平成11年度第5回 原子力円卓会議当日資料
松田節子
グリーンコープは四つ(人と自然・人と人・女と男・南と北)の共生を基本に「みどりの地球はみどりのままで 子どもたちに手渡したい」をスローガンに掲げ、環境問題、平和の取り組み、アジアとの連帯などさまざまなことに取り組んでいます。脱原発に関する取り組みもその一つです。
原発は「いのち・自然・くらし」を脅かし、未来の子どもたちに大きなツケを負わせるものである、共存できるものではない、という視点に立っています。そのことを確信できたのが、86年チェルノブイリ原発事故でした。グリーンコープはこれまで、主に以下のような脱原発の取り組みを行ってきました。
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以上のような経過を辿る中で、机上の論理だけではなく、単に反対するだけではない、生活者一人ひとりができることに取り組んできました。今、取り組んでいるのは、ISO14001シリーズに準拠した環境家計簿運動です。大量生産・大量消費・大量廃棄の社会を見直すこと、生活者の一人として、自らの家庭における生活を見直すことを目的としています。その具体的なことの一つが電気です。自分の家の電気消費量を通して、原発やエネルギーについて考える契機となっています。ほんの小さな歩みですが、脱原発社会へ向かう一歩として、生活者ができるあたり前のこととして、取り組んでいるところです。このようなグリーンコープの取り組みの状況を踏まえ、またこの度のJCOの事故やプルサーマルへの動きなどを通して、私個人として、今後の原子力のあり方について、次のような問題意識を持っています。
原子力や原発に対し、私はあくまでも生命を育む人間の一人として向き合いたいと思っています。理屈でも何でもない、そこからくる感性を大切にしたいと考えるからです。それは「子どもにこんな危険なものを負わせることが私にはできない」ということです。もちろん原子力や原発だけではなく環境ホルモンやダイオキシンについてもです。そして、いつの時も「われわれはどんな方法で、われわれに必要な科学を、われわれのものにできるか」という観点に立つことが求められているのだと心から思っています。