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動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に係る安全性について(答申)


53原委第136号
昭和53年3月28日

内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長

 昭和53年1月23日付け53安(核規)第10号をもって諮問のあった標記の件については、下記のとおり答申する。

 動力炉・核燃料開発事業団が設置する再処理施設に係る安全性に関し、同事業団が提出した「再処理施設の一部変更に係る安全性に関する書類」(昭和53年1月18日付け)に基づいて審査した結果、別添の核燃料安全専門審査会の報告書のとおり安全上支障がないものと認める。


(別添)

昭和53年3月6日
原子力委員会
   委員長 熊谷 太三郎 殿
核燃料安全専門審査会会長
山本 寛

動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に係る安全性について

 本審査会は、昭和53年1月24日付け53原委第33号をもって審査を求められた標記の件について結論を得たので報告します。

Ⅰ 審査の結果

 動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設の一部変更に関し、同事業団が提出した[再処理施設の一部変更に係る安全性に関する書類」(昭和53年1月18日付け提出)に基づいて審査した結果、「Ⅲ 審査の内容」に示すとおり、再処理施設の一部変更に係る安全性は、十分確保し得るものと認める。

Ⅱ 変更の内容

 動力炉・核料開発事業団東海事業所の高レベル放射性物質研究施設の極低レベル放出廃液(以下CPF廃液という。)を、放出廃液油分除去施設(以下C-施設という。)の廃液受入貯槽に受入れる。

 CPF廃液の受入れ基準は、次のとおりである。

i) 年間最大受入量 600m3
ii) 放射性物質濃度 全α+全β≦1×10-7Ci/m3
トリチウム≦1×10-3Ci/m3

Ⅲ 審査の内容

 本変更に当たっては、以下のとおり適切な配慮がされているので、変更に伴う安全性は確保されるものと判断する。

 (1) 施設の安全性

 CPF廃液受入れに係る再処理施設の施設面における変更はない。

 また、CPF廃液のC-施設への年間受入量は、再処理廃液のC-施設への年間受入量の約200分の1に過ぎず、かつ、CPF廃液の放射性物質の濃度も十分低いので、再処理施設の運転に支障はない。

 (2) 周辺環境への影響

 上記のように、CPF廃液の年間受入量は十分少なく、かつ、CPF廃液中の放射性物質の量は再処理廃液中の放射性物質の量のたかだか約400万分の1であり、十分少ないので、本変更は周辺環境に影響を及ぼすものではない。

Ⅳ 審査の経過

 本審査会は、昭和53年3月6日の第9回審査会において、前記変更について審査を行い、同日本報告書を決定した。これらの変更については、昭和53年2月6日の再処理部会における審議を経ている。

 なお、同部会の委員は、次のとおりである。

部会委員

(部会長) 高島 洋一 東京工業大学
青地 哲男 日本原子力研究所
伊沢 正実 放射線医学総合研究所
市川 龍資 放射線医学総合研究所
稲垣 道夫 金属材料技術研究所
今井 和彦 日本原子力研究所
清瀬 量平 東京大学
坂上 治郎 お茶の水女子大学(名誉教授)
左合 正雄 東京理科大学
鈴木 正敏 金属材料技術研究所
内藤 奎爾 名古屋大学
林 正夫 電力中央研究所
日野 幹雄 東京工業大学
藤井 正一 芝浦工業大学
益子洋一郎 前工業技術院東京工業試験所

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