<資料5-4>
高レベル放射性廃棄物について
for 平成11年度第2回原子力政策円卓会議
山地憲治(東京大学)、990713
円卓会議の役割
第三者的立場から行政の評価や提言を行う機関
国民の広い範囲から多様な意見を提出
モデレータはテーマと期限を決めて、評価と提言をまとめてほしい。
高レベル放射性廃棄物とは何か
核分裂生成物(FP: Fission Products)
使用済み燃料中の放射能(FPとTRU(超ウラン元素))
使用済み燃料そのもの
再処理プロセスからの廃棄物のうち放射能レベルの高いもの(ガラス固化体)
半減期の長いTRU廃棄物
問題設定
放射能が高く半減期の長い廃棄物をどう処理するか。
ゼロリリースを要求するのか?それとも、許容可能なリスクを前提とするのか?
考慮する時間範囲を決めるのか?数百年なのか、数万年あるいはそれ以上なのか?
誰が環境安全性に責任を持つのか。
費用の見積もりと費用負担方式の設計。
現在既に存在する高レベル廃棄物をどうするのか?
今からどうするのか?
いくつかの選択肢とコメント
ガラス固化体地層処分(現在わが国で主流の考え):
国、実施主体、電気事業者の役割・責任の明確化:規制、管理、費用負担
100年間で3兆円程度(4万本):他のオプションとの比較、資金管理方式の検討
使用済み燃料処分:OECD/NEAの評価ではガラス固化体処分より安価。
国際共同処分:人類的課題と位置付けられれば合理性あり。
群分離・消滅処理:リスク低減効果は疑問。
原子力利用からの撤退:それでも既に存在する廃棄物の処理は必要。
参考資料:山地憲治、核燃料サイクル政策の再構築、環境と公害、vol.28, no.4, pp.23-30 (1999)