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放射線審議会の動き(基本部会)



第14回

〔日時〕昭和49年2月5日

〔議題〕
 1 国際放射線防護委員会勧告について
 2 その他

〔審議結果〕
 1 第27回放射線審議会総会においておこなった中間報告「基本部会の活動状況について」了承さる。

 2 ICRP勧告に関する検討委員会を基本部会のSub−Committeeとして発足させる。

 3 次回以降の検討課題は、「ICRP Publication22(as low as readily achievable)」および「Revision of ICRP−9」とする。

 4 その他、第27回放射線審議会総会に対しておこなわれた中間報告の内容は下記のとおりである。

放射線審議会の動き(基本部会)
(48.12.21)


〔審議事項〕

「ICRP勧告について」(47.12.23に開催された第25回放射線審議会総会からの付託事項)

〔審議経過〕

 本部会では、これまで第8回(48.2.7)から第13回(48.11.8)までの会議において特にICRP1965年勧告を中心として審議を進めてきたが、その審議内容は、次のとおりである。

(1)ICRP勧告に関する考え方について

 ICRP勧告の受入れを具体的に検討するに当っては、勧告の技術的基準等の変遷に則ると共に、我国における独自性を配慮のうえ行なうべきであると考える。

(2)ICRP勧告を受入れるための機関について


 ICRP勧告を受入れるためには、これを学問的に受けとめるための機関とその結果を具体的な実施に移すことを検討する機関が必要であると考えられ、これらの機関の整備に関して、政府は、積極的に早期実現に努力する必要があると考える。

(3)公衆の構成員の線量限度について

 現行法令においては、使用施設等の基準の中で「事業所の境界及び事業所内の人が居住する区域における許容線量は一週間につき10ミリレム以下(告示5条)」と規定しているだけで公衆の構成員の線量限度としての規定はない。そこで、これを法令上明文化すべきかどうかを検討する必要があると考える。

(4)計画特別被曝について

 ICRP1965年勧告においては、「計画特別被曝は、線量或いは線量預託(dose commitment)が、いずれの1回の事象においても年間の線量限度の2倍を超えず、又、生涯においてこの限度の5倍を超えないならば、許されてよい(66項)」としているが、一方、現行法令においては制御できる線源からの計画特別被ばくに該当する字句はなく、危険時の措置として「緊急作業に係る許容被ばく線量は12レムとする(告示12条)」と規定しているのみである。この点について検討する必要があると考える。

(5)作業者の健康管理について

 ICRP1965年勧告においては「被ばくが最大許容年線量の10分の3を超えることには殆んどなりそうにない作業状況下にある者として区分される作業者については、個人モニタリングと特別の健康管理は必要とされない(112項)」としているがこれは、我国においても今後検討すべき課題であると考える。

(6)その他

 ICRP1965年勧告においては、体内被ばく線量の規制に当りdose commitmentの考え方を取るべきことを述べている。この考え方は採用すべきものと考えるが、法令にどのような形で組み入れるかは技術的にむずかしいと思われる。これは、「1年間に起った事象によって受けるであろう総線量を1人5レムまでに制限する」という基木理念として受けとめるべきものと考える。

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