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第6回日米核融合調整委員会について



原子力局
技術振興課

1 開催日時
 昭和59年5月10日(木)〜11日(金)

2 場所
 東京・日本原子力研究所会議室

3 出席者
(日本側)
宮島 龍興 原子力委員会参与、核融合会議座長(団長)
雨村 博光 科学技術庁長官官房審議官
植木 浩 文部省学術国際局審議官
桐山 和臣 通産省工業技術院産業公害研究調整官
森 茂 日本原子力研究所理事
内田 岱二郎 名古屋大学プラズマ研究所所長、ほか

(米国側)
J.F.Clarke エネルギー省核融合部長(団長)
M.W.Rosentahl オークリッジ国立研究所副所長
T.K.Fowler ローレンスリバモア国立研究所副所長
T.Ohkawa ゼネラル・アトミック・テクノロジー社副社長
H.Dreicer ロスアラモス国立研究所核融合部長
M.Roberts エネルギー省(米国側Executive Secretary)、ほか

4 議事概要

(1) 両国の計画概要の紹介

 両国の核融合政策及び核融合研究開発の現状について紹介があった。米国の核融合政策の現状概要は、以下のとおりである。

 1) 米国のエネルギー政策の根本的考え方は、@適正価格で十分なエネルギー源を確保すること、Aエネルギー源の多様化をはかること、B連邦政府は開発に長期間を要する分野、ハイ・リスク分野のR&D支援を中心とすることに要約される。核融合は、この範ちゅうに入る。

 2) エネルギーR&D予算の推移
1982年 1985年
(要求)
Total 35億ドル28億ドル
High Energy Physics 14% 26%(増加)
Basic Research 7% 9%(〃)
Fusion 13% 17%(〃)
Fission 40% 21%(減少)
Solar 8% 6%(〃)
Coal 11% 6%(〃)

 3) 核融合次期プロジェクト

 次期ステップとしては、子算の制約等もあり、長時間プラズマ燃焼に自己点火条件の達成を目指したTFCX(Tokamak Fusion Core Experiment)プロジェクトを進める必要があるとの報告がEnergy Research Advisery Boardから提出されている。次期装置については、今秋までに結論を出す予定である。

 4) 核融合予算配分 約4.8億ドル
Toroidal 47%
Mirror 22%
その他 4%
Physics Support 12%
Generic Technology 15%

 現在は、ToroidalとMirrorに大きく予算配分がされているが1989年頃には、これをいづれかに絞ることとなる。

(2) 調整委員会主要決定事項

 1) JT−60/TFTRについての新しい協力関係の樹立

 JT−60/TFTR間の協力を強化・充実させるため、協力の内容、方法等を検討し、原研/DOE実施取決めの付属書原案を作成することとする。

 2) Fusion Technology PCM(Point of Contact Meeting)の設置

 工学技術分野の新規協力プロジェクトの検討に関し、日本側窓口の一本化のため、日本側に関係省庁よりなるJapanese Point of Contactを設け、少なくとも年1回、DOEとのPCMを開催する。

 3) 日米核融合研究協力5カ年実績報告書の採択

 前回調整委員会において作成が決定された標記報告書(案)が事務局から提案され、採択された。

 4) 1984年度交流計画の決定

 1984年度の交流計画として101件(米→日50件、日→米51件)の計画を決定した。

 なお、1983年度実績は、77件(米→日31件、日→米46件)であり、良好な実施状況であったとの評価をした。

(3) 日米核融合研究協力の将来についての自由討議

 @国内計画と国際協力計画、A二国間協力と多国間協力、B日本の計画への米国側の参加の増加、C次期装置についての協力のあり方等について自由討議を行った。主要発言は、以下のとおりである。

  ○協力は互恵平等の思想をベースにすべきである。(日)

  ○これまでも、この思想を基本にしてきた。日米間では成功していると思われるが、米・ECはbenefitの評価で調整が難しい状況にある。コスト・ベネフィットの評価については、直接経費のみでなく、avoided costをも含めて検討すべきであるが、各々の国でその計り方が異なるのが問題である。(米)

  ○二国間協力か多国間協力かの選択は、プロジェクトによって異なるが、基本的には、パートナーが少ない方がやりやすい。つまり、計画の合意が得られやすい。(日・米)

  ○平等性については、個々の研究所レベル毎にも確保されることが望ましい。(米)

  ○平等性という観点からは、それぞれの国の計画への参加割合のバランスという点も十分考慮すべきである。日本の計画への参加割合の増加を望む。(日)

  ○米国では、国際協力については、3つの態度があり得る。つまり、@自国のみで行う。A計画を自国で立案し、他国の参加を探る。B計画を協力して作成し、各国分担を行う。という3形態である。

 これらのうち、政府高官、核融合以外の者は、Bを支持するかもしれないが、現実問題としては理想論にすぎる。(米)

  ○自国で計画立案したものを協力として押しつけることには、抵抗がある。協力を求めるものについては、計画段階から参画を要請すべきと考える。(日)

  ○国際協力の目的は主としてcost savingというよりは、Risk Sharingとブロジェクトを良くするためである。(米)
TFCXについての米国側提案

  ○米国側から、TFTRに続く装置としてTFCX(Tokamak Fusion Core Experiment)の建設を考慮しているとの紹介があった。米国は本件については、本年秋に最終決定するが、現在は概念設計の準備を行っている状況である。

  ○これに関連して、米国側から、概念設計作業に日本人研究者の参加を歓迎したいとの意思表示があり、日本側は、検討することは多々あるが、原則、前向きに検討できるとした。



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