原子力委員会 10月の動き(1996年)


<委員会の動き>

 定例及び臨時会議



題名:第67回 原子力委員会定例会議議事録
1.日 時  1996年10月1日(火)10:30〜
2.場 所  委員会会議室
3.議 題
   (1)重粒子線がん治療臨床試行の状況について
   (2)バイオディフェンス研究及び第1回放射線生物学日仏ワークショップ開
      催について
   (3)その他
4. 審議事項
   (1)議事録の確認
      第66回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。
   (2)重粒子線がん治療臨床試行の状況について
      標記の件について、放射線医学総合研究所より重粒子線がん治療装置(
     HIMAC)による治療状況、稼働状況等、重粒子線治療に関する全般的
     な状況について、また、正常組織への副作用、腫瘍に対する効果等、重粒
     子線がん治療に対する評価等について、報告があった。
   (3)バイオディフェンス研究及び第1回放射線生物学日仏ワークショップ開
     催について
      標記の件について、放射線医学総合研究所よりバイオディフェンス研究
     の背景・必要性、放射線医学総合研究所における取り組みについて及び平
     成8年9月9日(月)から9月13日(金)に開催された、第1回放射線
     生物学日仏ワークショップについての結果概要について、報告があった。
      これに対し、委員より、
     ・生体防御機能の総合的な解析として本研究を位置づけるとともに、放射
      線の生物への影響という観点に重点をおきつつ進めることが必要。
     ・大学や他研究機関との連携や、国際協力の推進など、放射線医学総合研
      究所が中心となって本プログラムを進めるべき。
     等の意見があった。
                                   以上






題名:第68回 原子力委員会臨時会議議事録
1.日 時  1996年10月3日(木)14:30〜
2.場 所  科学技術庁大臣室
3.議 題
   (1)原子力政策円卓会議モデレーターからの提言の提出について
   (2)その他
4. 審議事項
   (1)原子力政策円卓会議モデレーターからの提言の提出について
      標記の件について、原子力政策円卓会議モデレーターから、1996年
     4月以来、11回開催された原子力政策円卓会議における議論を踏まえた
     提言について説明の上、原子力委員会へ提出された。
      これに対し、委員長より、モデレーターの尽力に対する感謝とともに、
     今後の政策に的確に反映すべく検討する旨、発言があった。
                                   以上



題名:第69回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時  1996年10月4日(木)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)北陸電力(株)志賀原子力発電所2号機設置に係る公開ヒアリングの       開催について    (2)原子力委員会専門部会等運営規程の一部改正について    (3)原子力委員会専門部会等の公開に係る手続きについて    (4)その他 4. 審議事項    (1)議事録の確認       第67回原子力委員会定例会議議事録及びで第68回原子力委員会臨時      会議議事録が了承された。    (2)北陸電力(株)志賀原子力発電所2号機設置に係る公開ヒアリングの      開催について       標記の件について、通商産業省より、北陸電力(株)志賀原子力発電所      2号機の設置に係る公開ヒアリングが、平成8年11月21日(木)午前      8時30分から石川県能登ロイヤルホテルで開催され、当該発電所の設置      に係る諸問題について広く地元住民から意見を聴くとともに、設置者から      地元住民に対する説明を行う旨、説明があった。    (3)原子力委員会専門部会等運営規程の一部改正について       標記の件について、事務局より、説明があり、審議の結果、平成8年9      月25日付け原子力委員会決定「原子力に関する情報公開及び政策決定過      程への国民参加の促進について」に基づき、原子力委員会専門部会等運営      規程の一部改正が決定された。    (4)原子力委員会専門部会等の公開に係る手続きについて       標記の件について、事務局より、平成8年9月25日付け原子力委員会      決定「原子力に関する情報公開及び政策決定過程への国民参加の促進につい      て」基づき原子力委員会の専門部会等が原則議事を公開することにともな      い、会議開催日時等の公表、傍聴者申し込みの受付け及び傍聴者の決定、      報道機関社員等の傍聴の扱い等、会議の秩序維持、会議資料及び議事録に      公表、会議を非公開とする場合の処理等、公開に係る統一的な事務処理要      領を定める旨、説明があり、了承された。                                     以上 題名:第70回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時  1996年10月8日(火)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)平成9年度原子力関係予算ヒアリング    (2)藤家委員の海外出張について    (3)その他 4. 審議事項    (1)平成9年度原子力関係予算要求について       標記の件について、文部省より日本原子力研究所及び私立大学の原子炉      を利用した各種共同研究等のための原子炉共同利用施設経費、東京大学原      子力研究総合センター、大阪大学核物理研究センター等における研究のた      めの附属施設経費等、平成9年度の国立大学等における原子力研究関連概      算要求の概要について、説明があった。    (2)藤家委員の海外出張について       標記の件について、事務局より1996年10月12日(土)から10      月24日(木)までの13日間、ロシア原子力学会第7回年次大会出席及      び講演を行うとともに、スウェーデンのハードロックラボラトリー及びク      ラブ使用済燃料中間貯蔵施設の視察、フランス産業省マンデル総局長との      会談及びスーパーフェニックスの視察、並びにオランダエネルギー研究財      団の視察等を行うための海外出張について、説明があった。    (3)議事録の確認       第69回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。                                    以上 題名:第71回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時  1996年10月11日(金)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)今後の原子力政策の展開にあたって    (2)その他 4. 審議事項    (1)今後の原子力政策の展開にあたって       標記の件について、原子力政策円卓会議の議論及び平成8年10月3日      付けで提出のあった原子力政策円卓会議モデレーターからの提言を受けた      今後の原子力政策の展開に関して、事務局より説明があった。       これに対し、委員より、      ・本決定は、モデレーターからの提言に対し、早急に対応したという点に       おいても有意義と考える。今後、適宜検討しフォローアップしていくこ       とにより、早く結論が出るものと検討に長くかかるものとがあるだろう       が、現行長期計画決定時においても、「今後の進展及び諸情勢の変化に       適切に対応していくため、適時検討を行っていく」としており、検討結       果の出たものから、その都度決定していくことが現実的と思われる。      ・本決定は、必要で適切なものと考える。原子力政策に対する国民の信頼       回復が必要な時であり、原子力委員会として能動的に対応していくこと       が大切。      ・本決定を受けた具体的な対応については、国民への説明の仕方などに配       慮が必要。原子力に関する問題提起に対し、どのように答えていくかと       いう従来の対応方法だけではなく、21世紀の日本の姿や原子力はこう       あるべきだ、という考え方を示していくことが大切と考える。      ・今後この決定にそって国民との原子力に関する対話の一層の促進を図っ       ていきたい。      との意見が出された後、原子力委員会として「今後の原子力政策の展開に      あたって」を決定し、文書で内閣総理大臣に報告することとした。                                     以上 題名:第72回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時  1996年10月15日(火)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)第4回OECD/NEA群分離・消滅処理情報交換会議の結果報告に ついて    (2)基盤技術推進専門部会の活動状況報告について    (3)その他 4. 審議事項    (1)第4回OECD/NEA群分離・消滅処理情報交換会議の結果報告につ       いて        1996年9月10日(火)から13日(金)までの4日間、水戸プ ラザホテルにおいて行われた標記の件について、日本原子力研究所中性 子科学推進特別チーム・チームリーダー向山リエゾン・オフィサーより 群分離・消滅処理に関する国際協力、各国の主要研究計画、群分離・消 滅処理シナリオの評価、研究成果、技術の現状についての情報交換を行 うことによって研究開発を効率的に進める目的で開催された同会議のこ       れまでの開催経緯、今回の議事概要等について、報告があった。   これに対し、委員より、 ・加速器のエネルギー開発利用における活用が、核物理学者の間で検討さ   れており、そのような動きも注目すべきである。      等の意見があった。    (2)基盤技術推進専門部会の活動状況報告について 標記の件については、事務局より、基盤技術推進専門部会及び原子力 研究推進方策検討ワーキンググループの活動状況並びに原子力基盤技術 開発の研究評価、原子力研究の推進方策等について、報告があった。 これに対して、委員より、 ・ワーキンググループの中で、基盤研究等に関して若い世代の意見を幅 広く聴くことと、研究の推進にあたって幅広い専門的分野の経験を持っ た方々の意見を聴くこととの組み合わせをつくることが重要となる。 ・とかく基礎指向、基盤指向となりやすいが、応用、実用化を図る現場 との関係が大切。原子力に限らない波及効果としての展開も考えられる    で、他分野との連絡をよくとってほしい。 (3)議事録の確認 第70回原子力委員会定例会議議事録(案)及び第71回原子力委員会臨 時会議議事録(案)が了承された。       以上 題名:第73回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時  1996年10月18日(金)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)第10回環太平洋原子力会議について    (2)第93回NEA運営委員会出席報告について    (3)1997会計年度米国原子力研究開発予算等について (4)その他 4. 審議事項    (1)第10回環太平洋原子力会議について        1996年10月20日(日)から25日(金)までの6日間、神戸       国際会議場で開催される標記の件について、飯田日本原子力発電株式会 社会長及び掘動力炉・核燃料開発事業団技術参与より、環太平洋地域各 国の原子力分野での情報交換、国際協力、国際交流等を図るため、域内 各国の原子力学・協会が米国原子力学会と協力して開催する本件会議の 、基調テーマ、プログラム等について説明があった。    (2)第93回NEA運営委員会出席報告について 1996年10月3日(木)、4日(金)の2日間、パリで開催され た標記の件について、佐竹日本原子力研究所理事より1997−98年 のNEA作業計画骨子・1997年支出見積もり、特別計画等について 報告があった。      (3)1997年会計年度米国原子力研究開発予算等について 標記の件については、事務局より、米国連邦議会上院・下院において 決議され、大統領署名を経て予算が成立した旨、また、改良型軽水炉計 画、民間高レベル廃棄物処分計画、原子力技術開発、エネルギー研究、 国際原子力安全保障等に関する予算の概算について、報告があった。  (4)議事録の確認 第72回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。 題名:第74回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時  1996年10月22日(火)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1) 原子炉の医療利用について    (2) 日欧高速炉調整委員会について    (3) その他 4. 審議事項    (1) 原子炉の医療利用について       標記の件について、一色日本原子力研究所研究炉部長より、ホウ素中       性子捕捉療法(BNCT)によるがん治療の原理、歴史的経緯、国内に おけるBNCT医療照射の実施例、世界のBNCT医療照射設備と臨床 試行の現状等について、また、JRR−4医療照射設備の整備、ビーム 性能、技術開発及び期待される貢献、今後の展望等について報告があっ た。 これに対し、委員より、 ・京都大、筑波大等の大学との連携・調整を一層図るべき 等の意見があった。 (2)日欧高速炉調整委員会について 1996年9月25日(水)、26日(木)の2日間、フランスのカ ダラッシュ研究センターにおいて開催された、日欧の高速炉研究開発協 力に関する同委員会の結果について、同委員会企画部会長である三浦日 本原子力発電株式会社取締役より日欧双方の高速増殖炉等の開発状況、 協力項目の進捗状況、協力の進め方に関する意見交換等の概要について 、報告があった。 これに対し、委員より、 ・様々なレベルや枠組みでの協力が、全体として効率的に推進されるよ  う留意すべき 等の意見があった。 (3)議事録の確認 第73回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。                                    以 上 題名:第75回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時  1996年10月25日(金)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1) 電中研における原子力研究開発の長期戦略について    (2) 高レベル放射性廃棄物処分懇談会の審議の結果について    (3) 藤家委員の海外出張報告について    (4) その他 4. 審議事項    (1)電中研における原子力研究開発の長期戦略について 標記の件について、木嶋電力中央研究所理事及び吉舗電力中央研究所 原子力推進部長より経年炉対策に関する役割分担等軽水炉の長期安定運 転に向けた研究開発、放射性廃棄物の処理・処分に関する役割分担等バ ックエンド対策の確立に向けた研究開発、乾式リサイクル技術の研究構 想等プルトニウム利用に向けた研究開発、原子力政策分析の研究構想等 原子力全体にわたる研究開発及び外部機関との研究協力、国際貢献につ いて報告があった。 これに対し、委員より、 ・動力炉・核燃料開発事業団及び日本原子力研究所の施設を活用する研 究については、各機関と密接に連携していくことが重要 ・大学との連携を一層図っていくことが重要 ・今後の研究開発での単なる分析的な研究ではなく、総合的な研究プロ セスが重要 (2)第4回高レベル放射性廃棄物処分懇談会の審議の結果について 1996年10月18日(金)に開催された標記の件について、事務 局より資料3に基づき、本懇談会の議事の公開が、懇談会として正式に 了承されたこと、サイト選定プロセス、実施主体、事業資金、立地地域 への対応、社会的受容性等高レベル放射性廃棄物の処分に係る審議の概 要について、報告があった。 これに対し、委員より、 ・高レベル放射性廃棄物の処分方策について、より具体的に明確化を図 っていくことが重要 等の意見があった。 (3)藤家委員の海外出張報告について 標記の件について、事務局より1996年10月12日(土)から1 0月24日(木)までの13日間、ロシア原子力学会第7回年次大会出 席及び講演を行うとともに、スウェーデンのハードロックラボラトリー 及びクラブ使用済燃料中間貯蔵施設の視察、フランス産業省マンデル総 局長との会談及びスーパーフェニックスの視察、並びにオランダエネル ギー研究財団の視察等に関して、報告があった。 (4)議事録の確認 第74回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。                                 以 上 題名:第76回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時  1996年10月29日(火)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1) 原子力委員会専門部会等の原子力委員の担当について    (2) 東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、 2号、3号、4号、5号、6号及び7号原子炉施設の変更)について (答申)    (3) 中部電力株式会社浜岡原子力発電所5号機設置に係る公開ヒアリング の開催について    (4) 核融合会議専門部会の活動状況報告について (5) その他 4. 審議事項    (1)原子力委員会専門部会等の原子力委員の担当について 標記の件について、事務局より、各専門部会等の担当原子力委員につい いて説明があり、了承された。 (2)東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、 2号、3号、4号、5号、6号及び7号原子炉施設の変更)について (答申) 平成8年8月28日付け8資庁第8898号をもって諮問のあった標記 の件に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第 26条第4項において準用する同法第24条第1項第1号、第2号及び第 3号(経理的基礎に係る部分に限る。)に規定する基準の適用について は妥当なものと認め、通商産業大臣あて答申することとした。 注)本件は、1号、2号及び5号炉の使用済燃料の貯蔵裕度を確保す るため、3号、4号、6号及び7号炉の核燃料物質取扱設備の一 部及び使用済燃料貯蔵設備を1号、2号及び5号炉と共用化す るものである。 (3)中部電力株式会社浜岡原子力発電所5号機設置に係る公開ヒアリング の開催について 標記の件について、通商産業省より、中部電力株式会社浜岡原子力発 電所5号機設置に係る公開ヒアリングが、平成8年12月18日(水)午 前8時30分から静岡県浜岡町民会館で開催され、当該発電所の設置に係 る諸問題について広く地元住民から意見を聴くとともに、設置者から地元 住民に対する説明を行う旨、説明があった。 (4)核融合会議専門部会の活動状況報告について 標記の件について、事務局より、核融合会議の最近の活動状況、ITER と第三段階核融合研究開発基本計画上の「実験炉」との関係等最近の検討 の焦点、内外の情勢等について、報告があった。 これに対し、委員より、 ・今後のITER計画の取り組みについては、諸外国の動きを的確に把握 ・分析していくことが重要である。 等の意見があった。 (5)議事録の確認 第75回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。                                 以 上