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IAEA 6月 理事会(6月20日、21日)報告



1 1972年IAEA6月理事会は、ウィーンにおいて、6月20日および21日の両日にわたり開催された。

 本理事会の主要事項としては、9月末に行なわれる第16回メキシコ総会に勧告すべきIAEAの来年度予算の決定、同総会に対するIAEAの年次報告の作成、同総会に対するバンクデシュのIAEA加盟推せん、NPT保障措置協定の承認、平和目的のための核爆発に関するIAEAによる国際監視のためのガイドラインの設定、放射性物質の安全基準の改訂等があり、また、わが国にとっては、日本の理事国の指定、日仏IAEA保障措置協定および日豪IAEA保障措置協定の承認があった。

 NPT保障措置協定の承認があった国は、キプロス、バチカン本国、モンゴル、ネパール、アイスランド、レソトであり、平和目的のための核爆発に関するIAEAによる国際監視のためガイドラインについては、同ガイドラインのタイトルを、「NPTの規定または他の国際条約の同様な規定に基づく平和的目的のための核爆発に関するIAEAによる国際監視のためのガイドライン」とする等の修正があった。
 
2 1973年度IAEA予算総額は、約2,200万ドルとなり、対前年度9.2%増となっており、安全性および環境保護に関するパネル、シンポジウム等に対する予算の増加が注目される。

 保障措置予算については、あまり変化はないが、IAEAは、査察員を1973年末には、15人増加する予定としている。そのほか、放射性物質の安全基準に関しては、放射性同位元素取扱安全規則および放射性物質輸送安全規則について、従来の規則の改訂案が承認された。また、科学諮問委員会委員に、わが国から三井進午氏に代わって一本松珠磯氏が選任された。

 次期理事会は、9月22日メキシコで開催される予定。(9月5日に特別理事会が開催されることもありうる。)
 
3 議 題

 議題の採択

    (1)  副議長の選出
    (2)  第16回総会の議題予定
    (3)  1971年度決算
    (4)  1971〜72の年次報告
    (5)  1973〜78年の計画および1973年度予算
    (6)  他の国際機関との関連事項
    (7)  1972〜73年における理事国の任命
    (8)  技術援助
    (9)  保障措置
        (a)保障措置の適用
        (b)保障措置業務研究施設
        (c)査察員
 (10)  平和目的のための核爆発
   (11) 安全基準
 (12)  原子炉計画
 (13) 加盟国の拡大
   (14)  科学諮問委員会委員の任命
   (15) 職員給与改訂
 (16) 次期理事会
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