放射線審議会第24回 |
第24回放射線審議会(総会)は昭和47年9月19日、午後2時30分、虎ノ門霞山会館9階会議室に於て開催された。
会議は成田原子力局長(科学技術庁長官代理)の挨拶について、空席の放射線審議会長の選出を行なった結果、全員一致で、放射線医学総合研究所長御園生圭輔氏を互選した。
なお、当日、御園生圭輔氏は海外出張のため欠席だったので、名古屋大学医学部教授高橋信次氏を会長代理に指名して、審議に入った。なお、当日、審議会に提出された諮問事項は次の3件であった。 |
(1) 夜光時計に関する放射線障害防止の技術的基準について(通商産業省) |
同省より提出された諮問内容は概略次のとおりである。
工業標準化法第11条に基づき、夜光携帯時計および夜光置時計について、工業標準すなわち日本工業規格(JIS規格)を制定したい。
この規格は、針および文字板などに放射線発光塗料を塗装した一般の夜光時計について規定するものであるため、放射性安全性(発光塗料に含まれてよい放射性同位元素等の種類・許容値等)、放射性同位元素の種類別別試験方法、放射能検査など放射線障害防止の技術的基準に関する項について検討願いたい。 |
(2) 放射性医薬品製造規則の一部改正について(厚生省) |
同省より提出された諮問内容は概略次のとおりである。
放射性医薬品製造規則別表第1の一部を改正し、カリウム43の化合物及びその製剤フッ素18の化合物及びその製剤等17品目の放射線を放出する医薬品を、放射性医薬品として追加指定したい。 |
(改 正 理 由) |
近年の医学薬学の進歩に伴い、放射性医薬品製造規則(昭和36年厚生省令第4号)の一部を改正し、下記の医薬品を放射性医薬品に追加する必要がある。 |
近年の医学薬学の進歩に伴い、放射性医薬品製造規則(昭和36年厚生省令第4号)の一部を改正し、下記の医薬品を放射性医薬品に追加する必要がある。 |
記
カリウム43(43K)の化合物及びその製剤
ガリウム67(67Ga)の化合物及びその製剤
テクネチウム99m(99mTc)の化合物及びその製剤
モリブデン99(99Mo)の化合物及びその製剤
ストロンチウム87m(87mSr)の化合物及びその製剤
イットリウム87(87Y)の化合物及びその製剤
インジウム111(111In)の化合物及びその製剤
インジウム113m(113mIn)の化合物及びその製剤
錫113(113Sn)の化合物及びその製剤
テルル132(132Te)の化合物及びその製剤
セシウム131(131Cs)の化合物及びその製剤
イッテルビウム169(169Yb)の化合物及びその製剤
フッ素18(18F)の化合物及びその製剤
鉄52(52Fe) 〃
ガリウム68(68Ga) 〃
ゲルマニウム68(68Ga) 〃
ジスプロシウム167(167Dy)〃
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(3)電離放射線障害防止規則の改正について(労働省)同省より提出された諮問の内容は次のとおりである。 |
電離放射線障害防止規則改正案要綱(労働省)
1 妊娠可能年令の女子の受ける線量の限度
(1)妊娠可能年令の女子の腹部に受ける線量の限度は、3月間について1.3レムをこえないようにするものとすること。
(2)妊娠と診断された女子については、残りの妊娠期間中の腹部に受ける線量の限度は、1レムをこえないようにするものとすること。
(3)妊娠可能年令の女子については、腹部に被ばく線量測定用具を装着させるものとすること。
2 線量率の測定回数
100ミリキュリー以下の密封線源に係る管理区域内及び管理区域の外側の必要な場所における線量率の測定回数は、6月に1回以上とするものとすること。
3 インターロックの設置
3000キュリーをこえる放射性物質装備機器又は荷電粒子加速装置を設置している室には、インターロックを設けなければならないものとすること。
4 放射性物質について
空気中の放射性物質の濃度の抑制限度に関して、ストロンチウム90に係る数値を改め、プルトニウム、アメリシウム等一定の超ウラン元素に係る数値について新たに規定するものとすること。 |
改正の理由 |
電離放射線障害防止規則に規定する放射線障害の防止に関する技術的基準について、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律及びこれに基づく命令等に規定する当該技術的基準との斉合をはかるため、改正しようとするものである。 |
電離放射線障害防止規則の改正について(答申) |
47放審議第4号
昭和47年9月19日 |
労働大臣 田村 元殿 |
放射線審議会会長 |
電離放射線障害防止規則の改正について(答申) |
昭和47年9月14日付け労働省発基第90号をもって本審議会に諮問のあった標記の件については、昭和47年9月19日開催の第24回放射線審議会総会において審議したところ貴案のとお、りで適当であるとの結論を得たので、この旨答申する。
なお、本規則の施行にあたっては、他の関係法令との関係について円滑な運用をはかるよう特に配慮されたい。 |