原子力委員会 7月の動き(1995年)
<委員会の動き>
定例及び臨時会議
第22回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時 1995年7月7日(金)9:50〜 2.場 所 委員会会議室 3.議 題 (1)原子力委員会専門委員等の変更について (2)田畑委員の海外出張について 4.審議事項 (1)議事録の確認 第21回原子力委員会臨時会議議事録が了承された。 (2)原子力委員会専門委員等の変更について 標記の件について、事務局から説明がなされ、了承された。 (3)田畑委員の海外出張について 田畑委員が1995年8月12日(土)から8月21日(月)までの 10日間、日伯科学技術シンポジウムへの出席及び招待講演を行うため、 ブラジル連邦共和国へ海外出張する旨説明がなされ、了承された。
第23回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時 1995年7月11日(火)10:30〜 2.場 所 委員会会議室 3.議 題 (1)日本ニユクリア・フユエル株式会社における核燃料物質の加工の事業 の変更許可について(諮問) (2)藤家委員の海外出張報告について 4.審議事項 (1)議事録の確認 第22回原子力委員会臨時会議議事録が了承された。 (2)日本ニユクリア・フユエル株式会社における核燃料物質の加工の事業 の変更許可について(諮問) 平成7年6月26日付け7安(核規)第172号をもって、内閣総理 大臣から諮問を受けた標記の件について、科学技術庁から説明がなされ、 引き続き審議することとした。 注)本件は、第2加工棟下流工程の主力化対策、第一加工棟の老朽設 備の整理及び放射性廃棄物保管場の能力増強棟を行うものである。 (3)藤家委員の海外出張報告について 藤家委員及び事務局から、藤家委員の1995年7月1日(土)から 7月7日(金)までの7日間、ウクライナへの海外出張(第6回科学技 術会議(ICND−95)への出席及び招待講演)に関し報告があった。
第24回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時 1995年7月14日(金)9:30〜 2.場 所 委員会会議室 3.議 題 (1)新型転換炉実証炉建設計画の見直し要望について 4.審議事項 (1)新型転換炉実証炉建設計画の見直し要望について 標記の件について、電気事業連合会から ・電気事業法の改正等電気事業者を巡る厳しい情勢の中で、経済性向上に 向けて厳しい経営判断を求められている。 ・新型転換炉実証炉建設に係るコスト見直しを進めたところ、当初の3, 960億円という見込みが5,800億円にのぼることが判明したため、 電気事業連合会としては、この経済的理由により新型転換炉実証炉の建 設計画の見直しを要望し、代替案として全炉心MOX燃料利用を目指し たABWR(出力135万kW)の建設を提案。 ・新型転換炉の開発過程における知見、実績は貴重なものと認識しており、 今後の計画に活用を希望する。 ・地元対応については、地元との信頼関係を維持するため、青森県をはじ め関係方面と十分連絡をとりつつ対処していく。 等の説明があり、審議した結果、 ・国の原子力政策決定に当たっては、経済性のみならず、総合的な観点か ら判断する必要がある。 ・新型転換炉実証炉建設について、コストダウンの努力はどれだけなされ ているのか。 ・プルトニウム利用体系における新型転換炉の位置付けについて十分に議 論すべきであり、その際、バックエンドへの影響という観点からも考え る必要がある。 等の意見があり、引き続き審議することとした。
第25回 原子力委員会定例会議議事録 1.日 時 1995年7月18日(火)9:30〜 2.場 所 委員会会議室 3.議 題 (1)新型転換炉実証炉建設計画の見直し要望について 4.審議事項 (1)新型転換炉実証炉建設計画の見直し要望について 標記の件について、電源開発株式会社から ・長年にわたり、新型転換炉実証炉建設に向けた立地活動を展開してきた 電源開発株式会社にとって、電気事業連合会からの要請は厳しいもので あるが、電気事業を巡る厳しい情勢の中での電気事業連合会の判断であ ると受けとめている。 ・昨年5月の漁業補償協定締結後、本格的に経費を見積もることのできる 環境が整ったことから、経費の見直し作業を進めたところ、本年2月、 総経費5,800億円との結論を得、3月に電気事業連合会に提出。今 回の電気事業連合会の要望提出は、以上の経緯を踏まえたもの。 ・経費見積りに当たっては、現行設計の範囲内で可能な合理化を追求した が、特に人件費の高騰化により、経費の大幅増額となった。 ・原子力発電所立地への地元の期待もあり、早期の結論とりまとめを期待 する。 等の説明があり、審議した結果、 ・国の原子力政策決定に当たっては、経済性のみならず、総合的な観点か ら判断する必要がある。 ・思いきった新たな発想に基づく、コストダウンの余地はないか。 ・新型転換炉開発の二つの特徴である、プルトニウム等の燃料を柔軟に燃 やすことができるという点と、ナショナルプロジェクトとして進めてき たという点を考慮する必要がある。 等の意見があり、引き続き審議することとした。
第26回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時 1995年7月21日(金)9:30〜 2.場 所 委員会会議室 3.議 題 (1)新型転換炉実証炉建設計画の見直し要望について 4.審議事項 (1)新型転換炉実証炉建設計画の見直し要望について 標記の件について、動力炉・核燃料開発事業団から ・電気事業連合会からの経済性を重視した要望は理解できるが、研究開発 を続けてきた動力炉・核燃料開発事業団としては、残念であり、重く受 けとめている。 ・約30年間の研究開発の経緯と成果の今後の活用、発展が重要。できる だけ早期の結論とりまとめを期待する。 ・経済性とともに、総合的な視点からの新型転換炉とプルサーマルの位置 付けを明確化し、プルトニウム利用を実用化に向け着実に推進すること が重要である。 ・ナショナルプロジェクトについて、官民の役割分担と協力関係及び技術 移転のあり方の見直しが必要である。 ・動力炉・核燃料開発事業団としては、今後とも長計の実現に向けて各種 業務を推進していきたい。 等の説明があり、審議した結果、 ・動力炉・核燃料開発事業団では、新型転換炉実証炉の設計について、現 行の実証炉の設計以上に経済性の向上を図ることはできないか。 ・今後の「ふげん」の運転についてはどのように考えているのか。 ・新型転換炉と、プルサ マルの位置付けについて、特にバックエンドと の関係において、良く検討する必要がある。 等の意見があり、引き続き審議することとした。
第27回 原子力委員会臨時会議議事録 1.日 時 1995年7月28日(金)10:00〜 2.場 所 委員会会議室 3.議 題 (1)新型転換炉実証炉建設計画の見直し要望について (2)動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センターの原子炉の設置変更(重 水臨界実験装置及び高速実験炉原子炉施設の変更)について(一部補正) 4.審議事項 (1)新型転換炉実証炉建設計画の見直し要望について 標記の件について、社団法人日本電機工業会から、 ・電気事業連合会からの要望は、メーカにとっても非常に残念である。 ・当初は、平成元年頃に着工する予定であったが、その後、毎年一年づ つ延びる形でここまできた。そのためにも、抜本的な設計変更ができ ないままここまできてしまった。 ・大間のサイトを生かすためにも、できるだけ早期の結論とりまとめを 期待する。 などの説明があり、審議した結果、 ・現行設計について、抜本的改良の余地はどこにあるか。 ・設計を抜本的に見直して、実証炉、実用炉へと向かった場合、軽水炉 と比較してどの程度の経済性があるか。 ・新型転換炉と他の炉型を比べた場合、物量的、機能的にどれくらい違 いがあるか。 ・新型転換炉開発でこれまでに得られた技術で今後に役立つ技術知見に は、どのようなものがあるか。 等の意見があり、引き続き審議することとした。 また、本件のより詳細な検討を行うため、経済性グループ(担当:依 田委員)、核燃料リサイクルグループ(担当:藤家委員)及び研究開発 グループ(担当:田畑委員)の3つの検討グループを設置することが確 認された。 (2)議事録の確認 第23回原子力委員会定例会議議事録(案)、24回原子力委員会臨 時会議議事録(案)、第25回原子力委員会定例会議議事録(案)及び 第26回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。 (3)動力炉・核燃料開発事業団大洗工学センターの原子炉の設置変更(重 水臨界実験及び高速実験炉原子炉施設の変更)について(一部補正) 平成7年7月13日付け7安(原規)第189号をもって、内閣総理 大臣から通知のあった標記の件について、科学技術庁から説明がなされ、 引き続き審議することとした。 注)本件は、平成6年11月2日付け6安(原規)第9号をもって、 諮問を受けた標記申請について、申請書の本文及び添付書類の記述 の適正化を図るため、一部補正を行うものである。