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原子力第1船「むつ」開発計画の推進について


昭和50年9月23日決定
原子力委員会


 当委員会は、去る9月11日、原子力船懇談会から、原子力第1船「むつ」の今後の措置、日本原子力船開発事業団(以下「事業団」という。)のあり方およびわが国における今後の原子力船開発の進め方について報告を受けた。
 同懇談会報告に述べられている通り、1980年代後半には、本格的な原子力商船時代が到来するものと見込まれており、わが国としてもエネルギー政策のみならず、造船、海運政策の観点から原子力船開発を今後とも積極的に推進し、世界の大勢に遅れることのないよう配慮すべきである。
 当委員会としては、かかる観点から同懇談会の趣旨を尊重して「むつ」の開発を積極的に推進することとし、このため、当面、下記の施策を実施するものとする。

1. 「原子力第1船開発基本計画」の改訂

 遮蔽改修および総点検に続く出力上昇試験、実験航海等を含め、現行の「原子力第1船開発基本計画」を原子力船の実用化にいたるまでの研究開発との関連を考慮しつつ改訂する。



2. 「日本原子力船開発事業団法」の改正

 昭和51年3月31日をもって廃止されることとなっている現行の事業団法を1.に述べた「「原子力第1船開発基本計画」の改訂」に即応して、必要な期間延長を行う。



3. 安全確保のための措置

 「むつ」の開発を円滑に進めるにあたっては、安全の確保が第1であるので、そのため実施主体である事業団の組織体制の強化整備、有能な人材の導入等、事業団の技術水準の向上を図る。
 また、総点検・改修計画の実施にあたっては、さきに科学技術庁および運輸省が合同で設置した「「むつ」総点検・改修技術検討委員会」を中心として、国の立場から十分なチェックを行うこととするが、当委員会としても、随時検討状況の報告を求め、安全確保について万全を期すこととしたい。



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