<資料5−3>

応募レポート用紙

氏名杉本 英弥   職業団体職員

 私が東京へ出張した折、高校生と話す機会がありました。その中での会話にて大変ビッ クリし、またなんと知識がなく、不確実な情報ばかりが氾濫して、いいかげんなままに伝 わっているのか驚きの連続でした。以下は私と高校生の会話です。
高校生「お兄さんどこから来たの」
私  「福井だよ。どこにあるか知ってる。」
高校生「知ってるよ。福井でしょ、原発が爆発した。」
私  「え!原発は爆発していないよ。ナトリウムが漏れて火災が発生しただけだよ。」
高校生「へえー、爆発したじゃないんだ。でも原発がたくさんあるから危険だし、すごい ところに住んでいるよね。あと北朝鮮も攻めてくるし大変だ。」
会話が終わった後、絶句したのはもちろん、高校生(多分1年生ぐらいだと思う。)で、 この程度のことしか理解していないのにはビックリした。本当に開いた口がふさがらなか った。
 これが電力生産地と消費地の温度差であるのか。電力を生産している地元民が電力を大 量消費するだけで、なんのリスクも負わないところに住んでいる人に、こんな風に思われ ているのは辛亥である。この高校生が、何も知らず、理解していないことが悪いとはおも はない。小、中、高校生などに電気の大切さや、原子力発電についての知識を理解させる ことを怠っている大人が悪いのである。
 今回はたまたま社会人と高校生の会話であったが、これが小学生同士の会話だったらど うだったか。きっと福井県の小学生はショックを受けたであろう。それに、地元にある原 子力発電所が危険であるというだけの認識をしてしまう。確かにそれらに携わる人々が、 誤った作業や隠し事などの人災によって、小さな事故が大きな災害に繋がることはあるが、 熟練された技術者と良識のある管理者のもとでは原子力発電所は安全でクリーンに運営 されるものと信じている。また今後発生していくであろう、放射性廃棄物においても、こ の先、現在の小中学生である子供たちに託すことになる。その子供(日本中の)に原子力 発電が、放射性廃棄物がどのような物であるか、正確に理解させ、知識を深めさせること が大切であると思う。そのような教育を行う事で、電気、資源エネルギーなどを大切にし、 原子力やその他の科学にも興味をもってくれた子供から新しい発明が生まれるかもしれ ない。我々大人は、21世紀をマスコミやいい加減な不確実情報に惑わされる事がなく、 また真の発明者、熟練した技術を持ち、良識のある管理者になる子供を育てることが必要 である。
 最後に、原発立地県、電力生産地に住んでいる県民として、福井の子供達が県外へ行く ことがあったら、堂々と福井を自慢し、原子力発電に誤った認識をもっている同世代の子 供や大人にしっかりとした意見で、正確な情報・現状を自分の言葉で主張したり説明をす ることのできる子供を育てることを望む。そして彼ら一人一人が原子力発電について考え、 意見を述べられる環境づくりをすることが我々大人の使命である。