原子力委員会 2月の動き(1996年)


<委員会の動き>

 定例及び臨時会議



         第8回 原子力委員会臨時会議議事録

1.日 時  1996年2月2日(金)10:30〜
2.場 所  委員会会議室

3.議 題
   (1)高速増殖原型炉もんじゅの二次系ナトリウム漏えい事故について
   (2)平成7年度原子力委員会による海外原子力関係者の招へいについて
   (3)スウェーデンの原子力事情について
   (4)その他

4.審議事項
   (1)議事録の確認
      第7回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。
   (2)高速増殖原型炉もんじゅの二次系ナトリウム漏えい事故について
      2月1日の高速増殖炉「もんじゅ」発電所の視察に関し、標記の件に
     ついて、動力炉・核燃料開発事業団から、2次系配管からのナトリウム
     漏えいの原因究明のための破損した温度計さや管の探索作業などについ
     て報告があった。
      これに対し、委員より、
     ・常陽等の技術、経験を的確に活かしていくべき
     ・関係他機関との相互連絡をより緊密にするよう努力すべき
     等の意見があった。
   (3)平成7年度原子力委員会による海外原子力関係者の招へいについて
      標記の件について、事務局から説明がなされ審議した結果、モハメド
     ・エルバラダイIAEA(国際原子力機関)事務局長補の招へいを決定
     した。
   (4)スウェーデンの原子力事情について
      標記の件について、事務局から1995年12月、スウェーデン議会
     のエネルギー委員会が発表した、「2010年までの原子力発電の段階
     的廃止計画」に関して報告があった。




         第9回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時  1996年2月6日(火)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)高速増殖原型炉もんじゅの二次系ナトリウム漏えい事故について    (2)光量子の高度利用に関する懇談会報告書について    (3)東北電力株式会社女川原子力発電所の原子炉の設置変更(3号原子炉      の施設)について(一部補正)    (4)その他 4.審議事項    (1)議事録の確認       第8回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。    (2)高速増殖原型炉もんじゅの二次系ナトリウム漏えい事故について       標記の件について、動力炉・核燃料開発事業団から、破損した温度計      さや管の探索作業等、及び高速増殖炉関係の海外との技術協力及び研究      者・技術者の交流の状況について報告があった。       これに対し、委員より、      ・日本より先に高速増殖炉の開発に取り組んだ諸外国の経験には反映す       べきことが多く、国際協力で得られた成果を一層活用できるスキーム       を検討すべき      ・長期にわたる研究開発の実施に当たっては、技術の継承を的確に行っ       ていくとの観点から得られた研究成果の管理に十分留意する必要がある      等の意見があった。    (3)光量子の高度利用に関する懇談会報告書について       標記の件について、宅間電気通信大学教授等から、光量子源を用いた      応用研究の可能性、研究開発推進体制等に関し、光量子の高度利用に関      する懇談会がまとめた報告書について報告があった。    (4)東北電力株式会社女川原子力発電所の原子炉の設置変更(3号原子炉      の施設)について(一部補正)       平成8年1月31日付け6資庁第7265号をもって、通商産業大臣      から通知のあった標記の件について、通商産業省から説明がなされ、引      き続き審議することとした。       注)本件は、平成7年4月28日付け6資庁第7265号をもって、        諮問を受けた標記申請について、申請書の本文及び添付書類の記述        の適正化を図るため、一部補正を行うものである。          第10回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時  1996年2月9日(金)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)原子力委員会参与の再任及び任命について    (2)原子力委員会専門委員等の変更について    (3)第11次東南アジア原子力協力代表団概要報告について    (4)高速増殖原型炉もんじゅの二次系ナトリウム漏えい事故について    (5)その他 4.審議事項    (1)原子力委員会参与の再任及び任命について       標記の件について、事務局から説明がなされ、原子力委員会参与のう      ち、下邨 昭三、中江 要介及び向坊 隆を再任するとともに、新たに      吉川 允二を任命することが了承された。    (2)原子力委員会専門委員等の変更について       標記の件について、事務局から説明がなされ、原子力委員会核燃料リ      サイクル計画専門部会及び原子力国際問題等懇談会の構成員のうち、下      邨 昭三を吉川 允二に変更するとともに、原子力委員会放射線利用推      進専門部会の構成員のうち、飯泉 仁を佐藤 章一に変更することが了      承された。    (3)第11次東南アジア原子力協力代表団概要報告について       標記の件について、安原子力産業会議常任相談役から、1996年1      月16日から2月3日までインドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア      を訪問した第11次東南アジア原子力協力代表団の調査結果等の概要に      ついて報告があった。    (4)高速増殖原型炉もんじゅの二次系ナトリウム漏えい事故について       標記の件について、動力炉・核燃料開発事業団から、破損した温度計      の切り出し作業状況等、及び、米国との技術協力の枠組みについて報告      があった。       これに対し、委員より、      ・動力炉・核燃料開発事業団としても、高速増殖炉開発で多くの蓄積の       ある米国との技術協力を体系的にとらえ、今後とも継続していくこと       が重要である      等の意見があった。    (5)議事録の確認       第9回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。          第11回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時  1996年2月13日(火)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)高速増殖原型炉もんじゅの2次系ナトリウム漏えい事故について    (2)その他 4.審議事項    (1)議事録の確認       第10回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。    (2)高速増殖原型炉もんじゅの2次系ナトリウム漏えい事故について       標記の件について、科学技術庁宮林原子力安全局長から、2月9日に      原子力安全局より公表された「動力炉・核燃料開発事業団 高速増殖原      型炉もんじゅナトリウム漏えい事故の調査状況について」の報告があっ      た。       これに対し、委員より、      ・今回の事故については、セイフティ・カルチャー面からの評価と情報       連絡体制の面からの評価が重要である      ・事業団として、事故時にとった行動等の十分な分析評価が重要である      ・技術開発においては、ナトリウム漏えいが起きることも全くないとは       言い切れないという前提で、なおかつ、安全が確保されるよう万全の       対策がとられていることを率直に説明していくべきである      等の意見があった。       引き続き、動力炉・核燃料開発事業団から、破損した温度計の切り出      し作業状況等、及び大洗工学センターにおいて2月15日に「ナトリウ      ムによる漏えい速度、漏えい形態の確認実験」を実施する予定であるこ      と等について報告があった。        第12回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時  平成8年2月16日(金)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)第14回IAEA原子力賠償法常任委員会結果について    (2)IPPC第二次評価報告書について    (3)その他 4.審議事項    (1)議事録の承認       第11回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。    (2)第14回IAEA原子力賠償法常任委員会結果について       標記の件について、事務局から、1996年1月29日から2月2日      にかけてIAEA本部で開催された第14回IAEA原子力賠償法常任      委員会におけるウィーン条約改正案及び補完基金条約案の検討状況等に      ついて報告があった。    (3)IPCC第二次評価報告書について       標記の件について、事務局から1995年12月11日から15日に      かけてローマで開催された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」      第11回総会で採択された、21世紀末に全地球平均気温は1.0ない      し3.5度、海面は15ないし95cm程度上昇する等の予測を含む第      二次評価報告書の概要について報告があった。
       第13回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時  平成8年2月20日(火)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)高速増殖原型炉もんじゅの2次系ナトリウム漏えい事故について    (2)日本原子力研究所大洗研究所の原子炉の設置変更(放射性廃棄物処理      施設、JMTR原子炉施設、JMTRC原子炉施設及びHTTR原子炉      施設の変更)について(諮問)    (3)その他 4.審議事項    (1)高速増殖原型炉もんじゅの2次系ナトリウム漏えい事故について       標記の件について、動力炉・核燃料開発事業団から、破損した温度計      さや管の探索作業状況等について報告がなされるとともに、大洗工学セ      ンターにおいて2月15日に行われた「ナトリウムによる漏えい速度、      漏えい形態の確認実験」についてビデオ映像を用いて報告があった。    (2)日本原子力研究所大洗研究所の原子炉の設置変更(放射性廃棄物処理      施設、JMTR原子炉施設、JMTRC原子炉施設及びHTTR原子炉      施設の変更)について(諮問)      平成8年2月8日付け8安(原規)第5号をもって諮問を受けた標記の      件について、科学技術庁から資料3に基づき説明がなされ、引き続き審      議することとした。       注)本件は、放射性廃棄物処理施設について、大洗研究所における廃        棄物管理の事業の開始を控えて、放射性廃棄物処理施設を原子炉施        設から除外すること、JMTR原子炉施設及びHTTR原子炉施設        について、液体廃棄物及び固体廃棄物の廃棄の方法を変更するとと        もに、排水口の位置を変更すること、並びにJMTRC原子炉施設        について、使用済み燃料の処分の方法を変更するものである。    (3)議事録の確認      第12回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。          第14回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時  平成8年2月23日(金)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)四国電力株式会社伊方発電所の原子炉の設置変更(1号、2号及び3      号原子炉施設の変更)について(諮問)    (2)米国原子力エネルギー協会の世論調査結果について    (3)その他 4.審議事項    (1)議事録の確認      第13回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。    (2)四国電力株式会社伊方発電所の原子炉の設置変更(1号、2号及び3      号原子炉施設の変更)について(諮問)       平成8年2月15日付け7資庁第14393号をもって、通商産業大      臣から諮問を受けた標記の件について、通商産業省から説明がなされ、      引き続き審議することとした。       注)本件は、3号炉核燃料物質取扱設備の一部及び使用済燃料貯蔵設        備の1号、2号及び3号炉による共用化、1号炉の蒸気発生器の取        替え、1号及び2号炉の出力分布調整用制御棒クラスタの撤去、1        号及び2号炉におけるB型バーナブルポイズンの採用、1号及び2        号炉の液体廃棄物廃棄設備の一部の1号及び2号炉による共用化、        蒸気発生器保管庫の設置並びに3号炉使用済樹脂貯蔵タンクの1号、        2号及び3号炉による共用化を行うものである。    (3)米国原子力エネルギー協会の世論調査結果について       標記の件について、事務局から1996年1月に米国原子力エネルギ      ー協会(NEI)が発表した原子力エネルギーに関する世論調査結果に      ついて報告があった。          第15回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時  平成8年2月27日(火)10:30〜 2.場 所  委員会会議室 3.議 題    (1)東北電力株式会社東通原子力発電所1号機設置に係る第1次公開ヒヤ      リングの開催について    (2)原子燃料工業株式会社熊取製造所における核燃料物質の加工の事業の      変更許可について    (3)平成7年度の原子力委員会による海外原子力関係者の招へいについて    (4)高速増殖原型炉もんじゅの2次系ナトリウム漏えい事故について    (5)その他 4.審議事項    (1)議事録の確認      第14回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。    (2)東北電力株式会社東通原子力発電所1号機設置に係る第1次公開ヒヤ      リングの開催について       標記の件について、通商産業省から、平成8年4月17日に青森県東      通村で開催される東北電力株式会社東通原子力発電所1号機設置に係る      公開ヒヤリングについて報告があった。    (3)原子燃料工業株式会社熊取製造所における核燃料物質の加工の事業の      変更許可について(答申)       平成7年10月4日付け7安(核規)第471号をもって諮問のあっ      た標記の件に関する核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する      法律第16条第3項において準用する同法第14条第1項第1号及び第      2号(経理的基礎に係る部分に限る。)に規定する基準の適用について      は妥当なものと認め、内閣総理大臣あて答申することとした。       注)本件は、被覆施設の作業を集約し効率化を図るため、第2加工棟        の被覆施設にペレット編成挿入機及びペレット貯蔵設備を新設する        こと、濃縮度4%を超える燃料集合体の組立数の増加に対応するた        め、第2加工棟の組立施設に係る最大処理能力を277ton−U        から330ton−Uに変更すること、濃縮度4%以下の燃料集合        体の組立数が減少したため、第1加工棟の組立施設の組立機2台の        うち1台を撤去すること、及び燃料の試験開発に係る取扱量を増や        し作業の効率化を図るため、第2加工棟のその他の施設のうち第2        開発室の核的制限値を変更するものである。    (4)平成7年度の原子力委員会による海外原子力関係者の招へいについて       標記の件について、事務局から説明がなされ審議した結果、本年3月      5日より開催する第7回アジア地域原子力協力国際会議に、近隣諸国の      原子力担当大臣等13名を招へいすることが決定された。    (5)高速増殖原型炉もんじゅの2次系ナトリウム漏えい事故について       標記の件について、動力炉・核燃料開発事業団から、温度計さや管の      探索作業状況等の報告がなされた。また、平成8年2月9日付け科学技      術庁原子力安全局より出された指示文書に対し、同事業団が検討し回答      した内容について報告があった。       これに対し、委員より、      ・ナトリウムに関する技術開発を総合的に実施し、その結果について、       国民各層に十分理解してもらい、ナトリウム技術の社会的受容性を高       めることが重要である。      ・もんじゅの運転に当たっては、ナトリウムに関する技術に精通してい       る人をより適切に配置することが望ましい。      ・今回の事故への対応を通して得られた教訓を将来十分に活かしていく       ことが重要である。      等の意見があった。