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動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設のホット試験に係る安全性について(答申)


52原委第302号
昭和52年5月20日

内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長

 昭和52年2月4日付け52安第9号をもって諮問のあった標記の件について、下記のとおり答申する。

 動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設のホット試験に係る安全性に関し、同事業団が提出した「ホット試験に係る試運転計画書」(昭和52年2月1日付け提出及び昭和52年4月21日付け一部変更)に基づいて審査した結果、別添の核燃料安全専門審査会の報告書のとおり、本再処理施設のホット試験に係る試運転計画は妥当なものであり、当該計画に基づきホット試験を実施することは安全上支障がないものと認める。

(別添)

昭和52年4月25日
原子力委員会
   委員長 宇野 宗佑 殿
核燃料安全専門審査会
会長 山本 寛

動力炉・核燃料開発事業団の再処理施設のホット試験に係る安全性について(報告)

 本審査会は、昭和52年2月8日付け52原委第64号をもって審査を求められた標記の件について、次のとおり結論を得たので報告します。

 T 審査結果

 動力炉・核燃料開発事業団(以下、「事業団」という。)が実施しようとする再処理施設のホット試験に関し、事業団が提出した「ホット試験に係る試運転計画書」(昭和52年2月1日付け提出及び昭和52年4月21日付け一部変更)に基づき審査した結果、「V審査内容」に示すように、本ホット試験に係る試運転計画は妥当なものであり、当該計画に基づきホット試験を実施することは安全上支障がないものと認める。

 U 審査方針等

 ホット試験は、使用済燃料を用いて本再処理施設の操作性、安全性及び性能を確認するものであり、かつ、再処理施設の従業員の訓練を併せ実施し、再処理施設の円滑な操業に資することを目的とするものである。

 本審査会は、本ホット試験に係る安全性について、以下の方針の下で審査を行った。

(1) ホット試験に係る試運転計画の工程試験の項目、内容、確認事項等がホット試験の目的に照らし、妥当なものであるか否かを確認する。

(2) ホット試験を実施するに当たって、従業員等の被ばく管理、放射性廃棄物の管理、周辺環境への影響の確認、安全対策等について問題はないと判断できる対策が込じられているか否かを確認する。

 更に、「T審査結果」に示す結論を得るに当たっては、以下の事項を併せ考慮した。

 @ 本再処理施設の設置に係る安全性については、昭和44年に再処理施設安全審査専門部会において安全審査(以下、「44年安全審査」という。)を行い、安全性は十分確保し得ると認められること及びその後の施設の一部変更に係る安全性についても、上記専門部会(昭和51年4月以降は本審査会)において問題がないことを確認していること。

 A 昭和50年7月29日の原子力委員会の指示に基づき、本審査会(昭和51年4月以前は上記専門部会)において、本再処理施設からの低レベル廃液の海への放出に係る詳細な審査(以下、「詳細な審査」という。)を行い、その安全性は十分確保し得ると認められること。

 B ウラン試験の結果について、本審査会再処理部会において評価を行い、本再処理施設の各工程における操作性と安全性の確認、運転要員の教育訓練等について、所期の目的を達し、事業団はホット試験に入る基盤を整えたと認められること。

 V 審査内容


1 工程試験等

 事業団が実施しようとしている工程試験等の主要事項の概要は次のとおりである。

1.1 使用される使用済燃料等の種類及び量

 ホット試験には、日本原子力研究所動力試験炉燃料(約4.2t)、沸とう水型軽水炉燃料(約14.4t)及び加圧水型軽水炉燃料(約16.0t)が使用されるほか、分析用及び放射線管理用として、放射性同位元素が使用される。

 ホット試験中に使用されるこれら使用済燃料等の詳細を付録1に示す。

1.2 工程試験等の方法の概要

 工程試験はまず、使用済燃料のうち、比較的燃焼度の低い、かつ、冷却日数の長い、日本原子力研究所動力試験炉燃料を使用して機器等の作動の確認と特性及び性能に関する試験が行われる。その後、安全性を確認しながら順次、使用済燃料のうち燃焼度の高い沸とう水型軽水炉燃料及び加圧水型軽水炉燃料を使用して試験が行われる。

 ホット試験期間中においてもウラン試験時と同様に、各課単位の現場実習を主体とした従業員の教育訓練が併せ行われる。

 工程試験等の方法の詳細を付録2に示す。

 以上の工程試験等について検討を加えたが、試験の進め方には安全性を確保するうえで慎重な配慮がなされており、工程試験の項目、確認事項等はホット試験の目的に照らし、妥当なものであると認められる。

 また、教育訓練の計画についても、ウラン試験の経験を生かし、ホット試験及び本格操業時の再処理施設の操作上の安全性を確保するという観点からの配慮がなされており、妥当なものであると認められる。

2 被ばく管理

 事業団が実施しようとしているホット試験中の被ばく管理の主要事項は次のとおりである。

2.1 管理区域の区分と出入管理

 (1) ホット試験中には、本格操業時と同様の管理区域が設定され、管理区域内は、外部放射線の放射線量率に応じて、グリーン区域(1.25ミリレム/時以下)、アンバー区域(1.25ミリレム/時以上50ミリレム/時以下)及びレッド区域(50ミリレム/時以上)に区分される。

 (2) 管理区域の出入管理は、従事者、随時立入者、一時立入者、見学者等の立入者の区分及び上記管理区域への立入制限に基づいて行われる。

 (3) 管理区域への出入りは定められた出入口から行われる。

 (4) 管理区域から退出するとき及び管理区域のうちアンバー区域からグリーン区域に退出するときは、身体、衣服等の汚染の測定を行う等汚染拡大防止のための措置がとられる。

2.2 管理区域内の放射線作業管理

 (1) 管理区域内においては、管理区域の区分に基づき、作業時間等を考慮して作業が行われる。

 (2) 放射線量率が10ミリレム/時を超えるアンバー区域においては、特殊放射線作業計画又は作業担当課と放射線管理課との密接な打合せに基づいて作業が行われる。

 (3) 管理区域内における放射線管理は、空間線量率、空気中及び水中の放射性物質濃度並びに表面汚染密度を監視することにより行われる。

 (4) 管理区域立入者(見学者等を除く。)に対する外部被ばくの管理は、個人被ばく線量計による被ばく線量の測定に基づいて行われる。

 なお、局部の被ばくが予想される場合には、局部被ばく線量が測定される。

 (5) 従事者に対する内部被ばくの管理については、ホット試験中に少なくとも一回、ホール・ボディ・カウンタによる全身計測及び尿のバイオアッセイが行われる。

 なお、放射性物質の内部摂取のおそれがある場合には、そのつど、ホール・ボディ・カウンタによる全身計測又は尿のバイオアッセイによる内部摂取の有無の確認が行われる。

 (6) 従事者及び随時立入者に対しては、定期的に血液検査、皮ふの検査等の特殊健康診断が行われる。

 なお、健康診断の結果、異常が認められたときには、更に精密検査を行う等必要な措置がとられる。

 以上の従事者等の被ばく管理については、本格操業時と同等の厳重な管理が行われることになっており、問題はないと認められる。

3 放射性廃棄物の管理

 事業団が実施しようとしているホット試験中の放射性廃棄物の管理の主要事項は次のとおりである。

3.1 放射性気体廃棄物の処理、処分

 (1) 放射性気体廃棄物の処理系は、建家換気系、セル換気系及び槽類換気系に分けられ、それぞれの処理系の排風機を独立して作動させ、空気の流れが放射線レベルの低い建家換気系から放射線レベルの高いセル換気系、槽類換気系への順になるよう調整される。

 (2) 主排気筒からの放射性気体廃棄物の放出は、保安規定に従って、厳重に管理される。

3.2 放射性液体廃棄物の処理、処分

 (1) 放射性液体廃棄物の処理は、高放射性液体廃棄物処理系、中放射性液体廃棄物処理系及び低放射性液体廃棄物処理系に区分して行われる。

 (2) 低レベル廃液の海への放出は、保安規定に従って、厳重に管理される。

 (3) 海へ放出されない高放射性液体廃棄物等は、施設内のそれぞれの放射性液体廃棄物貯槽に厳重に保管管理される。

3.3 放射性固体廃棄物の処理、処分

 (1) 放射性固体廃棄物の処理は、高放射性固体廃棄物処理系及び低放射性固体廃棄物処理系に区分して行われる。

 (2) 高放射性及び低放射性の固体廃棄物は、保安規定に基づいて、それぞれ高放射性固体廃棄物貯蔵庫及び低放射性固体廃棄物貯蔵場に保管される。

 以上の放射性廃棄物の管理については、本格操業時と同等の厳重な管理が行われることになっており、問題はないと認められる。また、環境への放射性廃棄物の放出は保安規定に基づいて厳重に管理されることを考慮すると、ホット試験中の周辺環境への影響は、44年安全審査及び詳細な審査において確認した周辺環境への影響を十分下回るものと考えられる。

4 環境監視

 事業団が実施しようとしているホット試験中の環境監視の主要事項は次のとおりである。

4.1 陸上監視

 (1) 保安規定に定められた監視として、試験の状況を十分に勘案のうえ、周辺監視区域内外の空間線量率、積算線量並びに空気、飲料水及び表土の放射能水準、周辺監視区域内の雨水及び降下塵の放射能水準並びに周辺監視区域内の野菜、米麦、牛乳、河川水及び河底土の放射能水準について測定監視が行われる。

 (2) 特に、主排気筒から大気中に放出される放射性気体廃棄物の拡散状況の把握等に資するため、放出されるクリプトンの地表濃度の測定による大気拡散調査又は非放射性のエア・トレーサを用いた大気拡散実験が行われる。

4.2 海洋監視

 (1) 保安規定に定められた監視として、試験の状況を十分に勘案のうえ、東海地先海域の海水、海底土、海岸水及び海産生物の放射能水準並びに海岸砂、漁網及び船体の放射能汚染について測定、監視が行われる。

 (2) 特に、海洋に放出される低レベル廃液の希釈拡散状況の把握に資するため、(1)とは別に所要の海水資料を採取し、その放射能濃度の測定が行われる。

 (3) 更に、放出口周辺海底土への放射性核種の蓄積傾向の把握に資するため、ホット試験終了時期を目安に、東海地先海域において30地点以上の海底土を採取し、放射能水準の測定が行われる。

 以上の環境監視については、ホット試験に伴う周辺公衆の被ばく放射線量の的確な把握及び本格操業開始以降の周辺環境放射能水準の長期的変動の把握に資するという目的に照らし、また、これらの結果を踏まえ、本格操業時の環境監視を必要に応じ、充実、強化することに資するという観点からも、適切なものと認められる。

5 安全対策

 事業団が実施しようとしているホット試験中の安全対策の主要事項は次のとおりである。

5.1 臨界に関する安全対策

 臨界事故の防止は、臨界安全設計によって確保され、操作に伴う管理は、補助的手段とされており、具体的には、次のような安全設計及び安全対策が講じられている。

 (1) 形状寸法制限、濃度制限、質量制限、中性子毒の使用及びこれらの組合せを利用した設計が行われている。

 (2) 臨界要因になるような異常は通常考えられないが、少なくとも独立した二つ以上の異常が同時に起こらない限り、臨界に達しないようになっている。

 (3) 運転時の臨界管理のために、臨界管理専用又は併用の十分な工程管理設備が使用されるとともに、中性子モニタや臨界警報装置等が設置されている。

 (4) 万一、臨界事故が発生しても、汚染が周囲に広がらないように施設の密閉性が十分確保されるようになっている。また、この場合には、事故対策手順に従い、必要な措置がとられる。

5.2 火災、爆発に関する安全対策

 溶解槽における異常反応、蒸発缶の爆発、有機溶媒による火災等については、これらを防止するための異常検知設備、万一の異常が火災、爆発につながらないようにするための緊急作動設備が設けられている。

5.3 放射性液体の漏洩、誤操作、故障等に関する安全対策

 (1) 槽類、機器類等はそのほとんどがステンレス鋼で製作されており、その製作工事においては厳重な施工管理、後処理等が行われているので、一般的には漏洩は十分防止し得ると考えられるが、万一このような漏洩が起こった場合には速やかに検知し、事故対策手順に従い、必要な措置がとられる。

 (2) 施設の操作は、十分な教育訓練を受けた従業員により、運転要領書に従って行われるので、誤操作は十分防止し得ると考えられるが、万一誤操作があった場合には、異常信号等によりそれを検知し、事故対策手順に従い、必要な措置がとられる。

 (3) 機器等については、常に正常に作動するように、毎日、又は定期的に必要な保守、点検が行われるが、万一故障した場合には速やかに検知し、修理、予備品との交換その他必要な措置がとられる。

5.4 従業員の安全教育

 ホット試験中にはウラン試験に引き続き、従業員に対し、関係法令、保安規定及び安全作業基準等の基準類の教育並びに身体除染訓練、防護具着脱訓練、緊急時訓練等の保安教育が実施される。

 以上の安全対策について検討を加えたが、これらの安全対策については、44年安全審査においてその妥当性を確認した基本方針に従っており、事故の発生を防止するための緊急警報装置、火災感知器、工程管理設備、緊急作動設備等の機能の確認又は改善及びこれら設備等の取扱いに習熟するための教育訓練は、既に化学薬品等を使用して行われた通水作動試験及びウラン試験において実施され、所要の対策が十分に有効であることが確認されている。

 したがって、ホット試験中においても以上の安全対策を講ずることにより、施設内の従業員及び周辺公衆に影響を与えるような事故の発生は十分に防止し得るものと認められる。また、仮に事故が発生したと想定しても、その影響は、44年安全審査において評価した事故の影響を上回るものではない。

 6. 計量管理

 事業団が実施しようとしているホット試験中の核燃料物質の計量管理の主要事項は次のとおりである。

6.1 計量区域及び計量点の設定

 (1) 計量を的確に実施するため、次の計量区域が設けられる。

 @ 使用済燃料貯蔵施設
 A 脱被覆、溶解施設
 B 分離施設及び精製施設(分析所及び廃棄物処理場も含む。)
 C 製品貯蔵施設

 また、上記各計量区域の出入箇所に計量点(移動量計量点)が設けられるほか、在庫量調査のときには在庫量計量点が設けられる。

6.2 計量の方法及び記録

 (1) 各計量区域の核燃料物質の入量、出量及び在庫量は、計量管理基準に定める方法に従って、員数の検査、分析が容量又は重量等の測定、あるいは計算により確定される。

 (2) 使用済燃料の受入量、分離されたウラン及びプルトニウムの量又はこれらの払出量等についてはそのつど、また、核燃料物質の種類別の在庫量については毎月一回記録される。

 以上の計量管理について検討を加えたが、事業団ではウラン試験期間中に数回にわたりウラン実在庫量調査を実施し、この間、計量管理技術の向上等を図ってきていることを考慮すると、ホット試験中の計量管理の方法には特に問題はないものと認められる。

 W 審査経過

 本審査会は、昭和52年2月14日の第4回審査会において、本ホット試験に係る安全性について審査を開始し、以後再処理部会、同部会施設関係分科会及び環境関係分科会において別表のとおり審査を重ねてきたが、同部会は、昭和52年4月14日の第8回部会において部会報告書を決定した。

 本審査会は、同報告書に基づき、昭和52年4月25日の第5回審査会において本報告書を決定した。

 なお、再処理部会の委員は次のとおりである。


部会委員
(部会長)高島 洋一 東京工業大学
青地 哲男 日本原子力研究所
伊沢 正実 放射線医学総合研究所
市川 龍資 放射線医学総合研究所
伊藤 直次 日本原子力研究所
稲垣 道夫 金属材料技術研究所
清瀬 量平 東京大学
坂上 治郎 お茶の水女子大学(名誉教授)
左合 正雄 東京理科大学
鈴木 正敏 金属材料技術研究所
内藤 奎爾 名古屋大学
林 正夫 電力中央研究所
日野 幹雄 東京工業大学
藤井 正一 芝浦工業大学
益子洋一郎 元工業技術院東京工業試験所

別表

付録1 使用される使用済燃料等の種類及び量

@ 使用済燃料

A その他の核燃料物質

B 放射性同位元素


付録2 工程試験等の方法

1 各工程別の試験の方法

 (1) 燃料の受入れ及び貯蔵工程

  @ 燃料の受入試験

 使用済燃料輸送キャスク及び使用済燃料集合体を用いて、輸送キャスクの取扱い及び燃料の取扱いに関する試験を行い、各機器が正常、かつ、安全に作動し、操作できることを確認する。また、輸送キャスクの外表面除染が有効に行われることを確認する。

 (2) 脱被覆工程

  @ 燃料せん断試験

 使用済燃料集合体を用いて、燃料の移送、せん断に関する試験及び燃料溶解後に残存する被覆残渣(ハル)の取出しに関する試験を行い、各機器が正常、かつ、安全に作動し、操作できることを確認する。

  A 廃棄物移送試験

 ハル等を収納した廃棄物用缶、キャスクbP等を用いて、廃棄物移送に関する試験を行い、各機器が正常、かつ、安全に作動し、操作できること及び移送が適切に行い得ることを確認する。

 (3) 溶解工程

  @ 溶解試験

   イ せん断した使用済燃料を硝酸に溶解し、その溶解条件及び必要な硝酸消費量を確認する。

   ロ 溶解中に硝酸及び加熱用蒸気の供給を停止し、代わりに冷却水を供給して濃縮ウラン溶解槽を冷却することにより、使用済燃料溶解速度が効果的に低下することを確認する。

   ハ 溶解槽溶液受槽(清澄系)及び調整槽(調整系)において、溶液を酸素又は空気でかく拌する試験を行い、溶液の均一化に要する時間を確認する。

 (4) 分離工程

  @ 抽出試験

 硝酸、ウラン、プルトニウム及び核分裂生成物を含む溶液と溶媒を用いて、分離第1サイクル及び分離第2サイクルにおけるウラン、プルトニウム等の抽出分離に関する試験を行い、ウラン、プルトニウム等の抽出挙動、除染係数並びに廃液及び溶媒中へのウラン、プルトニウム等の流出量を確認する。

  A 核計装計器作動試験

 硝酸、ウラン、プルトニウム及び核分裂生成物を含む溶液と溶媒を用いて、分離第1サイクル及び分離第2サイクルにおける核計装計器の作動試験を行い、核計装計器が正常、かつ、安全に作動し、操作できることを確認する。

 (5) 精製工程

  @ ウラン精製系

   イ 抽出試験

 硝酸、ウラン及び核分裂生成物を含む溶液と溶媒を用いてウラン精製第1抽出器及びウラン精製第2抽出器におけるウラン等の抽出分離に関する試験を行い、ウラン等の抽出挙動、除染係数並びに廃液及び溶媒中へのウラン等の流出量を確認する。

   ロ 核計装計器作動試験

 硝酸、ウラン及び核分裂生成物を含む溶液と溶媒を用いて、ウラン精製第1抽出器及びウラン精製第2抽出器における核計装計器の作動試験を行い、核計装計器が正常、かつ、安全に作動し、操作できることを確認する。

  A プルトニウムの精製系

   イ 抽出試験

 硝酸、プルトニウム、ウラン及び核分裂生成物を含む溶液と溶媒を用いて、プルトニウム精製第1抽出器及び第2抽出器におけるプルトニウム等の抽出分離に関する試験を行い、プルトニウム等の抽出挙動、除染係数並びに廃液及び溶媒中へのプルトニウム等の流量出を確認する。

   ロ 核計装計器作動試験

 硝酸、プルトニウム、ウラン及び核分裂生成物を含む溶液を用いてプルトニウム精製系における核計装計器の作動試験を行い、核計装計器が正常、かつ、安全に作動し、操作できることを確認する。

  B プロトニウム濃縮系

プルトニウム溶液蒸発缶の蒸発濃縮試験

 プルトニウム精製系より供給されるプルトニウム溶液を用いて、プルトニウム溶液蒸発缶の蒸発濃縮試験を行い、所定の密度に達するまでの時間及び凝縮液に同伴するプルトニウム量を確認する。

 (6) 脱硝工程

  @ ウラン溶液蒸発缶の蒸発濃縮試験

 ウラン精製系により供給されるウラン溶液を用いて、ウラン溶液蒸発缶(第1段)及びウラン溶液蒸発缶(第2段)の蒸発濃縮試験を行い、処理能力及び凝縮液に同伴するウラン量を確認する。

  A ウラン脱硝試験

 ウラン溶液を用いて脱硝塔の脱硝試験を行い、脱硝塔の処理能力を確認する。

 (7) 放射性廃棄物の処理処分工程

  @ 槽類換気試験

 溶解廃気系、せん断廃気系、脱硝塔からの廃気系及び槽類廃気系について、廃気系へのプルトニウム、あるいは核分裂生成物の流出量を確認し、並びに溶解及び脱硝廃気については硝酸の吸収量を確認する。

  A 高放射性廃液蒸発缶の蒸発濃縮試験

 本試験中に発生する高放射性廃液を用いて、高放射性廃液蒸発缶の蒸発濃縮試験を行い、除染係数を確認する。

  B 酸回収試験

 本試験中に発生する放射性廃液を用いて、酸回収試験を行い、酸回収蒸発缶及び酸回収精留塔の除染係数を確認する。

  C 低放射性廃液蒸発缶の蒸発濃縮試験

 本試験中に発生する低放射性廃液を用いて、低放射性廃液蒸発缶の蒸発濃縮試験を行い、除染係数を確認する。

  D 低放射性廃液の化学処理試験

 本試験中に発生する低放射性廃液を用いて、化学処理工程の化学処理試験を行い、除染係数を確認する。

 (8) その他

  @ 分析機器類の校正等

 ウラン、プルトニウム及び放射性同位元素標準物質を使用して、質量分析計、発光分光器、螢光X線分析装置、電位差滴定装置、放射線測定装置等の校正を行う。また、分析設備の能力を確認する。

  A 小型試験設備の試験

   抽出平衡試験

 ウラン、プルトニウム及び核分裂生成物を含む溶液を用いて、抽出平衡試験を行い、抽出平衡曲線を作成する。また、抽出平衡到達時間、ウラン及びプルトニウム等の流出量並びに除染係数を確認する。

   抽出誤操作試験

 抽出平衡に到達後、溶媒及び逆抽出液の流量を変化させ、プルトニウムの抽出状態の時間的変化を確認する。

  B 低放射性廃液蒸発処理開発施設の蒸発濃縮試験

 本試験中に発生する低放射性廃液蒸発缶の凝縮液を用いて、低放射性廃液蒸発処理開発施設の蒸発濃縮試験を行い、除染係数を確認する。

  C 製品の貯蔵

 ウラン製品(三酸化ウラン粉末)及びプルトニウム製品(硝酸プルトニウム溶液)は、ウラン製品貯蔵庫及びプルトニウム製品貯槽にそれぞれ厳重に保管管理される。

2 施設の性能の確認

 1に示した各工程別の試験を実施して、操作性、安全性及び性能を確認するとともに、再処理施設全体としての操作性、安全性及び性能おも併せ確認する。以下に各確認項目を示す。

 @ 再処理施設の処理能力を確認する。また定常状態への到達時間及び押出し時間を確認する。

 A プルトニウム及びウラン製品中の不純物の量を確認する。

 B 使用済燃料の定常処理時の製品回収率を確認する。

 C 核燃料物質の物質収支を行い、ウラン及びプルトニウムについて、その物質不明量(MUF)を把握する。

 D 海中に放出する廃液中の放射性物質の濃度及び量を確認する。

 E 大気に放出する排気中の放射性物質の濃度及び量を確認する。

 F 再処理施設の各区域の空間線量率並びに空気中及び水中の放射性物質の濃度を測定し、その安全性を確認する。

3 各課別の教育訓練の例


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