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「高速増殖炉開発懇談会」中間取りまとめ 昭和59年10月23日
まえがき
本懇談会は、原子力開発利用長期計画において示された高速増殖炉(FBR)開発に関する基本方針を受けて、実証炉開発の進め方について審議を行い、もってFBR開発の円滑な推進を図ることを目的として昭和58年4月に設置され、
@ 実証炉の研究開発及び設計の進め方
(燃料製造及び再処理に関する研究開発を含む。)
A 国際協力のあり方等について審議を進めた。 これまでの審議の結果、当面の実証炉開発の進め方について以下に示すように、中間的に取りまとめた。 本懇談会については、今後、実証炉開発の進捗状況の確認のほか、国際動向等の情勢の変化に対応して実証炉開発の進め方を検討するため、必要に応じ開催するものとする。 1.基本的考え方
(1) FBRは、ウラン資源を最大限に利用し得るので、将来の原子力発電の主流になると考えられるものであり、とりわけ国内エネルギー資源に恵まれない我が国にとっては、その開発意義は大きく、その実用化をできる限り早期に図るべく、たゆまず開発を進めていくことが必要である。 (2) FBRの開発は、原型炉「もんじゅ」に続く実証炉の建設推進により、実用規模の発電プラント技術の実証・習熟及び性能向上並びに経済性の確立を図っていく実用化移行段階に移ることとなる。 (3) 実証炉の開発を推進していくに当たっては、海外の技術開発の成果等を十分に勘案しつつ、動燃事業団をはじめとしてこれまで国内に蓄積されているFBR開発の経験を踏まえ、その成果を十分に活用し、自主技術により開発していくことが重要である。このため、特に、動燃事業団に蓄積された技術の民間への円滑な移転を図る必要がある。また、今後、円滑な実用化を果たすためには、信頼性、安全性を確保しつつ経済性を向上させるよう積極的に努力することが肝要である。 (4) このような実証炉開発の考え方に沿って、実証炉の設計、建設、運転及び研究開発を推進するとともに、これらと並行して合理的な安全設計基準の確立に向けての検討並びにFBR開発全般にわたる基盤的、共通的な研究開発についても着実に進める必要がある。 (5) 実証炉の開発に当たっては、その重要性、リスクの大きさ等に鑑み、官民の協力のもとに進めていくことが重要であり、当面の間は、後に示す「当面の実証炉開発の進め方」に従い、動燃事業団と電気事業者が円滑かつ密接な調整・連携のもとに、協力しつつ推進するものとする。 その後の実証炉開発の進め方については、実証炉の基本仕様等の評価・検討の結果を踏まえて改めて検討するものとするが、その際、実証炉の建設・運転については、電気事業者が主体的役割を果たすとともに、これに必要な設計・研究開発についても、電気事業者、メーカーが積極的に取り組む意向を有していることを踏まえて、上述の協力体制のもとに具体化を図るものとする。 (6) 実証炉の開発スケジュールについては、原型炉「もんじゅ」の建設、運転スケジュール及びその運転経験、今後の実証炉の設計、研究開発等に要するリードタイム及び経済性に関する見通し等を勘案し、当面、1990年代初め頃に着工することを目標に推進する。また、このスケジュールのもとに、設計、研究開発、国際協力等各般の活動を総合的、計画的に進めていくことが重要である。 2. 当面の実証炉開発の進め方
(1) 本懇談会の要請により、動燃事業団及び電気事業者の間に設置された「高速増殖炉連絡協議会」において当面(3カ年程度)の間の研究開発項目、分担等が検討され、その結果をもとに、本懇談会で当面の実証炉開発の進め方について審議し、以下のように合意された。 @ 概念設計は、電気事業者が中心となり、研究開発の成果が適宜概念設計に反映されるべく、動燃事業団との間で、相互に調整を取りながらメーカーの協力を得つつ進めるものとする。 A 概念設計に関連する研究開発(設計研究を含む。)は、動燃事業団が中心となり、電気事業者との間で相互に調整を取りながらメーカーの協力を得つつ進めるものとする。その際、経済性を向上させつつ大型化していくために、各種大型試験を行う必要があり、動燃事業団の大型試験施設を有効に利用する方策について検討を行う必要がある。 また、FBR開発全般にわたる基盤的、共通的な研究開発については、引き続き動燃事業団が中心となり進めるものとする。 B 合理的な安全設計基準の確立に向けて、動燃事業団及び電気事業者が中心となり、原型炉「もんじゅ」等の経験、研究開発により得られる成果、海外の知見等に基づき、早急に検討を進める必要がある。 なお、これらの検討を進めるに当たっては、実証炉の安全性に係る審査を行う安全規制側と早期に連絡を取ることが重要である。 C 電気事業者は、実証炉開発推進に係る計画の策定後、円滑にその計画を推進できるよう、事業主体の確立に向けての準備及び立地地点の選定に係る調査、検討などを進めるものとする。 (2) 開発手順については、当面の間、基本仕様決定のための研究開発等を進め、電気事業者及び動燃事業団による検討の後、電気事業者により取りまとめられた基本仕様等について、原子力委員会において評価・検討し、国としての実証炉開発推進に係る計画を策定することとする。 3.燃料製造及び再処理
(1) MOX燃料の製造については動燃事業団において、鋭意研究開発が進められており、実証炉用燃料についてもすでに検討がはじめられている。 (2) 再処理については、「FBR燃料再処理小委員会」を設置し、検討を重ねた。この結果、FBR燃料再処理については、自主開発を進める重要性が示され、また、現在動燃事業団において進められている基本概念により十分対応できると考えられるが、炉側との整合性をもって開発を進めていく必要があるとされた。 4.国際協力
国際協力については、国情の違いもあることから共同建設などへの参加は時期尚早であり、協力形態としては二国間協力をベースとして展開することが現実的であるが、安全に関する思想・基準については、多国間協力への展開に努める必要がある。また、国際協力は、相互互恵・対等なものになるよう留意し、FBRの安全性と経済性の追及を中心に進め、動燃事業団及び電事連が行う国際協力に加え、メーカーにおいても積極的対応を考慮する必要がある。 |
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