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原子力船「むつ」新定係港に関する共同声明について



 原子力船「むつ」の定係港問題については、昨年8月に中川長官から青森側関係者に対し、むつ市の大湊港を再度「むつ」の定係港とすることの可能性について検討を依頼して以来、鋭意折衝を続けてきた。しかしながら、青森側においては、特に漁業関係者の反対が強かったため、本年4月、中川長官が現地を訪問し陸奥湾の漁業の実態を視察するなどの努力を重ねた結果、「「むつ」の新定係港を青森県内の外洋(候補地:むつ市関根浜地区)に設定し、新定係港が完成するまでの間は「むつ」を大湊港に入港・停泊させる」ことで関係者の合意に至り、去る5月24日、青森において関係五者(化学技術庁、日本原子力船研究開発事業団、青森県、むつ市及び青森県漁業協同組合連合会)による下記の共同声明を発表した。

共同声明
   昭和56年5月24日
国務大臣
 科学技術庁長官 中川 一郎
日本原子力船研究開発事業団理事長 野村 一彦
青森県知事 北村 正哉
むつ市長 河野 幸蔵
青森県漁業協同組合連合会会長理事 植村 正治

 原子力船「むつ」の定係港については、昭和49年10月14日関係四者間において締結した『原子力船「むつ」の定係港入港及び定係港の撤去に関する合意協定書』の主旨に基づき、青森県内の外洋に新しい定係港を設置することとし、その取扱いについて、科学技術庁、日本原子力船研究開発事業団、青森県、むつ市及び青森県漁業協同組合連合会の五者は、次のとおり合意した。

1 原子力船「むつ」の新定係港については、むつ市関根浜地区を候補地として調査、調整のうえ、決定することとし、可及的速やかに建設するものとする。

2 「むつ」は、新定係港の建設の見通しを確認のうえ、大湊港の定係港に入港し、新定係港が完成するまでの間は、大湊港の定係港に停泊するものとする。

3 「むつ」の大湊港の定係港への入港・停泊にあたっての取扱い及び大湊港の定係港の取扱いについては、今後、協議するものとする。

4 大湊港の定係港は、新定係港の完成をまって撤去するものとする。



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