原子力政策円卓会議の設置に当たって

                         平成 8年 3月15日
                         原子力委員会委員長談話
 原子力の研究、開発及び利用に当たっては、「国民とともにある原子力」を基本としなければならない。原子力委員会としては、これまでも「ご意見を聞く会」の開催等により、様々な意見を「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」に反映させるなど、原子力政策に関する国民的合意を得る努力をしてきたところである。

 しかしながら、昨年12月発生した高速増殖原型炉「もんじゅ」の事故を契機として、国民の間に原子力政策に対する不安感、不信感が高まり、原子力施設の立地地域を中心に国民的合意の形成に向けたより一層の努力を求める強い声が寄せられていることを真摯に受けとめる必要がある。

 こうした状況を踏まえ、当委員会は、今般「原子力政策円卓会議」を設置し、国民各界各層の方々とより一層積極的な対話を行うこととしたものであり、関係行政庁が行うフォーラム、シンポジウム等の活動とも連携を図りながら、その成果を今後の原子力政策に的確に反映していくこととしたい。

 なお、「原子力政策円卓会議」においては、単に我が国のエネルギー確保という観点のみならず、世界的な視点、歴史的な視点を踏まえ、現代の世代が豊かな社会を次の世代にどのように引き継いで行くかというような問題も含め、幅広い対話が行われることを期待する。


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