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放射線取扱主任者実態調査結果(概要)


昭和51年3月
科学技術庁原子力
安全局放射線安全課

 Ⅰ 調査の概要

  1. 調査の目的及び対象

 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(放射線障害防止法)の規制を受ける放射性同位元素又は放射線発生装置を取り扱う全事業所を対象として、各事業所において同法第34条の規定に基づき「放射線障害の発生の防止について監督を行わせるため」放射線取扱主任者として選任され、当該職務を行っている者の実態を明らかにし、今後の施策の検討等の参考とすることを目的として実施した。

  2. 調査時点及び調査方法

 昭和50年10月1日現在。調査票の郵送による自計式。

  3. 調査票の回収及び集計

 回収事業所数2,915(回収率86.9%)うち、集計事業所数2,850(全調査対象事業所数の85.0%)

(注)調査票回収事業所のうち、調査時点において、使用の許可を受け、又は届出をしているが未だ放射性同位元素等を購入していない事業所、放射線取扱主任者の転勤その他があり、その後選任されていないため、放射性同位元素等の使用を中止している事業所等の65事業所を除いた数である。内訳は、使用事業所2,772、販売事業所76、廃棄事業所2である。

 Ⅱ 調査結果の概要

  1. 使用事業所関係

(1) 事業所の状況

 ① 従業員数

(説明)放射線障害防止法上の許可・届出は事業所単位であるが、従業員数100人以上の事業所が全体の66.7%で、3分の2を占めており、全般的に放射性同位元素及び放射線発生装置は、比較的大規模な組織において使用されている。

② 放射線関係作業者数(放射線作業従事者数と管理区域随時立入者数との合計数)

(説明)放射性同位元素等の取扱い、管理又はこれに附随する業務に従事するため常時管理区域に立ち入る「放射線作業従事者」と「管理区域随時立入者」を合わせた放射線関係作業者数が4人以下の事業所が全体の約3分の1あり、全体の事業所の約86%が29人以下となっている。上記①の使用事業所の従業員数と対比すると、放射線関係作業者は、事業所従業員のうちのごく一部にすぎない事業所が多いといえよう。

③ 放射線関係作業者の総数
62,456人(無記入事業所を除く2,769事業所分)

(2) 放射線取扱主任者(に選任されている者)の状況

① 放射線取扱主任者の総数
3,286人(2,772事業所分。医師・歯科医師以外の主任者免状所有者=2,707人 医師・歯科医師=579人)
(説明) 放射線取扱主任者試験に合格した放射線取扱主任者免状所有者の総数は、調査時点で14,930人であるが、そのうち、放射性同位元素等の使用事業所で、2,707人が主任者として選任されている。そのほか、医療機関では、579人の医師又は歯科医師が主任者として選任されている。((3)-③参照)

② 放射線取扱主任者の人数

(説明) 放射線取扱主任者が1人という事業所が大部分を占めているが、それでもおよそ8事業所に1事業所の割合(13.6%)で、主任者で2人以上選任されている。

③ 放射線取扱主任者の年令

(説明)31歳~40歳台の者を放射線取扱主任者として選任している事業所の割合が最も大きい。

 なお、20歳以下の者を放射線取扱主任者として選任している事業所は皆無である。

④ 放射線取扱主任者の地位

(説明) 助手(教育機関)、一般研究員(研究機関)、係長(民間企業)その他これらに相当する地位の者を放射線取扱主任者として選任している事業所が全体の過半数に達しており、この地位別の状況は、上記③の年齢別の状況に関係がある。

⑤ 放射線取扱主任者の勤務態様

(説明) 放射線障害防止法施行規則(第30条第2項)の規定するとおり、放射線取扱主任者は1事業所につき少なくとも1人選任されているが、当該事業所専一の常勤者でない者のみを放射線取扱主任者として選任している事業所が112所(全体の4%)あった。

⑥ 放射線取扱主任者の任命権者

(説明) 放射線取扱主任者の任命権者は、学部長(教育機関)、研究所長(研究機関)、病院長・診療所長(医療機関)、工場長(民間企業)などの事業所の長となっている事業所が全体の約3分の2(64.6%)を占めており、これと事業所を超える組織の代表者が任命権者となっているところ(29.4%)とでほとんど全部になっている。なお、後者については、放射線障害防止法の使用の許可・届出の単位とされている事業所としての大学学部では学長が、都道府県・市区町村立の研究機関等では知事・市区町村長が、他の一般の任命行為の場合と同じく放射線取扱主任者の任命権者とされていることが多いためであると考えられる。

⑦ 放射線取扱主任者及び放射線取扱主任者免状所有者に対する優遇措置

(説明) 放射線取扱主任者に選任されている者に対して何らかの優遇措置を講じている事業所が314(11.3%)あり、優遇措置としては、特別手当の支給が多い。放射線取扱主任者免状の所有ないし取得に対して優遇措置を講じている事業所は、146(5.3%)である。

⑧ 放射線取扱主任者の業務の補助者

(説明) 放射線取扱主任者の業務を補助する職務の者を設けている事業所は、全体の10.1%である。その大部分は、補助者の種類が1種類である。

(説明の注) 放射線障害の発生の防止について監督を行うことを職務とするスタッフ機能を有する者で、放射線取扱主任者より下位に位置づけられており、放射線取扱主任者を助けることとされていることが副主任者等の具体的名称からほぼ明らかなもののみを集計の対象とした。(したがって、医療機関において医師又は歯科医師が放射線取扱主任者である場合において、診療放射線技師を補助者として報告したところが多かったが、このようなケースは除外した。また、民間企業において計装課、安全衛生課、労務課、健康管理室等の組織を補助者として報告したケースも同様に除外した。)

⑨ 放射線安全管理委員会等

 イ 委員会等の有無別

(説明) 放射線取扱主件者と同様に放射線安全管理を担当する合議体を放射線取扱主件者のほかに設けている事業所は、全体の約3分の2である。そのうち、約3分の1は、労働安全衛生法で常時100人以上の労働者を使用する場合等において設置を義務づけられている安全衛生委員会又は衛生委員会によって放射線安全管理を行っているものである。法律により義務づけられてはいないが、放射線安全管理のみを担当する合議体(放射線安全管理委員会等)を設置している事業所も42.9%ある。

(説明の注) 安全衛生委員会又は衛生委員会は、放射線障害に限らず、広く各種の労働災害(労働者の危険又は健康障害)を防止するための重要事項を調査審議し、事業者に意見を述べることを任務としているものである。

 ロ 委員会等と主任者との関係(委員会等が「あり」の事業所について)

(説明1) 法律により義務づけられていない放射線安全管理委員会等の場合は、ほとんどがそのメンバーに放射線取扱主任者を含んでいる(95.5%)が、労働安全衛生法に基づき設置されている安全衛生委員会等の場合には、委員会の任務が放射線安全管理以外のことも広く担当するものであること等から、約30%の事業所で放射線取扱主任者をメンバーに含んでいない。ただし、大部分(70%)の事業所では、放射線障害防止法と労働安全衛生法がそれぞれ規定している制度を事業所内で具体的に調整して、安全管理体制を確立していることがみられる。

(説明2)

(1) 安全衛生委員会等や放射線安全管理委員会等の合議体の権限は、放射線取扱主任者の権限より上であるとする事業所が、どちらの合議体でも過半数に達している。

(2) 安全衛生委員会等や放射線安全管理委員会等の権限が、放射線取扱主任者の権限と比べて上か下か不明であるとする事業所がそれぞれ23.1%と29.7%ある。これらの割合に無記入の事業所の割合を加えると、それぞれ約3分の1強となっている。

⑩ 放射線取扱主任者の職務

(説明1)

(1) 調査票に掲げた10種類の業務のうち、次の4業務が約90%以上の事業所で放射線取扱主任者の職務とされている。

① 放射線障害防止の基本対策の立案(以下「基本対策立案」という。)--95.3%
② 放射線施設の点検--93.5%
③ 教育訓練--92.5%
④ 放射性同位元素の購入・保管・使用のチェック(以下「RIの購入等のチェック」という。)--89.9%

(2) 上記4業務以外の業務についても、放射性廃棄物の保管・業者への引渡しのチェック(以下「廃棄物のチェック」という。)の業務以外は、いずれも全体の4分の3程度以上の事業所で放射線取扱主任者の職務とされている。なお、「廃棄物のチェック」の業務については、無記入の事業所が約3割にも達していることによるとみられるが、無記入の事業所の多くは「密封の放射性同位元素しか使用していないので、放射性廃棄物が発生せず、したがって該当なし。」としているものである。

(3) 事故原因の調査・分析(以下「事故調査等」という。)の業務についても無記入の事業所がある程度多いが、それらの事業所の多くは「今まで事故が発生したことがないので、該当なし。」としている。

(説明2)

(1) 10種類の業務については、いずれの業務も約70%以上(主任者の職務となっている事業所のうちの69.5%~83.9%)の事業所で放射線取扱主任者がもっぱら又は主として自ら実施する業務となっている。なかでも、「基本対策立案」及び「事故調査等」の両業務は、放射線取扱主任者の職務としている事業所では、放射線取扱主任者がもっぱら又は主として実施することとしていることが多い。

(2) 他方、全く放射線取扱主任者の職務としていない事業所の割合が大きい業務は、次の4業務である。

① 場所の放射線量率等の測定-24.5%
② 使用・保管・廃棄等に関する帳簿の記帳-23.3%
③ 申請・届出等の書類の作成-15.4%
④ 帳簿・書類の保存-25.2%

 これら4業務は、放射線取扱主任者の職務とはなっているが自ら実施するのは一部としている事業所を含めてみると、約40%前後になり、比較的放射線取扱主任者の職務とはされていないものといえよう。

⑪ 放射線取扱主任者の権限

(説明1)

(1) 放射線障害防止法では放射線取扱主任者は「放射線障害の発生の防止について監督を行う」ため、選任されるものであることを規定するが、その権限については「使用施設等に立ち入る者」に対して指示する権限(第36条第2項)のほかには具体的に規定していない。放射線障害防止法上事業所の内外の放射線障害の発生の防止について最終責任を有するのは「使用者」等であるが、この使用者等との関係を含め現実に各事業所において放射線取扱主任者がどのような権限をどのような相手方に対して行使することができるようになっているかをみたものである。

(2) 放射線取扱主任者が何らかの権限を行使することができる相手方は、大学の学部長、病院長、工場長等の放射線障害防止法上の許可等の単位とされている事業所の長としている事業所が最も多く(65.5%)、ついで、事業所の長より通常な下位に位置づけられていると考えられる放射線安全管理担当部局長、放射線安全管理委員会、放射線安全管理委員長等、事業所において放射線安全管理を専門に所掌しているものとしている事業所が多い(47.9%)。事業所数は、少ないが、事業所の長を超える法人の代表者たる理事長、総合大学の学長、都道府県知事、民間会社の本社社長のような最高責任者に対しても何らかの権限を行使することができるとしている事業所が全体の約4分の1ある。

(説明2)

(1) 放射線取扱主任者の権限としては、「意見具申」とする事業所の割合が、相手方のいかんにかかわらず最も大きい。事業所の長及び事業所の長を超える組織の代表者に対しては、「意見具申」についで「助言」「勧告」「指示」「命令」の順となっており、教授・医長・製造部長等は放射線安全管理担当部局長等に対しては、「意見具申」についで「助言」「指示」「勧告」「命令」の順となっている。

(2) 事業所の長又は事業所の長を超える組織の代表者に対しても、放射線取扱主任者が「指示」又は「命令」することができるとしている事業所があり、事業所の長に対しては、全体の約10%の事業所が「指示」又は「命令」することができるとしている。

(3) 医療機関における放射線取扱主任者の状況放射線障害防止法上、放射線取扱主任者の選任について特別の扱いが規定されている医療機関について、その選任の状況をみたものである。

(注)放射線取扱主任者は、放射線取扱主任者免状を有する者のうちから選任すべきこととされているが、放射性同位元素又は放射線発生装置を診療のために用いるときは、放射線取扱主任者免状の有無にかかわらず医師又は歯科医師を放射線取扱主任者として選任することができることとされている(第34条第1項後段)。

① 放射線取扱主任者の数

(説明)医療機関では、放射線取扱主任者が1人の事業所が大部分を占めており、全使用事業所の場合より、1人の事業所の割合が大きい。((2)-②参照)

② 放射線取扱主任者の種類

(説明) 医療機関の92.6%が医師又は歯科医師を放射線取扱主任者として選任している。診療放射線技師のみを選任しているところは、38(6.4%)であるが、診療放射線技師を医師又は歯科医師とともに選任しているところが、27(4.6%)あり、診療放射線技師を選任しているところは、合計65(11.0%)である。

③ 放射線取扱主任者の種類別人数

(説明)

(1) 医療機関(594)において、放射線取扱主任者に選任されている医師又は歯科医師は579人で、そのうち、放射線科医師は、339人(58.5%)である。なお、これら放射線取扱主任者に選任されている医師又は歯科医師のうち放射線取扱主任者免状を有する者は、70人(12.1%)である。

(2) 医療機関において放射線取扱主任者に選任されている診療放射線技師は、65人で、全体の約10%を占めている。

  2. 販売事業所関係

(1) 事業所の状況

① 従業員数

(説明)従業員数100人以上の事業所が全体の61.9%で、半数を超えている。29人以下の従業員数の事業所は、約4分の1となっており、使用事業所の状況(14.1%)に比べて比較的小規模の組織が多いといえよう。

② 放射線関係作業者数(放射線作業従事者数と管理区域随時立入者数との合計数)

(説明)放射性同位元素等の取扱い、管理又はこれに附随する業務に従事するため常時管理区域に立ち入る「放射線作業従事者」と「管理区域随時立入者」を合わせた放射線関係作業者数が4人以下の事業所が全体の40.8%であり、全体の事業所の約70%が29人以下となっている。

③ 放射線関係作業者の総数 2,418人

(2)放射線取扱主任者(に選任されている者)の状況

① 放射線取扱主任者の総数 88人

② 放射線取扱主任者の人数

(説明)放射線取扱主任者が1人という事業が大部分で、2人以上選任されている事業所は、13.2%であり、使用事業所の状況とほぼ同様である。

③ 放射線取扱主任者の年齢

(説明) 使用事業所の状況と同様に、31歳~41歳台の者を放射線取扱主任者として選任している事業所の割合が最も大きく、また20歳以下の者を選任している事業所は皆無である。51歳以上の者については、販売事業所の場合は、2.6%と極めて小さい。(使用事業所 13.6%)

④ 放射線取扱主任者の地位

(説明 )係長及びその他これに相当する地位の者を選任している事業所が約半数を占め、これは使用事業所の状況とほぼ同様である。

⑤ 放射線取扱主任者の勤務態様

(説明) 放射線取扱主任者は、1事業所につき少くとも1人選任されているが、当該事業所に専一に常勤する者以外の者のみを放射線取扱主任者としている事業所の割合(10.5%)は、使用事業所の状況(4.0%)に比べてかなり大きくなっている。

⑥ 放射線取扱主任者の任命権者

(説明)放射線取扱主任者の任命権者が事業所の長を超える組織の代表者である事業所の割合と事業所の長である事業所の割合がほぼ同じく、使用事業所の状況と比較するとかなり異った様子を示している。

⑦ 放射線取扱主任者及び放射線取扱主任者免状所有者に対する優遇措置

(説明) 放射線取扱主任者に選任されている者に対して何らかの優遇措置を講じている事業所が21(27.6%)あり、放射線取扱主任者免状の所有ないし取得に対して優遇措置を講じている事業所は、5(6.6%)である。使用事業所の状況と比較すると、主任者に優遇措置を講じている事業所の割合が2倍以上となっているが、優遇措置としては特別手当の支給が多いことは同様である。

⑧ 放射線取扱主任者の業務の補助者

(説明) 放射線取扱主任者の業務を補助する職務の者を設けている事業所は、全体の1割弱に過ぎない。補助者の種類については、1種類の補助者のみである。

⑨ 放射線安全管理委員会等

 イ 委員会等の有無別

(説明) 放射線取扱主任者のほかに放射線安全管理を担当する合議体を設けている事業所は、全体の約3分の2ある。そのうち約4分の1は労働安全衛生法に基づく安全衛生委員会又は衛生委員会によって放射線安全管理を行っているものであり、約4分の3は法律により義務づけられてはいない放射線安全管理委員会等を設置しているものである。

 ロ 委員会と主任者との関係(委員会等が「あり」の事業所について)

(説明1) 法律により義務づけられていない放射線安全管理委員会等の場合には、ほとんどがそのメンバーに放射線取扱主任者を含んでいる(94.7%)が、労働安全衛生法に基づき設置されている安全衛生委員会等の場合には、使用事業所の場合と同様に放射線取扱主任者をメンバーとして含む割合が小さくなっている。(54.5%)

(説明2) 安全衛生委員会や放射線安全管理委員会等の合議体の権限は、放射線取扱主任者の権限より上であるとする事業所は50%前後である。

⑩ 放射線取扱主任者の職務

(説明1)

(1) 調査票に掲げた10種類の業務のうち、次の5業務は約80%以上の事業所で放射線取扱主任者の職務とされている。

① 基本対策立案--94.7%
② 教育訓練--88.2%
③ RIの購入等のチェック--85.5%
④ 申請・届出等の書類の作成--81.6%
⑤ 事故調査等--85.5%

(2) 上記以外の業務では、「廃棄物のチェック」及び「使用・保管・廃棄等に関する帳簿の記帳」の2業務が50%程度、「場所の放射線量率等の測定」「帳簿・書類の保存」の2業務が60%程度である。

(説明2)
(1) 「放射線取扱主任者の職務となっている」事業所のうち、約70%以上の事業所で放射線取扱主任者がもっぱら又は主として自ら実施する業務としているのは6業務である。(使用事業所では10業務全部)

 なお、「基本対策立案」及び「事故調査等」の両業務が、放射線取扱主任者の本来的な職務とされている程度が高いのは使用事業所の状況と同様である。

(2) 他方、全く放射線取扱主任者の職務としていない事業所の割合が大きい業務は、次の5業務である。

① 場所の放射線量率等の測定--28.9%
② 廃棄物のチェック--18.4%
③ 使用・保管・廃棄等に関する帳簿の記帳(以下「帳簿の記帳」という。)--34.2%
④ 申請・届出等の書類の作成--18.4%
⑤ 帳簿・書類の保存(以下「帳簿等の保存」という。) -39.5%

 これらの5業務について、放射線取扱主任者の職務とはなっているが、自ら実施するのは一部としている事業所を含めてみると、全て約40%を超えており、「帳簿の記帳」「帳簿等の保存」については60%を超えている。

⑪ 放射線取扱主任者の権限

(説明1) 放射線取扱主任者が何らかの権限を行使することができる相手方は、放射線障害防止法上の許可等の単位とされている事業所の長より下位と考えられる販売部長などとしている事業所が最も多く(56.6%)、ついで、事業所の放射線安全管理担当部局長、放射線安全管理委員会、放射線安全管理委員長等、事業所において放射線安全管理を専門に所掌しているもの、事業所の長を超える法人の代表者たる本社社長のような最高責任者、事業所の長の順となっており、使用事業所の状況とかなり異っている。

(説明2) 放射線取扱主任者の権限は、「意見具申」については、事業所の長を超える組織の代表者に対するものが多く、販売部長などに対しては「指示」、放射線安全管理担当部局長などに対しては「助言」が多い。全体としては、「意見具申」「勧告」「助言」「指示」の割合が大きく、使用事業所の状況と共通である。


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