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新型転換炉原型炉「ふげん」の臨界について(談話)


昭和53年3月20日

国務大臣
科学技術庁長官 熊谷太三郎
原子力委員会委員長

1 動力炉・核燃料開発事業団が福井県敦賀市において建設を進めてきた新型転換炉原型炉「ふげん」は、本日(2時49分)、臨界に達した。

2 新型転換炉は、核燃料の有効利用等の観点から、我が国の炉型戦略上重要な意義を有するものであり、政府は、昭和42年以来、ナショナル・プロジェクトとして、その自主開発を進めてきた。

3 原型炉「ふげん」は、熱中性子炉として世界に先がけてプルトニウムの本格的利用を図るものであり、昭和45年の着工以来、総額685億円を投じて建設されたものである。この「ふげん」が臨界に達したことは、新型転換炉開発における大きな前進であるとともに、我が国の自主開発の成果であり、誠に喜びにたえない。

 今後、「ふげん」の運転が順調に行われ、着実にその成果が得られることを期待するとともに、その成果等を踏まえ、新型転換炉の実用化へ向けて努力を続けて参りたい。

4 この機会に、「ふげん」の開発に多大の御協力と御理解をいただいた産業界、学界等の関係各位及び地元の皆様に対し、心から感謝の意を表するものである。

(参考)

原型炉「ふげん」
1 電気出力 16万5,000キロワット
2 建設費 685億円(うち半額は民間資金)
3 建設着工 昭和45年12月
4 今後の予定 昭和53年7月頃発電開始
 昭和54年3月末頃定常運転開始

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