<資料5−6>

今後の原子力のあり方について
(円卓会議発言要旨)

大西輝明(京都大学/(財)若狭湾エネ研)

 政策や技術としての原子力ではなく、人々と原子力との関わりという観点から、いくつかの問題点を検討する。

  1. 原子力に関する人々の知識量と原子力社会教育の重要性

    • 男女性ともに(とくに女性層では)いずれの年齢層においても、おしなべて低い原子力知識量
    • 原子力知識量と共に変化する原子力に対する恐ろしさの感覚
    • 原子力に限らず、一般の科学技術に対する低い関心度と知識量
    • 社会(や学校)における更なる科学技術教育の必要性

  2. ニュースメディアからの原子力情報の送り手に対する対応の重要性

    • 人々にとってわかり難い原子力報道内容
    • 情報の送り手に対するわかり易いブリーフィングや教育の必要性

  3. 長いタイムスケールで行うパブリックリレーションズ活動の重要性

    • 提供する情報の質や量に依存して変動する原子力世論(1)
    • ネガティブな原子力報道に強く反応する情報不足社会
    • 安定した原子力世論を導くための恒常的な情報提供の必要性

(1)大西、「メディア報道の推移に伴う原子力世論の変動」 日本原子力学会誌、Vol.40,pp.563−571(1998).