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IAEA総会(第19回)報告



 第19回IAEA総会は、1975年9月22日から26日までウィーンのコングレス・センターで開催され、参加国は72カ国にのぼった。

 総会議長は、ポーランド原子力公社(Authority)議長のフェリツキー氏が選ばれた。
 新加盟国として、今回承認された国は、カタール、タンザニア、アラブ首長国連邦であり、この結果IAEA加盟国総数は、109カ国となる。

 IAEAと相互経済援助委員会(コメコン)及びユーラトムとの協力協定が承認された後、一般討議において米、英、独、仏、ソ等の主要国は、保障措置の強化、特にNPT非締約国の全核燃料サイクルへの保障措置の適用の必要性、NPT未批准国に対する早期批准要請、NPT締約国への技術援助優遇措置等に関する発言が行われた。

 ほかの主要なトピックとしては、IAEA事務局長エクランドが、その演説で地域核燃料サイクル構想を取り上げ、「原子力は、今や、約40の発展途上国にとって経済的に魅力のあるものとなっており、これらの国々において1980年から1990年の10年間に建設される容量の半分以上を原子力が占めるのは不可能でない。」と言明し、「その際に直面する財政、技術、人材養成、安全管理、保障措置等の問題に対処するための最良の方法は、地域ベースでの協力である」と主張した。これに関しては、極東地域を含む東南アジアにおける核燃料再処理及び廃棄物処理の地域センターについて、予備的研究が行われることとなっている。

 また、フィジカル・プロテクションについて加盟国は、自国のシステムを強化すべきことを確認し、とくに核物質の国際的輸送における国際協力の推進を検討するべきであるとの結論を下した。

 理事国選挙においては新たにチリ、コロンビア、オランダ、デンマーク、ポーランド、ユーゴスラビア、リビア、セネガル、バングラデッシュ、フィリピン、インドネシアが選ばれ非改選国と合せて34カ国で理事会を構成することとなった。

 なお、次回会合は、ブラジル政府の招請に応じて1976年9月21日から、リオデジャネイロで開催されることとなった。

〔資料IAEAプレスレリース、公開情報〕



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