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順調に進む臨界プラズマ試験装置JT−60の通電試験



原子力局技術振興課

1. はじめに

 昭和60年4月からの実験開始を目指して、日本原子力研究所において建設が進められてきた臨界プラズマ試験装置JT−60は、本体装置の据付けを59年9月に完了し、現在実験開始前の総合機能試験を実施中である。

 この総合機能試験のうち、真空容器などの健全性をテストする真空試験は良好な結果を得て予定どおり終了し、去る12月10日からは本体コイル通電試験を実施している。この通電試験は、2月下旬頃までには終了する予定であり、その後、総合機能試験の総仕上げとして、実際の運転を模擬した実負荷総合機能試験を行い4月からはいよいよJT−60による実験が開始される。


2. 通電試験の概要

(1) JT−60本体コイルの概要

 JT−60本体のコイルは、トロイダル磁場コイルとポロイダル磁場コイルに分類されるが、前者のトロイダル磁場コイルはトーラス状のプラズマを安定に保持するために、トーラスの方向に沿ってプラズマ中心軸で4.5テスラの強磁場を発生させるコイルで直径6mの単位コイルが18個等間隔でドーナツ状に配置されている。後者のポロイダル磁場コイルは大電流プラズマの生成と制御用の変化磁場を発生させるためのコイルであり、真空容器外に設置されている空心変流器コイル、垂直磁場コイル、水平磁場コイルと四重極磁場コイル及び真空容器内に設置されている磁気リミタコイルから構成されている。


本体の据付けを終え、コイル通電試験を進めている臨界プラズマ試験装置JT−60(茨城県那珂町日本原子力研究所核融合研究センター)


JT−60のトロイダル磁場コイルとポロイダル磁場コイルの主要諸元


JT−60本体コイル通電試験のスケジュール


(2) コイル通電試験の概要

 コイル通電試験は、各コイルに電流を流して発生する磁場やコイルの応力、温度上昇などを測定し、その性能と健全性を確認するとともに、各コイルに電力を供給する発電機や整流器などの運転動作や制御性能などを併せて確認することを目的としている。

 この試験では、まずトロイダル磁場コイル、ポロイダル磁場コイルの順に単独通電試験を行い、次に両コイルの同時通電試験、さらに真空容器を加熱(ベーキング)しながらコイルに通電を行う真空容器高温通電試験を行うこととしている。

 これらの通電試験は順調に進捗しており、去る12月20日にはトロイダル磁場コイルの100%通電試験に成功し、さらに1月10日にはポロイダル磁場コイルの100%通電を達成し、1月末現在両コイルの同時通電試験を実施中である。今後、真空容器高温通電試験を行い、2月下旬には全ての通電試験を終了し、実負荷総合試験へと進む予定である。


3. むすび

 JT−60用本体コイルの設計・製作は最新の設計技術を駆使し、高度の製作技術を用いたものである。また、同コイル用発電機は世界最大級のものである。このように現在最も高度な水準にあるJT−60用各種大型コイルや発電機などの所定性能が順調に確認されつつあることは、我が国の核融合技術レベルの高さを示すものとして評価し得るとともにJT−60の4月からの実験開始を確実視させるものでもある。



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