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委員会の動き

定例及び臨時会議


第43回(定例)

〔日時〕1993年11月2日(火)9:40〜

〔議題〕
(1)低レベル放射性廃棄物処分の今後の考え方について

〔審議事項〕
(1)低レベル放射性廃棄物処分の今後の考え方について
 江田委員長から、低レベル放射性廃棄物の海洋投棄を巡っての現状について発言があり、事務局から資料にも言及しつつ、低レベル放射性廃棄物処分の今後の考え方について説明がなされた上で審議を行ったところ、
  ・今回のロシアによる放射性廃棄物の海洋投棄についての問題点は、ロンドン条約のモラトリアム決議に違反していること、国際原子力機関の基準等に則っていないこと、投棄に関する十分な情報が提供されなかったこと等である。
  ・科学的技術的観点からは、低レベル放射性廃棄物の海洋投棄そのものは、国際原子力機関の基準等に則って行えば、公衆の健康に特段の影響を与えるものではないという考えは現在も同じである。
  ・原子力委員会としては、科学的技術的な観点のみならず、政治的、社会的観点も考慮する必要がある。
  ・今後、アジア諸国等の原子力平和利用が進展することが予想されるが、これらを含め政治的情勢等が大きく変化する場合には、再度海洋投棄について全世界的に考えることが必要になる可能性もある。
  ・地球環境規模で考えれば、低レベル放射性廃棄物の海洋投棄は、科学的には炭酸ガス、硫黄酸化物及び窒素酸化物等の排出と同様の問題であり、このような観点からの議論も重要である。
  ・地中のウラン資源を利用し、その廃棄物を地中に埋設するという考え方と同様に、将来、海中のウラン資源を利用できるようになったとき、その廃棄物は海中に処分するという考え方もできるかもしれない。
  ・現状認識を踏まえれば、海洋投棄は選択肢としないものとするが、将来、政治的、社会的な情勢等が大きく変化した場合には、再検討を考慮するということが重要である。
  ・原案中「国際協調の観点から、」とあるのは、国際協調の内容に幅があり、また、国際協調以外の観点も含めて判断をしているで、削除した方がよい。
 等の意見が出され、原案の下から4行目の「国際協調の観点から、」を削った上で決定した。

第44回(臨時)

〔日時〕1993年11月5日(金)10:30〜

〔議題〕
(1)平成5年版原子力白書について

〔審議事項〕
(1)議事録の確認
 事務局作成の「第42回原子力委員会定例会議議事録」及び「第43回原子力委員会定例会議議事録」が了承された。

(2)平成5年版原子力白書について
 標記の件について、事務局から資料に基づき説明がなされ審議した結果、原案どおり平成5年版原子力白書を決定した。

第45回(定例)

〔日時〕1993年11月16日(火)10:30〜

〔議題〕
(1)第16回ロンドン条約締約国協議会議の結果について
(2)林委員の海外出張について
(3)原子力委員会長期計画専門部会の構成員の変更について

〔審議事項〕
(1)議事録の確認
 事務局作成の「第44回原子力委員会臨時会議議事録」が了承された。

(2)第16回ロンドン条約締約国協議会議の結果について
 事務局から、11月8日(月)から11月12日(金)までロンドンで開催された第16回ロンドン条約締約国協議会議の結果について、低レベル放射性廃棄物の海洋投棄の禁止を盛り込んだ条約の附属書改正案を含む決議案が採択された旨の報告があり、
  ・本会議における、各国の対応(英、仏、中国、露、ベルギーが反対または棄権)とそれぞれのおかれている状況は十分認識する必要がある。
  ・デ・ミニマス・レベルのIAEAによる検討はいつ頃になるのか、その状況は十分フォローする必要がある。
  ・本条約附属書の改正についての異議申し立てがあった場合、条約上の位置付けはどうなるのか。
  ・ロシアが本条約附属書の改正についての異議申し立てを行なった場合、我が国のロシアヘの援助との関係については、慎重な判断が必要である。
 等の意見が出され、今後とも各国動向等を注視していくこととした。

(3)林委員の海外出張について
 林委員及び事務局から、林委員が1993年11月18日(木)から12月4日(土)までの17日間、高レベル事業推進準備会の紹介、同準備会の事業に対する協力の要請並びに高レベル放射性廃棄物の処分対策にかかわる海外の関連機関の実情調査及び施設の視察のため、英国、オランダ、スイス、スウェーデン及びフランスヘ海外出張する旨説明がなされ、了承された。

(4)原子力委員会長期計画専門部会の構成員の変更について
 標記の件について、事務局から資料に基づき説明がなされ、了承された。(資料1)

第46回(定例)

〔日時〕1993年11月30日(火)10:30〜

〔議題〕
(1)動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所における核燃料物質の加工の事業の変更の許可について(諮間)

〔審議事項〕
(1)議事録の確認
 事務局作成の「第45回原子力委員会定例会議議事録」が了承された。

(2)動力炉・核燃料開発事業団人形峠事業所における核燃料物質の加工の事業の変更の許可について(諮問)
 平成5年11月25日付け5安(核規)第538号をもって、内閣総理大臣から諮問を受けた標記の件について、科学技術庁から資料に基づき説明がなされ、引き続き審議することとした。
注)本件は、処理する核燃料物質の種類に回収ウランを追加し、最大貯蔵能力の増加及び貯蔵する核燃料物質の種類の追加を行うとともに、排気用モニタの増設、使用済NaF貯蔵エリアの設定、NaF処理槽の設置を行うものである。


資料1

原子力委員会長期計画専門部会の構成員の変更について

1993年11月16日(火)
原子力委員会
  1. 原子力委員会長期計画専門部会の構成員のうち、小田稔を構成員から外し、新たに有馬朗人を任命する。
  2. 上記に伴い、所要の手続きを取ることとする。
以上

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