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国際核燃料サイクル評価(INFCE)について



-科学技術庁-

1 INFCE設立までの経緯

(1) 米国の新原子力政策

 核不拡散強化の国際的気運と、米国議会における核不拡散強化論を背景として、カーター米国大統領は、昭和52年4月7日新原子力政策を発表した。

 これは、国内政策として発表されたものの、商業用再処理及びプルトニウム・リサイクルの期限を定めぬ延期や、高速増殖炉の開発計画変更及び商業化延期を中心としたものであり、これまでの米国の原子力政策を大きく転換するものであったために、国際的に大きな反響を呼び起こした。

 この新政策の中で、カーター大統領は、各国に対して、核拡散防止の観点から核燃料サイクルを国際的に評価し直そうという提案を行った。

(2) 主要国首脳会議

 昭和52年5月7~9日、ロンドンで開かれた主要国首脳会議(加、仏、西独、伊、英、米、日)では、エネルギー源として原子力開発促進の必要性並びに核拡散の危険の減少の重要性について合意するとともに、これらの問題点を対象とした研究(INFCE)を発足させることとなった。

(3) 核問題主要国間予備協議

 前記主要国首脳会議での合意に基づいて、昭和52年6月及び7月パリにおいて、核問題主要国間予備協議(加、仏、英、西独、伊、米、日)が開かれ、国際核燃料サイクル評価として検討すべき付託事項について協議した。

 その結果①予備的分析(INFCE検討の基礎)②検討事項③検討組織について合意がなされた。

(4) INFCE設立総会(参考1参照)

 昭和52年10月19日~21日、米国ワシントンで開かれたINFCE設立総会には、40カ国、4国際機関が参加し、今後2年間で完了させるべき作業計画の内容が決定された。

 本評価作業の実施にあたっては、我が国を始めとする諸国の強い主張により、次の原則によって作業を進めることが合意された。

 INFCEは、核燃料サイクルの全分野において、技術的、分析的作業を行うものである。

 この検討を行うため、下記の8つの作業部会が設けられることになった。

 第1作業部会(核燃料と重水の入手可能性)
 第2作業部会(濃縮の入手可能性)
 第3作業部会(核燃料等の長期供給と諸役務の保証)
 第4作業部会(再処理、プルトニウムの取扱い、リサイクル)
 第5作業部会(高速増殖炉)
 第6作業部会(使用済燃料の管理)
 第7作業部会(廃棄物処理処分)
 第8作業部会(新しい核燃料サイクル及び原子炉の概念)

2 我が国の対応

(1) INFCE対策協議会の開催(参考2参照)

 原子力委員会は、昭和52年9月13日、INFCEに対する我が国としての適切な対応策の確立に資することを目的としたINFCE対策協議会を開催することを決定した。また、その下部組織として以下8つの研究会を開催することとなった。

 ① 資源研究会
 ② 濃縮研究会
 ③ 核燃料長期供給保証研究会
 ④ 再処理・プルトニウム研究会
 ⑤ 高速増殖炉研究会
 ⑥ 使用済燃料貯蔵研究会
 ⑦ 代替燃料サイクル研究会
 ⑧ 保障措置研究会

(2) 基本的考え方
 INFCE設立総会に臨むにあたり、上記協議会での検討を経て、原子力委員会は昭和52年10月14日次の趣旨の我が国の基本方針を明らかにした。(参考3参照)

 ① 核燃料サイクルの確立が我が国にとり必要である。

 ② 原子力平和利用と核拡散防止とは両立するとの考え方について、諸外国の理解と協調を求める。

 ③ 今後の我が国原子力政策の遂行に少なからぬ影響を及ぼすと考えられる本作業に、我が国の見解を反映させるために積極的に参加する。

(3) 第4作業部会の議長国

 再処理、プルトニウムの取扱い及びリサイクルを検討する第4作業部会は、INFCEの8つの作業部会の内、我が国にとって最も重要と考えられ、かつ、INFCEの中心的課題でもある。我が国は、英国とともに、同作業部会の共同議長国となることが決定された。

(4) 原子力国際問題等懇談会について(参考3参照)

 昭和53年3月7日、原子力委員会にINFCE等の原子力開発利用をめぐる国際問題等の重要課題に適切に対処するため、学識経験者、原子力関係各界代表者等よりなる原子力国際問題等懇談会を設置した。

3 INFCEの活動状況

(1) 各作業部会
 INFCEの8つの作業部会は、それぞれ共同議長国を中心に精力的に会合を開催し検討を行った。INFCE事務局の集計によれば61回延べ174日間会合が開催され、46カ国と5国際機関から合計519人の専門家が出席し、延べ2万ページにわたる文書が検討された。(参考5参照)

 その結果、8つの作業部会で昭和54年10月までに最終報告書を採択した。

 ① 第1作業部会(核燃料の入手可能性)
   作業範囲:a. 原子力需要予測
            b. ウランの需給
            c. 探鉱・生産の政策
            d. 重水の需給等

  共同議長国:カナダ、エジプト、インド

  会合開催状況:この作業部会は昭和53年1月に第1回目の会合を開催し、次の4つのサブ・グループを設置した。

   a. サブ・グループA「発電規模と核燃料需要」
   b. サブ・グループB「核燃料資源」
   c. サブ・グループC「探鉱・生産の政策」
   d. サブ・グループD「重水」
   (なお、サブ・グループAは第2作業部会のサブ・グループA「濃縮需要」と合同で作業を行うこととした。)

以来、全体会合を計7回、サブ・グループだけの会合を計3回開催し、昭和54年9月に最終報告書を採択した。

 ② 第2作業部会(濃縮の入手可能性)
   作業範囲:a. 濃縮需給
            b. 濃縮技術比較
            c. 多国間濃縮センター等

  共同議長国:フランス、西独、イラン

  会合開催状況:この作業部会は、昭和52年12月に第1回会合を開催し、次の3つのサブ・グループを設置した。

   a. サブ・グループA「濃縮需要」
   b. サブ・グループB「各種濃縮技術の技術的・経済的評価」
   c. サブ・グループC「開発途上国のスペシャル・ニーズ」

このうちサブ・グループAは第1作業部会のサブ・グループAと合同で作業が行われ、またサブ・グループCは設置が決められただけで、一度も開催されなかった。

 第2作業部会は、全体会合を6回、サブ・グループだけの会合を7回開催し、昭和54年9月に最終報告書を採択した。

 ③ 第3作業部会(核燃料の長期供給保証)
   作業範囲:a. 長期商業契約
            b. 供給保証のための国際的な機構
            c. 供給保証と核不拡散等

  共同議長国:オーストラリア、フィリピン、スイス

  会合開催状況:作業部会は昭和53年1月に第1回会合を開催した。以来、7回会合を開催し、T.C.C.のコメントが出た場合再度会合を開催して検討するとの条件つきで、昭和54年6月に最終報告書を採択した。その後7月に開催されたT.C.C.では大きなコメントはなく、マイナーな修正点を共同議長国と参加国の間でやりとりした後確定した。

 ④ 第4作業部会(再処理、プルトニウム管理)
  作業範囲:a. 再処理
            b. プルトニウムの取扱い
            c. 熱中性子炉へのリサイクル等

  共同議長国:日本、英国

  会合開催状況:この作業部会は、昭和52年12月に第1回会合を開催し、次の2つのサブ・グループを設置した。

   a. サブ・グループA「再処理」
   b. サブ・グループB「プルトニウムの管理・リサイクル」

 本作業部会は我が国が共同議長国であり、電気事業連合会の田宮茂文氏が議長に、また議長を補佐するTechnical Secretariat(T.S.)に動燃事業団の佐藤茂氏(サブ・グループA)、植松邦彦氏(サブ・グループB)が指名された。

 本作業部会は昭和53年5月に開催された東京会合を含め全体会合を計6回、サブ・グループだけの会合を計4回開催し、昭和54年10月に最終報告書を採択した。

 ⑤ 第5作業部会(高速増殖炉)
  作業範囲:a. FBRの役割
            b. FBR燃料サイクル
            c. FBRの環境、法律上の側面等

  共同議長国:ソ連、イタリア、ベルギー

  会合開催状況:この作業部会は、昭和52年12月に第1回会合を開催し、次の4つのサブ・グループを設置した。

   a. サブ・グループA「FBRの役割」
   b. サブ・グループB「FBR燃料サイクル」
   c. サブ・グループC「環境及び法律上、管理上の側面」
   d. サブ・グループD「FBR代替燃料サイクル」

 以来、全体会合を計6回、サブ・グループ会合のみの会合を計4回開催し、昭和54年9月に最終報告書を採択した。

 ⑥ 第6作業部会(使用済燃料の管理)
  作業範囲:a. 使用済燃料貯蔵の諸戦略とその費用
            b. 短期/中間的貯蔵等

  共同議長国:アルゼンチン、スペイン

  会合開催状況:この作業部会は、昭和52年12月に第1回会合を開催した。本作業部会はサブ・グループを設置しなかったが、全体を次の8つのタスクに分け、それぞれのタスクに対する執筆分担を決定した。

   a. 質問表の整理…CEC
   b. LWR…米・西独
   c. HWR…カナダ
   d. GCR…英
   e. FBR…仏
   f. 制度…IAEA
   g. 開発途上国…IAEA
   h. 小規模原子力発電国…スイス

   本作業部会は全体で計7回の会合を開き、昭和54年9月に最終報告書を採択した。

 ⑦ 第7作業部会(廃棄物管理及び処分)
  作業範囲:a. 放射性廃棄物の取扱い及び処分のための技術
            b. 貯蔵施設(永久的又は一時的)

  共同議長国:フィンランド、オランダ、スウェーデン

  会合開催状況:この作業部会は、昭和52年11月第1回会合を開催した。

 次の2つのサブ・グループを設置し作業を行うこととなった。

   a. サブ・グループA「再処理なしの燃料サイクルの廃棄物管理」
   b. サブ・グループB「再処理を行う燃料サイクルの廃棄物管理」

 本作業部会は全体会合を計8回、サブ・グループのみの会合を1回開催し、昭和54年9月に最終報告書を採択した。

 ⑧ 第8作業部会(新型核燃料サイクル・新型原子炉の概念)
  作業範囲:a. 使い捨て燃料サイクル
            b. 新しいシステム及び概念
            c. 研究炉等
  共同議長国:韓国、ルーマニア、米国

  会合開催状況:この作業部会は昭和52年11月に第1回会合を開催し、次の3つのサブ・グループを設置した。

   a. サブ・グループA「使い捨て燃料サイクル(ワンス・スルー)」
   b. サブ・グループB「新しい燃料サイクル及び原子炉の概念」
   c. サブ・グループC「研究炉」

 本作業部会は全部で8回の会合を開催し、昭和54年9月に最終報告書を採択した。

(2) 中間総会

 INFCEの2年間の作業期間のほぼ中間と考えられる昭和53年11月27日から29日に、INFCEのすべての参加国を招集した中間総会が開かれた。中間総会には設立総会を上まわる57カ国、5国際機関が参加した。(参考6参照)INFCEの中間点での作業状況を検討した結果、当初の2年間で終了することは困難であることを確認し、INFCEの期間を延長することとして、最終総会を昭和55年2月末に開催することとなった。

(3) 技術調整委員会(T.C.C.)

 T.C.C.は、各作業部会の共同議長国により構成され、技術的観点から調整を行うことを目的として設けられた。第1回会合は昭和52年12月に開催され議長を誰にするかで議論があったが、Temporary Chairmanということで米国Harvard大学のChayes教授が選ばれた。その後、結局、毎回Temporaryということで、Chayes教授が一貫して議長を務めた。

 これ以降、昭和54年12月現在まで、計6回のT.C.C.会合が開催されている。6回の会合のうち、前の4回は、各作業部会の進捗に応じ、作業過程で生じた問題点の調整にあたっていたが、ドラフト化した段階で、総会に報告すべくT.C.C.報告書の作成を開始した。すなわち、昭和54年7月に開催された第5回T.C.C.会合において各作業部会の最終報告書ドラフトを検討し、作業部会間の整合性を検討した。昭和54年8月にChayes議長及びIAEA事務局より、T.C.C.報告書の第一次案が作成された。

 このT.C.C.報告書はSummary and Overviewと呼ばれており、各作業部会報告書の要約と全体の概説を記することになっているものである。この第一次案に対してT.C.C.参加国よりコメントを受け、また各作業部会の報告書の採択を待って再びChayesとIAEA事務局により、第二次案が作成された。昭和54年11月にT.C.C.の第6回会合が開催され、T.C.C.報告書の第二次案が審議されたが、相当量のコメントが各国より出され、確定するまでに至らなかった。今後のスケジュールとしてはChayes議長とIAEA事務局の手により再び修正された第三版が、昭和55年1月のT.C.C.第7回会合で検討、確定される予定である。確定されたT.C.C.報告書(Summary and Overview)は、昭和55年2月末の最終総会に報告されることになる。

4 ポストINFCE

(1) ポストINFCEについて

 INFCEの結論は核不拡散を担保するための措置に関して基本的な方向を示したものになると予想される。さらに、INFCE設立総会の共同コミュニケには、INFCEは技術的及び分析的研究であり、交渉でないこと、及び参加国はINFCEの結果に拘束されないことが明記されている。したがって、具体的な政策や措置については、今後2国間や多国間の場における検討を経て実施されていくことになるが、これらの問題はINFCE以降の問題という意味でポストINFCE問題と呼ばれている。

 ポストINFCE問題のうち、我が国にとっての2国間の問題としては、日米、日豪等の原子力協定改定や東海再処理施設の運転に関する日米共同決定の改定等がある。これらは政府間における交渉の場を通じて行われる。

 また、INFCEの結果を受けて、これをさらに多数国で構成される国際的な場で、その具体策を検討することが、今後活発化していくことになる。このうち国際的な制度に関する検討については、IAEAが極めて積極的であり、このIAEAでの検討がポストINFCE問題の大きな比重を占めると予想される。具体的には、次の3つの制度の検討であり、このうちの一部は既に作業が開始されている。

(イ) 国際プルトニウム貯蔵(IPS)構想
(ロ) 国際使用済燃料管理(ISFM)構想
(ハ) 核燃料の供給保証制度

(2) IPSについて

 IPS(International Plutonium Storage)というのは、再処理により分離されたPuに関し、国際的な貯蔵のフレームを作り、Puが平和目的以外に悪用されることを防ごうとする構想である。

 IAEAは、その憲章の中に余剰Puの預託請求と必要量の払い出しを行うことができると規定してあり、IPSの検討に極めて積極的である。IAEAは昭和53年7月「International Management and Storage of Plutonium and Spent Fuel」という文書を発表し、IAEA諸国にコメントを求めてきた。各国のコメントを受け、IAEAはPu貯蔵の部分に関して、専門家会合を開催することとした。

 INFCEとの関係については、IPS構想はINFCE設立総会で決定された検討事項に入っており、第4作業部会で検討することになっていたが、IAEAが専門家会合を開くということを決定したので、IPSの核不拡散上の意義を認めるにとどめ、具体的なIPSスキームは専門家会合で検討されることになった。

 IAEA主催IPS専門家会合の第1回会合は、昭和53年12月4日から6日までウィーンで開催され、22カ国、2国際機関が参加した。(その後参考7のように24カ国に参加国が増加している。)以降、昭和54年5月に第2回、昭和54年11月に第3回が開催され、IPSの技術的、制度的、法制的な問題を中心に検討が行われている。また、第2回会合において、2つのサブ・グループが設けられた。このサブ・グループはTechnical Advisory Group(TAG)と呼ばれており、TAG.A.とTAG.B.の検討範囲は参考8の通りである。TAGの会合は昭和54年7月に第1回会合が開催されている。

 IAEAのIPS専門家会合は、昭和55年5月、昭和55年10月(必要があれば昭和55年7月)に予定されており、今後、検討が本格化していくものと考えられる。(参考9参照)

(3) ISFMについて

 ISFM(International Spent Fuel Management)というのは、原子炉から排出される使用済燃料が世界的にみて再処理される量をはるかに上回って発生することが予想されるので、これを国際的に貯蔵し、管理しようとするものである。

 IPSと違いISFMはIAEA憲章の中に明確な規定がないので、IPSと同様にIAEA主催の専門家会合を行うことについて、IAEA主要国の合意が得られなかった。しかし、使用済燃料の管理問題を扱うINFCEの第6作業部会の検討がまとまってきたので、ようやくIAEA主催でISFMの専門家会合を昭和54年6月に開催されることが主要国間で合意された。

 IAEA主催ISFM専門家合会の第1回は、昭和54年6月19日から22日までのウィーンで開催され21カ国、3国際機関が参加した。(参考10参照)第2回会合は、昭和54年11月19日から21日まで行われ、2つのサブ・グループが設けられた。このサブ・グループA、Bの検討範囲は参考11の通りである。

 IAEA主催のISFM専門家会合及びサブ・グループ会合は昭和55年7月に次回会合が開催されることになっているが、まだ検討はほとんど始っておらず、各国からのコントリビューションもほとんどない。したがってIPSより進捗が遅れているが、次回会合以降実質的な内容検討が行なわれていくことになると考えられる。(参考9参照)

(4) 核燃料供給保証について

 核燃料の供給保証が十分に行われているならば、不必要な濃縮や再処理の施設を建設するインセンティブが減少し、結果として核不拡散に寄与することになる。したがって、この供給保証をどのように担保していくかが重要な課題であるが、この問題はINFCEの重要課題でもあり、第3作業部会を中心に検討が行われたところである。

 IAEAのエクランド事務局長は、昭和54年9月のウラン協会での演説でこの問題に触れ、INFCEの成果を受け、IAEAが検討の場を提供する用意がある旨述べている。IAEA事務局は、理事会の下にすべてのIAEA諸国に開かれた委員会を設置し、そこで「十分な保障措置の下で、核燃料供給保証に関する国際的に受けいれられる枠組み」を検討したいという考え方であると思われる。

 IAEAの考え方は、現在のところまだ主要国のコンセンサスが得られていないが、事務局はできる限り早くコンセンサスを得て、第1回会合を行いたい意向のようである。


(参考資料)

1 INFCE設立総会最終コミュニケ

(昭和52年10月21日)

 国際核燃料サイクル評価設立総会の参加者は、世界のエネルギー需要を早急に満たす必要があること、並びに、その目的のために平和目的のための原子力が広く利用に供されるべきであることを認識する。参加者は、また、エネルギー供給あるいは、平和目的のための核エネルギー開発を害ることなく、核兵器拡散の危険を最小限にするために、国レベル及び国際的合意を通じて、効果的措置を取ることが可能であり、かつ、取られるべきであることを確認する。

 設立総会に参加した次の諸国は、それ故に、これらの目的を進展させる最良の方法を探究するために、国際核燃料サイクル評価(INFCE)を行うことに合意した。

アイルランド イラン
アメリカ合衆国 インド
アルジェリア インドネシア
アルゼンチン エジプト
イギリス オランダ
イスラエル オーストラリア
イタリア オーストリア
カナダ ノルウェー
韓国 パキスタン
スイス フィリピン
スウェーデン フィンランド
スペイン フランス
ソビエト連邦 ブラジル
チェコスロバキア ベネズェラ
デンマーク ベルギー
トルコ ポルトガル
ドイツ民主共和国 ポーランド
ドイツ連邦共和国 メキシコ
ナイジェリア ユーゴスラビア
日本 ルーマニア
(50音順)(40カ国)

 設立総会には、国際原子力機関(IAEA)、欧州共同委員会(EC)、原子力機関(NEA)、及び国際エネルギー機関(IEA)の代表も出席し、INFCEに参加する用意がある旨表明した。

 参加者は、すべての関心を有する国、及び関係国際機関が、INFCEの将来の作業に参加し得ることに合意した。また、すべての参加者は、この作業に貢献するための平等な機会を有することが合意された。

 参加者は、核拡散防止の重要性、及び、さらにそれ以上に、核兵器国間の核軍備競争を停止させ、これを逆転するための効果的かつ、緊急な措置を講ずることの重要性を、認識している。

 本件評価は「国際核燃料サイクル評価;技術的及び経済的検討範囲並びに作業方法」と題する別添文書に記された線に沿って行われる。参加者は、開発途上国に特有の必要性及び条件も、特別の考慮を払うことを確認した。

 参加者は、INFCEが技術的及び分析的研究であり交渉ではないことに合意した。作業結果は、参加国政府に送付され、各々の原子力政策の立案、並びに、原子力の協力及び関連する規制と保障措置に関する国際的な討議の際の検討用に供される。参加者は、INFCEの結果に拘束されない。

 評価は、客観性の精神により行われ、本分野における各国の選択及び決定に対する相互尊重の下に、合意された保障措置が適用されている限り、各国の核燃料サイクル政策、あるいは、原子力平和利用のための国際的な協力、協定、及び契約を阻害することなく行われる。

 参加者は、IAEAが、適当な技術的、及び事務局的な助力を提供することにより、INFCEを支援することに決定したことを、原則として、歓迎した。参加者は、かかる支援の度合いと範囲については、IAEAの適当な組織によって検討されることを希望する旨、表明した。同時に参加者は、IAEAが、INFCEのあらゆるレベルにおける作業、とりわけ、技術的調整の分野において、積極的な役割を果たすことを期待する旨、表明した。この関連で、参加者は、IAEAが、原子力活動を促進するとともに、保障措置を講ずるという、二面的な責任を有していることを認めた。

 評価の実質的作業に関する文書は、関心を表明するすべての政府、及び国際機関の利用に供される。


A 技術的及び経済的検討範囲

(各作業部会の検討事項)

(1) 核燃料と重水の入手可能性(第1作業部会)

 a) 原子力需要予測、並びに、それに関連づけられた各種核燃料サイクル戦略ごとのウランと重水の需要予測
 b) ウラン入手可能性
  - 資源及び生産能力の評価
  - 合弁事業を含む探鉱および生産を奨励するための政策と誘因
  - 探鉱及び生産に投資する企業に対する市場政策、及びもしくは、売上げ保証
  - 電力業者に対する市場政策、及びもしくは、供給保証
  - 探鉱、採掘及び精錬の技術開発
 c) 重水の入手可能性
 d) トリウムの入手可能性
 e) 開発途上国にとっての特別の必要性

(2) 濃縮の入手可能性(第2作業部会)

 a) 種々の核燃料サイクル戦略ごとの濃縮の需要と入手可能性
  - 将来の供給能力に関する共同計画
  - 相互投資の可能性
  - 自由市場における顧客の選択の自由
 b) 種々の濃縮技術の技術的、経済的評価
 c) 各種濃縮技術の核拡散の危険性の評価と比較
 d) 濃縮に特有な保障措置上の側面
 e) 多国間、もしくは地域的な核燃料サイクルセンター又は、同様の仕組み
 f) 開発途上国にとっての特別の必要性

(3) 核不拡散と相容れる国家的必要性上関心となる、技術、核燃料、及び重水の長期供給と諸役務の保証(第3作業部会)

 a) 需給者間の長期商業契約の奨励(市場の安定性に影響を及ぼす要因、例えば、供給、需要、及び価格を含む。)
 b) 国としての輸入、輸出、及び核不拡散政策上の関連での、確実な供給の保証
 c) 供給の遅滞、又は途絶が起きた場合に、時宜を得た供給を保証する多国間、又は国際的な機構
 d) プルトニウムの、他の核燃料との交換、もしくは、他の核燃料への評価換えの可能性
 e) 開発途上国にとっての特別の必要性

(4) 再処理、プルトニウムの取扱い、リサイクル(第4作業部会)
 a) 再処理
  - 完全な工業規模における再処理の経済上、環境上、及びエネルギー上の側面の研究
  - 再処理に特有な保障措置上の側面
  - 多国間、もしくは地域的な核燃料サイクルセンター又は同様の仕組み
  - 代替再処理方法
  - 諸再処理案が、廃棄物処理処分戦略、及び経済性に及ぼす影響
 b) プルトニウムの取扱い
  - 高純度に濃縮されたプルトニウムの充分な貯蔵、輸送、及び使用のための、可能な条件及び制限
  - 分離されたプルトニウムの国際的な管理(IAEA管理下の貯蔵、及び関連の利用可能諸基準を含む。)
  - スパイキング、もしくはプルトニウムを混合酸化物の形又は燃料要素の形で、可能なら予め照射して、移動することを含んだ、代替的取り扱い方法
 c) 熱中性子炉のリサイクル
  - 工業規模での本概念のもつ、技術上、経済上、環境上、及びエネルギー上の側面の研究
  - リサイクルに特有な保障措置上の側面
  - ウランのみのリサイクルの可能性
d) 開発途上国にとっての特別の必要性

(5) 高速増殖炉(第5作業部会)
 a) 工業規模での本概念のもつ、技術上、経済上、環境上、及びエネルギー上の側面の研究
 b) 高速増殖炉に特有な保障措置上の側面

 c) 再処理方法;次のものを含む。

  - 完全な工業規模での再処理のもつ、技術上、経済上、環境上、及びエネルギー上の側面の研究
  - 高速増殖炉再処理に特有な保障措置上の側面
  - 多国間、もしくは地域的な核燃料サイクルセンター又は、同様の仕組み
  - 代替再処理方法
 d) 開発途上国にとっての特別の必要性

(6) 使用済燃料の管理(第6作業部会)
 a) 貯蔵の諸戦略と、その費用
  - 軽水炉用
  - 重水炉用
  - ガス冷却炉用
  - 高速増殖炉用
 b) 短期的/中期的貯蔵
  - 現有貯蔵能力評価
  - 使用済燃料貯蔵拡大の諸方法
  - 立地及び輸送問題
  - 現存使用済燃料貯蔵容量の、より有効な利用
  - 制度上、環境上、保障措置上、及び安全上の側面(燃料の健全性問題及びそれに伴うリスクを含む。)
  - 費用
  - 法律的問題
 c) 開発途上国にとっての特別の必要性

(7) 廃棄物処理処分(第7作業部会)
 a) 取扱い及び処分のための技術
  - 使用済燃料
  - 分離された廃棄生成物
 b) 貯蔵施設(永久的、又は取出し可能な)
  - 立地問題
  - それ以後の回収の可能性、又はリスク
  - 制度上、環境上、安全上の側面(貯蔵施設の健全性問題、及び地質上のリスク、並びに放射性生成物の漏洩に対する防護を含む。)
  - 費用
  - 法律的問題
 c) 開発途上国にとっての特別の必要性

(8) 新しい核燃料サイクル及び原子炉の概念(第8作業部会)
 a) 現在の熱中性子炉のための、核燃料の使い捨て利用
  - 使い捨て核燃料の利用度を増加する方法
   …最適化された核燃料及び出荷設計
   …タンデム・サイクル
   …スペクトラル・シフト
  - 使い捨て核燃料の利用のエネルギーバランス、並びに、経済上、保障措置上、及び環境上の側面
   …軽水炉用
   …重水炉用
   …ガス冷却炉用
 b) その他の原子炉及び核燃料サイクルの概念
  - 動力炉用の高濃縮ウランの生産利用、及び保障措置
  - 研究炉(高濃縮ウランの使用、並びに、その代替策)
  - トリウム-U-233サイクル
  - 軽水及びトリウム増殖炉の概念
  - 高温炉
  - その他の改良型原子炉の概念(核融合及び加速器増殖炉を含む。)
    各ケースにつき、該当する場合には、
   …核兵器に使用されうる物質が分離されうる核燃料サイクルの各段階、並びに、核拡散の危険性を減少しうる方法の確認
   …経済上、環境上、及びエネルギー上の側面
   …商業化のリードタイム
   …安全性の問題
 e)開発途上国にとっての特別の必要性

B 組織

(1) 前述の各章ごとに、そこでの作業に対して貢献することを希望する全ての国から構成される、一つの国際的作業グループが設けられる。これら8グループの共同議長国に指定されたのは、次のとおりである。


第一グループ共同議長国-カナダ、エジプト、インド
第二  〃      〃  -仏、西独、イラン
第三  〃      〃  -豪、フィリピン、スイス
第四  〃      〃  -日本、英
第五  〃      〃  -ベルギー、イタリア、ソ連
第六  〃      〃  -アルゼンチン、スペイン
第七  〃      〃  -フィンランド、オランダ、スウェーデン
第八  〃      〃  -韓国、ルーマニア、米国

(2) 各グループは、適宜、関連のある他のグループの共同議長と協議した後、同グループの下にサブグループを設けるか否か、決めることとなる。本研究のための共通資金はなく、議長提供国を含め各参加国が自己の参加の経費に責任をもつ。各グループ又はサブグループは、作業を各参加国間で分担する。参加国の政府機関間、又は産業界との共同研究が、可能な範囲で組織される。参加国からのいかなる貢献も歓迎される。

(3) 各々のグループが、それぞれ当該分野において完全且つ現実的な情報を収集することを可能とするため、全ての参加者は、本評価計画の完遂のために必要なデータの交換を促す。

(4) 各々のグループは、少なくとも年1回開かれる参加国総会に報告する。次の総会は、約1年後に、ウィーンにて開催する。本研究は2年以内に完了させなければならない。これら研究及び報告書は、第一義的に、技術的かつ分析的なものである。ある立場が合意された場合には、その合意を表明するものの、各参加者は、その希望する場合には、反対意見又は個別意見をもつ権利を有し、それは作業部会報告書に含められることとなる。参加者最終総会は、約2年後に開催される。

(5) 作業部会の共同議長により構成される技術調査委員会が、技術的観点から諸グループの作業を調整するために、6カ月毎、又は、他の合意された頻度で、開催される。他の参加者は、オブザーバーとして参加出来る。技術調整委員会の第一回会合は、ウィーンのIAEA施設において、1977年12月12日に開催される。技術調査委員会は、総会に対して報告する。

(6) 評価作業においては、IAEAの能力を活用する。IAEAは、本計画の全てのグループ、及びサブグループ、並びに技術調整委員会に出席することが出来る。特に、IAEAには、事務局機能を提供するよう、求めることが出来る。関連のある他の国際的及び政府加盟の機関は、本作業グループに参加するよう招かれている。


2 INFCE対策協議会の開催について

昭和52年9月13日
原子力委員会

(1) 開催目的

 本協議会は、昭和52年5月のロンドン7カ国首脳会議で合意をみた国際的核燃料サイクル評価(INFCE)に関する重要事項を審議し、もってINFCEに対する我が国としての適切な対応策の確立に資することを目的とする。

(2) 審議事項

 ① INFCEに対する我が国としての対応策の基本に関すること。

 ② 我が国におけるINFCE関連調査研究に関すること。

 ③ 海外におけるINFCE関連動向の分析及び評価に関すること。

 ④ その他INFCEに関する重要事項に関すること。


(3) 構成員

 本協議会は、担当原子力委員、学識経験者等をもって構成する。

(4) その他

 必要に応じ、本協議会の下に学識経験者、関係試験研究機関の職員、関係行政機関の職員等若干名による研究会を設け、協議会の審議に必要な調査研究を行う。

(5) 構成員(昭和54年12月15日現在)
新関 欽哉 原子力委員
島村 武久 原子力委員
天野 昇 日本原子力研究所理事
生田 豊朗 日本エネルギー経済研究所所長
今泉 常正 東京大学教授
大山 彰 動力炉・核燃料開発事業団理事
川島 芳郎 核物質管理センター専務理事
瀬川 正男 動力炉・核燃料開発事業団理事長
高市 利夫 FBRエンジニアリング事務所長
高島 洋一 東京工業大学教授
田宮 茂文 電気事業連合会技術顧問
豊田 正敏 東京電力株式会社常務取締役
中村 康治 動力炉・核燃料開発事業団理事
三島 良績 東京大学教授
村田 浩 日本原子力研究所理事長
森 一久 日本原子力産業会議専務理事
矢森 智 電気事業連合会事務局長

3 INFCEに臨む我が国の基本的考え方

昭和52年10月14日
原子力委員会

(1) INFCE参加の意義

 ① 我が国は、原子力の平和利用と核拡散の防止とは、両立し得ると考えており、かかる我が国の基本的立場について諸外国に理解と協調を求めるため、INFCE積極的に参加することとする。

 ② 同時に、INFCEの結果は、我が国の原子力政策に対して大きな影響を及ぼすものであるので、検討の過程を通じて我が国の政策を反映させる必要があり、かかる観点からも本計画に積極的に参加する必要がある。

(2) 基本的立場

 ① 原子力の開発利用に関する我が国の基本方針は、次のとおりである。

  イ エネルギーの安定供給のため、原子力の開発利用は、必要不可欠である。

  ロ ウラン資源の有効利用をはかる必要があり、また、使用済燃料を長期貯蔵することが困難な事情にあるため、再処理を中心とした核燃料サイクルの確立をはかる必要がある。

 ② 以上の方針に基づき、INFCEにおいては、次のとおり対処する。

  イ 原子力技術開発の歴史と継続性を十分尊重するとともに、代替技術の検討に当っては、核拡散防止の効果のみならず、その実用化の難易度、所要の期間、資金等も重視すべきことを指摘する。

  ロ 原子力の平和利用と核拡散防止を両立させるための具体策の検討に当っては、東海再処理施設における核拡散防止のための研究開発の成果等の提供を通じて積極的に協力する。

  ハ 技術面での検討のほか、国際的規制の制度面での改善に関する検討にも参加し、寄与する。


4 原子力国際問題等懇談会について

昭和53年3月7日
原子力委員会 決定

(1) 趣旨

 原子力開発利用をめぐる国際問題等の重要課題に適切に対処するため、さきに民間有識者より要請があり、別紙の通り関係閣僚が了承したので、当委員会に原子力国際問題等懇談会(以下「懇談会」という。)を設置する。

(2) 構成

 a) 懇談会は、学識経験者、原子力関係各界代表者、関係行政機関の職員及び原子力委員によって構成する。

 b) 懇談会に座長を置き、構成員の互選によって選出する。

 c) 懇談会に幹事若干名をおく。

(3) 運営

 懇談会の運営について必要な事項は、座長が定める。

原子力国際問題等懇談会構成員名簿
(昭和54年12月15日現在)
(原子力委員を除く。)
(座長)土光 敏夫 経済団体連合会会長
芦原 義重 関西経済連合会名誉会長
有澤 廣巳 日本原子力産業会議会長
石渡 鷹雄 科学技術庁原子力局長
稲葉 秀三 産業研究所理事長
井上 五郎 前原子力委員長代理
円城寺次郎 日本経済新聞社会長
瀬川 正男 動力炉・核燃料開発事業団理事長
玉置 敬三 日本電気工業会会長
中山 泰平 エネルギー総合推進委員会委員長
平岩 外四 電気事業連合会会長
法眼 晋作 国際協力事業団総裁
松根 宗一 経済団体連合会エネルギー対策委員長
向坊 隆 東京大学総長
村田 浩 日本原子力研究所理事長
矢田部厚彦 外務省審議官
森山 信吾 通商産業省資源エネルギー庁長官


5 INFCE会合の開催状況及び開催予定


6 中間総会参加国及び参加国際機関

(1) 参加国(57カ国)

 (イ) アジア地域(8カ国)
   ①インド ②インドネシア ③韓国 ④パキスタン ⑤フィリピン ⑥日本 ⑦マレーシア ⑧タイ

 (ロ) 北米地域(2カ国)
   ①アメリカ ②カナダ

 (ハ) 中南米地域(11カ国)
   ①アルゼンチン ②ベネズエラ ③ブラジル ④メキシコ ⑤チリ ⑥コロンビア ⑦エクアドル ⑧グアテマラ ⑨ニカラグア ⑩パナム ⑪ペルー

 (ニ) 西欧地域(16カ国)
   ①アイルランド ②イタリア ③オーストリア ④オランダ ⑤スイス ⑥スウェーデン ⑦スペイン ⑧デンマーク ⑨西独 ⑩ノルウェー ⑪フィンランド ⑫フランス ⑬ベルギー ⑭ポルトガル ⑮英国 ⑯ギリシャ

 (ホ) 東欧地域(7カ国)
   ①ソ連 ②チェコスロバキア ③東独 ④ポーランド ⑤ユーゴスラヴィア ⑥ルーマニア ⑦ブルガリア

 (ヘ) 大洋州地域(2カ国)
   ①豪州 ②ニュージーランド

 (ト) 中近東、アフリカ地域(11カ国)
   ①アルジェリア ②イスラエル ③イラン ④エジプト ⑤トルコ ⑥ナイジェリア ⑦イラク ⑧サウジアラビア ⑨リビア ⑩カタール ⑪チュニジア

(注)下線の国はNPT非加盟国

(2) 参加国際機関(5機関)
  ①EC ②IAEA ③IEA ④NEA ⑤UN

7 IPS専門家会合参加国及び参加国際機関

(1) 参加国(24カ国、TAGは17カ国)

 (イ) アジア(3カ国)
   ①インド ②★日本 ③★パキスタン

 (ロ) 西欧(11カ国)
   ①★ベルギー ②デンマーク ③フィンランド ④★フランス ⑤★西独 ⑥★イタリア ⑦★オランダ ⑧★スペイン ⑨★スウェーデン ⑩★英国 ⑪★スイス

 (ハ) 東欧(3カ国)
   ①ポーランド ②ソ連 ③ユーゴ

 (ニ) アフリカ(1カ国)
   ①エジプト

 (ホ) 北米(2カ国)
   ①★カナダ ②★米国

 (ヘ) 中南米(3カ国)
   ①★アルゼンチン ②★ブラジル ③★メキシコ

 (ト) 大洋州(1カ国)
   ①★オーストラリア

(2) 参加国際機関(2機関)

(2) ①★IAEA ②CEC(★はTAGにも参加)

8 IPSのTAG.A及びBの検討事項

(1) TAG.Aの検討事項

 ① 核不拡散、国のプルトニウム需要及び実際的な考慮を踏まえた、IPSのスソ切レベルの検討。IPSシステムにおけるスソ切レベル以下のPuの取り扱い。

 ② IPS貯蔵庫に貯蔵される時及び払い出される時のPuの形態の検討。

 ③ 貯蔵所が設置されるであろう施設の運営者と、Puの預託及び払い出しを統括する国際職員との責任分担の検討。

 ④ IPSと国のバッファストアの運営における量及びタイミングに関する検討。

(2) TAG.Bの検討事項

 IPSシステムの関連においてPuを使う研究開発についての検討。


9 IPS及びISFM会合の開催状況及び開催予定


10 ISFM専門家会合参加国及び参加国際機関

(1)参加国(21カ国)

 (イ) アジア(2カ国)
  ①日本 ②パキスタン

 (ロ) 西欧(12カ国)
  ①オーストラリア ②ベルギー③デンマーク④フィンランド⑤フランス⑥西独⑦イタリア⑧オランダ⑨スペイン⑩スウェーデン⑪スイス⑫英国

 (ハ) 東欧(2カ国)
  ①ソ連②ユーゴ

 (ニ) アフリカ(1カ国)
  ①エジプト

 (ホ) 北米(2カ国)
  ①カナダ ②米国

 (ヘ) 南米(1カ国)
  ①ブラジル

 (ト) 大洋州(1カ国)
  ①オーストラリア

(2) 参加国際機関(3機関)
IAEA、CEC、OECD/NEA

11 ISFMのサブ・グループA及びBの検討事項

(1) サブ・グループA(技術・経済に関する検討)

 ① 現在から2000年の間に発生し処理される使用済燃料に関し、最も有効に利用できるデータから、世界規模、地域別、国別のベースでの予想される使用済燃料の貯蔵量を定量化する。

 ② 使用済燃料の管理(燃料のタイプ、貯蔵タイプ、貯蔵施設の規模、中間貯蔵の期間、許認可要件、輸送)に対して適用するいくつかの技術的アプローチを概観する。

 ③ 貯蔵・輸送(燃料のタイプ、貯蔵のタイプ、貯蔵施設の規模、中間貯蔵の期間、許認可要件、輸送)と関連するパラメータを考慮に入れて使用済燃料管理のコストを評価する。

 ④ 以下に関する問題を検討する。

-関連するIAEAがガイドラインを基にして、貯蔵と輸送に関する国の許認可体系を統一する国際的な勧告を作ること。

-使用済燃料の貯蔵と輸送に対し、ICRPやIAEA勧告のような安全及び環境の保全に関する国際的な勧告を世界的に適用すること。

 ⑤ 以下を検討する。


 (a) 他の燃料サイクル施設との共同立地に関連した問題も含め、地域的、多国間又は国際的な貯蔵施設のサイト選定のための技術的及び経済的なクライテリア

 (b) 地域的、多国間又は国際施設のサイト選定における許認可要件

(2)サブ・グループB(制度、法律及び手続きに関する検討)

 ① 保障措置、技術的援助などの使用済燃料に関し、IAEAが行っている役割と設立されるかもしれない地域的、多国間又は国際的な貯蔵及び輸送におけるIAEAの可能な役割について検討を行う。

 ② 二国間、地域的、多国間又は国際的な協定による使用済燃料管理の領域における国際協力の制度、法律、及び手続き事項の検討を行う。それは以下のものを含む。

 (a) 経営権、参加、法律的地位、特権及び免除、紛争の解決、使用済燃料への接近及び管理に関する参加国に対する保証及びこれらの関連事項

 (b) IAEA保障措置の適用、放射線防護、安全、物的防護、第3者賠償責任

 (c) 管理、財政

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