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巻頭言

原子力委員会委員長就任に当たって

国務大臣
科学技術庁長官
原子力委員会委員長
伊藤宗一郎



 原子力開発利用の推進は、エネルギー資源に乏しい我が国にとりまして極めて重要な意義を持つものであります。今日、既に電力の3割は原子力発電によって賄なわれるなど、原子力は我が国の国民経済に欠かすことのできないエネルギーとなっております。

 しかしながら、今後とも、国民の理解と協力の下に原子力開発利用を進めていくためには、原子力発電の安全性・経済性の一層の向上、放射性廃棄物の安全な処分等を含めた核燃料サイクルの確立、新しい原子炉や核融合など21世紀に向けた先導的な研究開発の推進等、多くの課題があります。

 また、国際的な視野に立って、諸外国との協調・協力の下に原子力開発利用を進めていくことも、以前にも増してより一層重要になっております。

 このような時期に、我が国における原子力開発利用に関する基本政策を企画、審議及び決定する原子力委員会の委員長を務めますことは、極めて光栄なことであります。私はその責任の重大さを痛感し、今後全力を尽くして職務に励む所存でありますので、御支援、御協力を賜りますようお願いいたします。

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