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発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に対する評価指針


昭和51年3月
(昭和51年9月一部補正)
原子炉安全技術専門部会

T 目的

 この指針は、原子力委員会が昭和50年5月13日に決定した「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針」に基づき、原子炉施設の基本的設計段階における平常運転時の原子炉施設周辺の被曝線量を評価するため、放射性物質の放出量とそれによる被曝線量の評価に使用する標準的な計算モデルとパラメータ等を定めたものである。

 本指針で用いた計算モデルとパラメータは、現在における知識と経験をもとに現実的観点にたって定めたものであり、新たな知見、運転経験の蓄積等に応じて見直されるべきものである。

 また、本指針以外の計算モデルとパラメータを用いる場合があっても、十分な根拠があれば、その使用は認められるものである。


U 被曝線量評価の範囲

1. 評価の対象

(1) 外部被曝による全身被曝線量及び呼吸摂取による甲状腺被曝線量の評価は、原子炉施設周辺でそれぞれ最大の被曝を与える地点に居住する人を対象とする。

(2) 食物摂取による内部全身被曝線量及び甲状腺被曝線量の評価は、現実に存在する被曝経路について、集落における各年令グループの食生活の態様等が標準的である人を対象として行うものとする。

2. 被曝経路

(1) 放射性希ガスからのガンマ線による全身被曝線量は、放出源から拡散移動する放射性雲のガンマ線による外部被曝線量を求めるものとする。

(2) 液体廃棄物中の放射性物質に起因する全身被曝線量は、放射性物質を含む海産物の摂取による内部被曝線量を求めるものとする。

(3) 甲状腺被曝線量は、気体廃棄物中に含まれる放射性よう素について呼吸摂取、葉菜摂取及び牛乳摂取による内部被曝線量並びに液体廃棄物中に含まれる放射性よう素について海産物摂取による内部被曝線量を求めるものとする。


V 放出放射性物質の発生源の計算

 放出放射性物質の発生源の計算は、放射性物質処理系等の機能及び性能を考慮して、排気口及び排水口から環境に放出される放射性物質の量を求めるものとする。

 発生源の計算にあたっては、気体状で挙動する放射性物質については、核分裂生成物である放射性希ガス及び放射性よう素(よう素−131、よう素−133)に着目し、液体状で挙動する放射性物質については、核分裂生成物及び放射化生成物に着目して行うものとする。

* 本章では、放射性希ガス及び放射性よう素を、それぞれ希ガス及びよう素という。


1. 気体廃棄物中の放射性物質

1.1 沸騰水型原子炉施設(BWR)

1.1.1 原子炉施設の稼動率

原子炉施設の稼動率は、年間80%とする。

1.1.2 冷却材及び主蒸気中の希ガス及びよう素濃度

計算の基準に用いる冷却材及び主蒸気中の希ガス及びよう素濃度は次により求める。

(1) 炉心燃料からの全希ガス漏洩率は、年間平均を想定して、30分減衰換算値ƒ**(Ci/s)として定める。

(2) 希ガスの各核種の漏洩率は、第1表の(A−1)式により計算する。

(3) 冷却材中のよう素濃度は、全希ガス漏洩率に対応した炉心燃料からのよう素漏洩率、冷却材保有量、冷却材浄化系の性能等をもとに第1表の(A−2)式及び(A−3)式により計算する。

(4) 冷却材中に存在する希ガスが主蒸気中に移行する割合は、100%、冷却材中に存在するよう素が主蒸気中に移行する割合は、20%とする。

** 本節ではƒを無次元の値として用いる。

1.1.3 主復水器空気抽出器系排ガス中の希ガス及びよう素

(1) 主復水器から空気抽出器系に移行する希ガス及びよう素の割合は、それぞれ100%及び1%とする。

(2) 空気抽出器系排ガスの減衰に用いられる活性炭式希ガスホールドアップ装置の希ガスの保持時間は、設計保持時間を用いる。

(3) 空気抽出器系排ガス中に含まれるよう素は、活性炭式希ガスホールドアップ装置を通過する場合には、無視するものとする。

1.1.4 タービン軸封蒸気系排ガス中の希ガス及びよう素

(1) タービンの軸封に原子炉蒸気を使用する場合、この系の希ガス及びよう素の放出量は、主蒸気流量の0.1%がタービン軸封蒸気に使用されるものとし、その主蒸気に含まれる希ガス及びよう素が排気系へ移行する割合はそれぞれ100%及び1%とする。

(2) タービンの軸封に復水貯蔵タンク水等を加熱して得られる蒸気を使用する場合、この系の排ガス中に含まれる希ガス及びよう素は無視するものとする。

(3) 低圧タービンのみに復水貯蔵タンク水等を加熱して得られる蒸気を使用する場合、この系の排ガス中の希ガス及びよう素の放出量は、(1)の放出量に高圧タービンの使用蒸気の割合を乗じて計算する。

(4) タービン軸封蒸気系と排気筒の間に減衰管等を設ける場合、希ガスの放出量は、排ガス流量、減衰管の性能等から定まる減衰効果を考慮して計算する。

1.1.5 主復水器真空ポンプの運転による排ガス中の希ガス及びよう素

 主復水器真空ポンプの運転による排ガス中の希ガス及びよう素は、次により計算する。

 ただし、排ガス処理方式等について特別な対策を講じた場合には、この限りではない。

(1) 主復水器真空ポンプの運転による排ガス中の希ガスの年間放出量は、1.25×104・ƒ(Ci)とする。

 この場合、放出希ガスのガンマ線の実効エネルギは、(A−1)式を用い、減衰時間を12時間として計算した希ガスの核種組成から求める。

(2) 主復水器真空ポンプの運転による排ガス中のよう素−131及びよう素−133の年間放出量は、ともに0.4・ƒ(Ci)とする。

1.1.6 換気系から放出される希ガス及びよう素

 タービン建屋等の換気系から放出される希ガス及びよう素は、次により計算する。

 ただし、ポンプ、弁等の構造、換気系空気の処理方式等について特別な対策を講じた場合は、この限りではない。

(1) 希ガス各核種の放出量は、第2表の係数に1.1.2−(1)で求めた炉心燃料からの希ガス各核種の漏洩率(Ci/s)を乗じて計算する。

 この場合、放出希ガスのガンマ線の実効エネルギは(A−1)式を用い、減衰時間を30分として計算した希ガスの核種組成から求める。

(2) よう素の放出量は、第2表の数値に1.1.2−(3)で求めた冷却材中のよう素−131及びよう素−133の濃度(μCi/g)をそれぞれ乗じた値とする。

1.1.7 定期検査時に放出されるよう素−131

 定期検査時に放出されるよう素−131の放出量は、2・ƒ(Ci)とする。

第1表 BWRの発生源の計算式

第2表 換気系における希ガス及びよう素の漏洩係数

1.2 加圧水型原子炉施設(PWR)

1.2.1 原子炉施設の稼動率

 原子炉施設の稼動率は、年間80%とする。

1.2.2 1次冷却材中の希ガス及びよう素濃度

 計算の基準に用いる1次冷却材中の希ガス及びよう素濃度は、想定した年間平均の燃料被覆管欠陥率を用い、冷却材保有量、冷却材浄化系の性能等を考慮して、第3表の(B−1)式により計算する。

1.2.3 ガス減衰タンク系排ガス中の希ガス及びよう素

(1) ほう酸回収系等からガス減衰タンクに移行する希ガスの量は、ほう酸回収装置で処理される抽出冷却材及び1次系機器ドレン並びに冷態停止時における脱ガス操作中の1次冷却材に、それぞれ含まれる希ガスがガス減衰タンクに移行するとし、第3表の(B−2)式により計算する。

(2) 体積制御タンクから連続脱ガスによりガス減衰タンクに移行する希ガスの量は、体積制御タンクを経由する冷却材量と希ガスのストリッピング係数等を考慮して、第3表の(B−3)式により計算する。

(3) ガス減衰タンクから放出される希ガスの量は、ガス減衰タンクの運用を考慮して定める保持時間をもとに、第3表の(B−4)式により計算する。

(4) ガス減衰タンクから放出されるよう素の量は、無視するものとする。

1.2.4 換気系から放出される希ガス及びよう素

 原子炉格納容器、原子炉補助建屋等の換気系から放出される希ガス及びよう素は、次により計算する。

 ただし、ポンプ、弁等の構造、換気系空気の処理方式等について特別な対策を講じた場合には、この限りではない。

(1) 原子炉格納容器換気系から放出される希ガス及びよう素の年間放出量は、1次冷却材の漏洩率、気液分配効果等を考慮して、第3表の(B−5)式により計算する。

(2) 原子炉補助建屋換気系から放出される希ガス及びよう素の年間放出量は、1次冷却材の漏洩率、気液分配効果等を考慮して、第3表の(B−6)式により計算する。

1.2.5 定期検査時に放出されるよう素−131

 定期検査時に放出されるよう素−131の放出量は、1.2.4−(1)、(2)で求められた年間放出量の4分の1が定期検査期間中に放出されるものとして計算する。

第3表 PWRの発生源の計算式

2. 液体廃棄物中の放射性物質

2.1 液体廃棄物中の放射性物質量

 原子炉施設内における液体廃棄物中の放射性物質量は、機器ドレン、床ドレン、再生廃液、洗濯廃液等に分類し、それぞれ設計する際に用いる発生廃液量と放射性物質濃度から求める。

2.2 放射性物質の環境放出量

(1) 放射性物質の環境放出量は、上記の値を基礎に、液体廃棄物処理系の性能、処理水の運用方法等を考慮して年間の放出量を計算する。

(2) 環境に放出される放射性物質の核種組成は、トリチウムを除き、第4表の値とする。

 ただし、液体廃棄物中の放射性物質濃度及び液体廃棄物処理系の性能等を核種別に評価し、年間の環境放出量を核種毎に算出する場合にはこの限りではない。

第4表 環境に放出される液体廃棄物中に含まれる放射性物質の核種組成

W 環境における放射性物質の濃度計算

 原子炉施設の排気口及び排水口から環境に放出された放射性物質の濃度は、次により求めるものとする。

1. 大気中における放射性物質

 大気中における放射性物質の濃度は、気象に関する指針に従って計算する。

2. 海水中における放射性物質

 海水中における放射性物質の濃度は、冷却水排水口の濃度又は当該海域における拡散実験等によって得られる濃度とする。排水口の濃度は、放射性物質の年間放出量を年間の冷却水量で除した値とする。

X 被曝線量の計算

 環境中に放出された放射性物質により、原子炉施設周辺の一般公衆が受ける被曝線量は、次により求めるものとする。

1. 被曝線量の計算地点

 気体状放射性物質にかかわる被曝線量の計算は、次により行うものとする。

1.1 放射性希ガスによる全身被曝線量

将来の集落の形成を考慮し、最大線量を与える地点

1.2 放射性よう素による甲状腺被曝線量

(1) 呼吸摂取については、将来の集落の形成を考慮し、最大濃度を与える地点

(2) 葉菜又は牛乳摂取については、それぞれの被曝経路が現実に存在する地点のうち、濃度が最大である地点

2. 全身被曝線量の計算

 全身被曝線量の計算は、次により行うものとし、計算に用いるパラメータ等は、第5表に示す値とする。

2.1 放射性希ガスのガンマ線に起因する全身被曝線量

 2.1.1 計算地点における照射線量率の計算

  計算地点(x、y、o)における照射線量率は、次式から計算する。
 
   D :計算地点(x、y、o)における照射線量率(μR/h)
   
   E :ガンマ線の実効エネルギ(MeV/dis)
   μa :空気に対するガンマ線の真吸収係数(m-1)
   μ :空気に対するガンマ線の全吸収係数(m-1)
   r :放射性雲中の点(x′、y′、z′)から計算地点(x、y、o)までの距離(m)
   B(μr) :空気に対するガンマ線の再生係数
   χ(x′、y′、z′):放射線雲中の点(x′、y′、z′)における濃度(Ci/m3)
 なお、B(μr)は、次式から求めるものとする。
  B(μr)=1+α(μr)+β(μr)2+γ(μr)3………………………………(2)
 たゞし、μa、μ、α、β、γについては、0.5MeVのガンマ線に対する値を用い、以下のとおりとする。
 μ=3.84×10-3(m-1)、μ=1.05×10-2(m-1)
 α=1.000、β=0.4492、γ=0.0038

2.1.2 計算地点における全身被曝線量の計算

 計算地点における年間の全身被曝線量は、計算地点を含む方位及びその隣接方位に向う放射性雲のガンマ線からの照射線量を合算して、次式により計算する。

  Dγ :計算地点における全身被曝線量(mrem/y)
  K2 :照射線量から全身被曝線量への換算係数(mrem/mR)
  ƒh :家屋のしゃへい係数
  ƒo :居住係数
  
   これらは、(1)式から得られる照射線量率Dを、放出モード、大気安定度別風向分布及び風速分布を考慮して年間について積算して求める。

2.2 液体廃棄物中に含まれる放射性物質に起因する全身被曝線量

 液体廃棄物中に含まれる放射性物質に起因する全身被曝線量は、次式から計算する。

 Dw :海産物を摂取した場合の年間の全身被曝線量(mrem/y)
 
 m :全身質量(g)
 εi :核種の全身に対する有効エネルギ(MeV/dis)
 Tei :核種の全身における有効半減期(d)
 ƒwi :核種の全身に達する割合
 Awi :核種の摂取率(μCi/d)
 T :海産物摂取による被曝期間(d)
 Cwi :海水中の核種の濃度(μCi/cm3)
 
 Wk :海産物の摂取量(g/d)
 ƒmk :海産物の市場希釈係数
 ƒki :海産物の採取から摂取までの核種の減衰比
   
 Tri :核種iの物理的半減期(d)
 k :海産物K(海藻類を除く)の採取から摂取までの時間(d)

2.3 評価に用いる全身被曝線量

 2.1及び2.2によって計算された線量を加算したものをもって線量目標値と比較するための全身被曝線量とする。

3.甲状腺被曝線量の計算

 甲状腺被曝線量の計算は、次により行うものとし、計算に用いるパラメータ等は、第5表に示す値とする。

3.1 気体廃棄物中に含まれる放射性よう素に起因する甲状腺被曝線量

 気体廃棄物中に含まれる放射性よう素に起因する甲状腺被曝線量は、次によりそれぞれ計算し、得られる値を加算する。

(1) 呼吸による甲状腺被曝線量
 DI :年間の甲状腺被曝線量(mrem/y)
 K3 :甲状腺被曝線量への換算係数
 
  :甲状腺質量(g)
 ƒa :呼吸により放射性よう素が甲状腺に達する割合
 ε :核種の甲状腺に対する有効エネルギ(MeV/dis)
 Tei :核種の甲状腺における有効半減期(d)
 AIi :核種の摂取率(μCi/d)
 Ma :呼吸率(cm3/d)
 

(2)葉採摂取による甲状腺被曝線量
 DV :年間の甲状腺被曝線量(mrem/y)
 
  :甲状腺質量(g)
 ƒw :経口摂取により放射性よう素が甲状腺に達する割合
 εi< :核種の甲状腺に対する有効エネルギ(MeV/dis)
 Tei :核種の甲状腺における有効半減期(d)
 AVi :核種の摂取率(μCi/d)
 MV :葉菜の摂取量(g/d)
 ƒm :葉菜の市場希釈係数
 ƒt :葉菜の栽培期間の年間比
 ƒd :葉菜の除染係数
 
 Tri :核種の物理的半減期(d)
 V :葉菜の採取から摂取までの時間(d)
 

(3) 牛乳摂取による甲状腺被曝線量
 DM :年間の甲状腺被曝線量(mrem/y)
 

  :甲状腺質量(g)
 ƒw :経口摂取により放射性よう素が甲状腺に達する割合
 εi :核種の甲状腺に対する有効エネルギ(MeV/dis)
 Tei :核種の甲状腺における有効半減期(d)
 AMi :核種の摂取率(μCi/d)
 MM :牛乳の摂取量(ml/d)
 ƒm :牛乳の市場希釈係数
 ƒt :牧草の栽培期間の年間比
 ƒf :飼料の混合比
 
 Tri :核種iの物理的半減期(d)
 tM :牛乳の採取から摂取までの時間(d)
 

3.2 液体廃棄物中に含まれる放射性よう素に起因する甲状腺被曝線量

 液体廃棄物中に含まれる放射性よう素に起因する甲状腺被曝線量は次式から計算する。

(1) 海藻類を摂取する場合
 DWT :海産物を摂取した場合の年間の甲状腺被曝線量(mrem/y)
 

  :甲状腺質量(g)
 AWi :核種の摂取率(μCi/d)
 As :安定よう素の摂取率(g/d)
 qs :甲状腺中の安定よう素量(g)
 εi :核種の甲状腺に対する有効エネルギ(MeV/dis)
 ƒsi :核種の甲状腺中比放射能の減衰係数
 CWi :海水中の核種の濃度(μCi/cm3)
 
 Wk :海産物の摂取量(g/d)
 ƒmk :海産物の市場希釈係数
 CWs :海水中の安定よう素の濃度(g/cm3)
 ƒki :海産物の採取から摂取までの核種の減衰比
     
 Tri :核種の物理的半減期(d)
 tk :海産物(海藻類を除く)の採取から摂取までの時間(d)

(2) 海藻類を摂取しない場合
 DF :海産物(海藻類を除く)を摂取した場合の年間の甲状腺被曝線量(mrem/y)
 

  :甲状腺質量(g)
 ƒW :経口摂取により放射性よう素が甲状腺に達する割合
 εi :核種iの甲状腺に対する有効エネルギ(MeV/dis)
 Tei :核種iの甲状腺における有効半減期(d)
 AFi :核種iの摂取率(μCi/d)
 CWi :海水中の核種iの濃度(μCi/cm3)
 

 Wk :海産物k(海藻類を除く)の摂取量(g/d)
 ƒmk :海産物の市場希釈係数
 ƒki :海産物の採取から摂取までの核種の減衰比
     
 Tri :核種の物理的半減期(d)
 k :海産物(海藻類を除く)の採取から摂取までの時間(d)

3.3 気体廃棄物中及び液体廃棄物中に含まれる放射性よう素を同時に摂取する場合の甲状腺被曝線量

 気体廃棄物中及び液体廃棄物中に含まれる放射性よう素を同時に摂取する場合の甲状腺被曝線量は次式から計算する。

(1) 海藻類を摂取する場合
 DT :年間の甲状腺被曝線量(mrem/y)
 
  :甲状腺質量(g)
 Ai :核種の摂取率(μCi/d)
     (Ai=0.75AIi+AVi+AMi+AWi)
 As :安定よう素の摂取率(g/d)
     ((8)″式から得られる値を用いる)
 qs :甲状腺中の安定よう素量(g)
 εi :核種の甲状腺に対する有効エネルギ(MeV/dis)
 ƒsi :核種の甲状腺中比放射能の減衰系数

(2) 海藻類を摂取しない場合
 DTF :年間の甲状腺被曝線量(mrem/y)
 
  :甲状腺質量(g)
 ƒW :経口摂取により放射性よう素が甲状腺に達する割合
 εi :核種iの甲状腺に対する有効エネルギ(MeV/dis)
 Tei :核種iの甲状腺における有効半減期(d)
 ATFi :核種の摂取率(μCi/d)
     (TFi=0.75AIi+AVi+AMi+AFi)

3.4 評価に用いる甲状腺被曝線量

 成人、幼児及び乳児について、3.3の(1)及び(2)で計算された線量のうちより大きいものをもって線量目標値と比較するための甲状腺被曝線量とする。

第5表 被曝線量計算に使用するパラメータ及び換算係数





別記1.

家屋のしゃへい係数及び居住係数は原則として1とする。

 ただし、原子炉施設周辺における調査結果により、適切な値が得られる場合には、それを用いることができる。
別記2.

(1) 葉菜、牛乳及び海産物の市場希釈係数は、原子炉施設周辺における調査結果によって得られる値を用いることができる。それが得られない場合には、葉菜及び海産物について1とし、牛乳については成人、幼児について1、乳児について0.5とする。

(2) 飼料の混合比は、原子炉施設周辺における調査結果によって得られる値を用いることができる。それが得られない場合には、1とする。

(3) 葉菜、牛乳及び海藻類以外の海産物の採取から摂取までの時間は、原子炉施設周辺における調査結果によって得られる値を用いることができる。

 それが得られない場合には、乳児の牛乳について3日、それ以外については無視する。
別記3.

幼児及び乳児についての海産物kの摂取量、甲状腺中の安定よう素量及び甲状腺中比放射能の減衰係数は、次のとおりとする。

(1) 海産物kの摂取量

   幼児及び乳児について、それぞれ成人の値の1/2及び1/5とする。

(2) 甲状腺中の安定よう素量

   幼児及び乳児について、それぞれ成人の1/5及び1/10とする。

(3) 甲状腺中比放射能の減衰係数

   幼児及び乳児は、T−131及びT−133に対してそれぞれ0.3及び0.05とする。
別記4.

海産物の濃縮係数

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