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ダブレットV研究協力、大きな成果をあげ第1段階の協力を終了 原子力局技術振興課
日米核融合研究協力の一環として、日本原子力研究所と米国エネルギー省(DOE)との間で実施しているダブレットV装置を用いた非円形トカマクに関する研究協力は、後述するような大きな成果を挙げ、去る9月に5ヶ年間に亘る第1段階の協力を終了した。 今後は、ダブレットV装置の真空容器を、D形の大型真空容器に置き換え、大形非円形プラズマに関する日米共同研究(ビッグ・ディー計画……既報VOL.28No.8通巻324号)を実施することとしている。 (1) 研究協力の概要
ダブレットV研究協力計画は、米国サンディエゴ市のGA・テクノロジー社(GAT)がDOEとの契約のもとに運営しているダブレットV装置を用いて非円形トカマクに関する研究開発を原研とDOEとが共同で実施しているもので、このため原研は、昭和54年8月からGAT社に研究員を派遣し、同社のスタッフとの協力のもとに実験研究を行ってきた。 第1段階の研究協力においては、@非円形断面プラズマの制御技術の向上、Aプラズマの高ベータ化、B次世代装置設計の基盤となるデータの収集などを重要な課題として実験研究を実施した。 (2) 主要成果
1) 高ベータ・プラズマの達成(昭和57年)
ベータ値(プラズマの圧力と閉込め磁場の圧力との比)を向上させることは、プラズマを比較的弱い磁場で閉じ込めることを意味し、また炉の小型化・経済性を高める。ダブレットVでは非円形トカマクの特徴を生かして、従来の値を大幅に上廻る4.6%という平均ベータ値を達成した(図1参照)。これは現在でも世界記録であり、次世代装置に必要なベータ値(5%程度)をほぼ満たしている。 図1 平均ベータ値4.6%記録時の波形例/Ip(プラズマ電流)、PINJ(NBI入力パワー)、ne(平均密度)、βT(平均ベータ値)/〔NBIを印加するとともに平均ベータ値βTが増減、4.6%まで上昇している。〕 ![]() 2) プラズマの高温・高密度化(昭和59年)
臨界プラズマ条件に近づくためには、密度の高い状態で高温プラズマを実現することが不可欠である。ダブレットVでは、加熱入力を増加して6×1019/m3という高密度で7千万度のプラズマ温度を達成した(図2参照)。これらの密度と温度の積は約600キロジュールのプラズマエネルギーに対応する。この600キロジュールという値は、世界記録であり、この成果を報告した第10回プラズマ物理及び制御核融合研究国際会議(59年9月、於ロンドン)のハイライトであった。 その他にダブレットVでは、非円形度(縦/横比)1.8までのプラズマ制御技術、ダイバータ磁場配位による不純物制御技術等についても成果を得た。 図2 ダブレットV加熱結果結果(注)/(実験条件:密度4〜7.5×1019/m3、プラズマ電流750〜800kA、トロイダル磁場2.0〜2.6テスラ) ![]()
(3) 今後の予定
ダブレットVは、9月から前述のビッグ・ディー計画により、プラズマの体積を3倍増すための大型真空容器(25m3)への置き換え作業を開始した。来年末にはこの作業を終え、新大型真空容器を備えたダブレットVへの更新が完了し、日米共同実験を再開する。 | |
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