉、プルサーマル、バックエンド対策)

  7. 出席者
  8.                   (敬称略 五十音順)

  9. 議事概要
注1:文章整理の関係から表現が必ずしも発言通りではない場合がある。
参考別紙
:原子力政策円卓会議開催に当たっての基本的事項[別紙1]
:基調発言要旨[別紙2]
:基調発言者以外の方から提出のあった資料等[別紙3]

《中川原子力委員会委員長冒頭挨拶》

《モデレーター冒頭挨拶》

《基調発言》

□原子力一般 □原子力長期計画 □エネルギー関係 □リサイクル政策関係 □高速増殖炉及び「もんじゅ」関係 □バックエンド関係 □安全関係 □社会と原子力 □立地地域と消費地関係 □情報公開関係 □円卓会議のあり方

《他の招へい者の所感》

《自由討議》

□原子力の意義
 ┌─────────────────────────────────┐
1│核エネルギーの利用は、原子核の安定を破壊するので社会との間に基本的│
 │な困難をもたらすと基調発言において指摘があった。         │
 │一方、これに関連して、                      │
 │・人類文明の発達の中で核エネルギの利用は自然なこと        │
 │・co2抑制の観点から原子力は有意義               │
 │・原子力は利用効率といった点で最も理想的なエネルギー源      │
 │との意見があった。                        │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

[《基調発言》における関連意見]
 □原子力一般:4番目意見

□原子力政策のあり方

 ┌─────────────────────────────────┐
1│ 原子力の三原則が完全に保証されるように提言するという意見とともに│
 │我が国の原子力利用の精神は基本法の三原則に基づいてなされており、特│
 │に平和利用は徹底しているとの意見が出された。           │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
2│原子力推進体制について、                     │
 │・原子力委員会を廃止し、研究者の公選制による会議を設置すること  │
 │・原子力安全委員会は一定の権限を持たせた行政委員会とすること   │
 │・日本原子力研究所を国立研究所とすること             │
 │・動燃事業団を廃止すること                    │
 │との意見が出された。                       │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
3│欧米の原子力発電が停滞している理由について、           │
 │・原子力、火力などの大規模な基盤エネルギーシステムを当面追加的に必│
 │ 要としていない経済状況だからである               │
 │・かつて無いほどの反対運動があったことが背景にある        │
 │・米国で原子力が停滞しているのは、石油の価格が下がり原子力より火力│
 │ が安くなったからである                     │
 │との指摘がなされた。                       │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
4│今後の原子力政策の決定に当たっては、               │
 │・国民特に若い人が認めるかどうかという観点が重要         │
 │・政策に関しアセスメントを提示し、対抗意見を出して、最終的に国民の│
 │ 意見がどうかというプロセスが必要                │
 │との意見が出された。                       │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
5│現状の原子力政策について、                    │
 │・安全については、ある程度の実績があり評価している        │
 │・現在の政策は、基本としてエネルギーだけでなく原子力を総体として捉│
 │ えていること、リサイクル社会の形成の展望を持っていることから、認│
 │ められる。                           │
 │との意見が出された。                       │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
6│原子力発電所の廃炉について、地域経済、長期的な電力確保なども踏まえ│
 │どのような計画があるのかという疑問点が提示された。        │
 │これに関連して、原子力委員より、                 │
 │・長期計画では、地域社会との協調をとりつつ、原子力発電所用地として│
 │ 引き続き有効に活用するとしている。               │
 │・個別サイドの話は電力会社、通産省が検討しているが、原子力委員会と│
 │ しては、長期的に整合がとれるようにする責任がある。       │
 │との見解が示された。                       │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
7│原子力利用について、                       │
 │①原子力利用はこれからが正念場である               │
 │②原子力はお金をかけすぎである                  │
 │との指摘がなされた。なお、2については、モデレータより事実関係が紹│
 │介された。                            │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
                                                                        
 ┌─────────────────────────────────┐
8│原子力、核燃料リサイクル政策は国策であると認識しているが、国策にふ│
 │さわしく、安全についてきちんとした対応をするべきであるとの指摘がな│
 │された。                             │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

□核燃料リサイクル
(1)リサイクル政策

 ┌─────────────────────────────────┐
1│基調発言において、国の長期計画、特にプルトニウム政策はほとんど全面│
 │的に破綻しているとの指摘がなされたが、これに関連して原子力委員より│
 │・ATRの計画変更、六ケ所再処理工場についてはいずれも長計の基本を│
 │ 変えているものではない。                    │
 │・我が国のプルトニウム利用は余剰プルトニウムを持たない、平和利用に│
 │ 徹することを全面に出しており、需給バランスについても白書で報告し│
 │ ている                             │
 │との見解が示された。                       │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

[《基調発言》における関連意見]
 □リサイクル政策関連:11番目意見

 ┌─────────────────────────────────┐
2│核燃料リサイクル政策について、                  │
 │・再処理の意義は資源の有効活用と環境保全であり、再処理コストは一種│
 │ の環境保全コストと考えるべき。                 │
 │・プルトニウム政策は国民が納得していない以上大幅に見直しをするべき│
 │という意見が基調発言で出されたが、これに関連して、        │
 │・原子力発電所からの使用済燃料の取り扱いは、資源のリサイクルか使い│
 │ 捨てかといった観点だけでなく、使用済燃料を直接処分すると、環境保│
 │ 護上、核不拡散上問題もあるという意見が出された。        │
 │・これに対し、再処理するとそれに伴う廃棄物が出てくること、廃棄物の│
 │ 容量は減るが放射能量は変わらないこと、プルトニウム社会の問題点は│
 │ 大きく代償が大きいこと等からリサイクルは賢明ではないという意見が│
 │ 出された。                           │
 │・また、プルトニウムについては既に国際的な合意が得られている利用の│
 │ 形があり、日本もその形でしか行っていないという意見も出された。 │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

[《基調発言》における関連意見]
 □リサイクル政策関連:8番目意見、11番目意見

 ┌─────────────────────────────────┐
3│・現時点では、再処理工場を建設するべきではなく使用済燃料は敷地内に│
 │ 貯蔵するべきであるという意見が出された。            │
 │・これに関連して、核燃料リサイクルを産業として確立するためには、あ│
 │ る量の活動を実施していくことが重要であるとの意見が出された。  │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
4│核燃料リサイクルについて、                    │
 │・リサイクルといっても一般廃棄物のリサイクルとは質の違うものだから│
 │ 同じキーワードを使うべきではない                │
 │・今後は、海外再処理委託をやめてもらいたい            │
 │との意見が出された。                       │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

(2)プルサーマル関係

 ┌─────────────────────────────────┐
1│・プルサーマルは、資源の利用効率は2倍くらいにしかならなく、プルト│
 │ ニウムの高次化、廃棄物中の超ウラン元素の問題、輸送、MOX使用済│
 │ 燃料の再処理の問題等があり、メリットはないという意見が出された。│
 │・一方、これに関連して、プルサーマルは世界的な実績、「ふげん」によ│
 │ るMOX利用の実績から、技術的に問題はない。また、軽水炉でプルト│
 │ ニウムができてくるのだから、貯めるよりもいろいろなタイプの炉で燃│
 │ やすことは当然であるという意見が出された。           │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

(3)高速増殖炉開発の意義と「もんじゅ」の位置づけ

 ┌─────────────────────────────────┐
1│高速増殖炉に関連して                       │
 │・審査や考え方の甘さがいたる所にあり、「もんじゅ」は凍結するべき。│
 │・資源的なメリットは認めるが、現状では技術がないことを認識するべき│
 │・「もんじゅ」の今回の事故であきらめるのではなく、今後とも実験を重│
 │ ねてもらいたい                         │
 │との意見が出された。                       │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

□バックエンド関係

 ┌─────────────────────────────────┐
1│・基調発言において、廃棄物政策について長計通りにいかないのではとい│
 │ う指摘があり、原子力委員より、現在専門部会、懇談会等で検討を進め│
 │ ているとの説明がなされた。                   │
 │・これに関連して、原子力委員会の考え方は楽観的であるとの意見が出さ│
 │ れた。                             │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

[《基調発言》における関連意見]
 □バックエンド関係:6番目意見

 ┌─────────────────────────────────┐
2│・放射性廃棄物の処分に関して、安全性、コストについて国民に充分説明│
 │ するとともに、研究を進めデータを蓄積するべき。また、一般廃棄物と│
 │ の量の比較など質の違うものとの比較は国民の理解を得られないという│
 │ 指摘がなされた。                        │
 │・これに関連して、今後研究を進め、コストについても確実な試算をして│
 │ いきたいとの意見が出された。                  │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
3│・廃棄物の問題は、我々の世代の責任としてまじめに考える必要があるが│
 │、原子力の推進とは別に議論するべきであるとの意見が出された。   │
 │・一方、これに関連し、原子力の推進の是非に関わらず廃棄物の問題は難│
 │しい問題であり、原子力の推進と別に議論する、しないの問題ではない │
 │と意見が出された。                        │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

□エネルギー源の選択

 ┌─────────────────────────────────┐
1│エネルギーについては、経済性、環境保全等も含め総合的に考える必要が│
 │あるとの意見が出された。                     │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)
 ┌─────────────────────────────────┐
2│エネルギー源のリスクに関して、どのエネルギーを使用してもリスクは伴│
 │うが、省エネに努力した上で、太陽エネルギーの方向にすべきである。し│
 │かし、それにしてもアセスメントをきちんと議論するプロセスが必要であ│
 │るとの意見が出された。一方、太陽発電だけで、石油、石炭を使わないで│
 │済むことにはならないとの指摘がなされた。             │
 └─────────────────────────────────┘
(議事の概要)

《大臣退席時挨拶》

《伊原原子力委員会委員長代理閉会挨拶》


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