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第2回日米核融合調整委員会報告書



1 日時 55.4.10(木)~11(金)

2 場所 東京 日本原子力研究所第1会議室

3 出席委員
日本側:宮島団長、山本(原研)、内田(東大)、高岡(科技庁)、大崎(文部省)、島田(通産省)
米国側:クラーク団長(DOE)、アグニュー(GA)、ゴットリーブ(PPPL)、デービットソン(MIT)、ファウラー(LLL)
4 議事概要
(1) Overview of National Programsについて

 両国から次の項目についてのnational programの現状について報告された。

① 最近の物理、実験分野での成果を踏まえての核融合研究開発の長期戦略の概要
② 核融合予算
③ JT-60、TFTRの二大トカマクプロジェクトの現状
④ 実験中の最近のデータ及び成果

(2) Exchange Programについて

 昭和54年度の実施状況の報告及び両国にとって有益であったことの確認が行われた。Exchange Programの方法についての改善について議論された。改善点については種々議論されたが今後早急に検討すべき事項として「Exchange Programの実施取極」があげられた。

(3) Joint Fusion Instituteについて

 プラズマ物理のためのjoint instituteの準備状況について報告された。

(4) Joint planningについて

 核融合研究のjoint planningの可能性について議論が行われた。もともとjoint planningは非トカマク分野の協力ということで日米合意していたものであったが、本会合において米側は非トカマク分野に限らずいろいろな分野にも拡大したい意向を表明した。

(5) Doublet Ⅲ projectについて

 DOE/原研間に設置されているSteering Committeeから現状及び次年度予算の考え方が報告され了承された。調整委員会は、DoubletⅢがETF(米国のTFTRの次期装置)、INTOR(IAEAで検討されている次世代装置)及びJT-60の次期装置を目指し最大限有効に利用されるよう勧告した。

(6) Possible Technology Cooperationsについて

 昨年11月に開催された第1回会合において米側から提案のあった次の四つの新規協力テーマについて議論を行った。

① FMIT(Fusion Material Irradiation Test Facility)

 科技庁が中心となり検討するが、当面は核融合会議において核融合材料開発の国内路線との関係を検討するとともに日米間において専門家による調査・検討を行うこととした。

② RTNS-Ⅱ(Rotating Target Neutron Source-Ⅱ)

 文部省が中心となり検討する。

③ TPFS(Tokamak Poloidal Field Systems)

 将来計画であり検討を継続することとした。

④ The Advanced Cluster Test Facility

 協力としては内容的には問題がないのでCluster Test装置の所有者である日本原子力研究所の研究計画にあわせ実施時期を検討することとした。

(7) Exchange Program for FY 1980について

 1980年のexchange programについて意見調整を行い計画を決定した。

(8) Next Meetingについて

 1981年4月に米国で開催することに合意した。

(解説)

 1979年5月2日付の「エネルギー及びこれに関連する分野における研究開発のための協力に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定」に基づき、1979年8月24日付「核融合エネルギーに関する調整委員会の設置に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の交換公文」が取交わされた。これにより、1979年11月8~9日の両日、米国サンディゴのGA社において第1回会合を実施した。また、日米核融合調整委員会の任務は、次のことを含むものとしている。

(a) 基本協定に基づいて行われる核融合の分野における協力活動を検討すること。

(b) 基本決定に基づいて行われる核融合の分野における各種の協力活動の進捗状況及びこれらの活動の間の均衡を監視すること。

(c) 基本協定に基づいて行われる核融合の分野における協力活動の変更及び拡大(新たな共同計画の実施を含む。)の可能性を検討し、これについての提案を作成すること。

(d) 基本協定に基づいて行われる核融合の分野における一般的な情報交換の望ましい範囲及び方法を定めること。

(e) 基本協定に基づいて行われる核融合の分野における協力活動に必要な資金について日本国及びアメリカ合衆国の適当な機関に対し、勧告を行うこと。


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