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中国エックス線(株)に対する行政処分について



 昭和46年9月20日、千葉県市原市に所在する三井造船(株)千葉造船所内において、中国エックス線(株)千葉支社の所持する非被壊検査装置に装備されていた約6キュリーのイリジウム-192線源が紛失した。同線源は9月26日に発見回収されたが、線源の拾得者等6名が放射線被ばくを受け、入院治療を必要とする放射線障害を伴う事故が発生した。
 当庁は、中国エックス線(株)の当該放射性同位元素の使用の場所に対する立入検査を9月27日、29日の二度にわたり実施した。その結果、同社は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(以下「法」という。)第15条(使用の基準)の技術上の基準に違反した事実があることが判明した。
 このため、法の趣旨にてらし、同社に対する行政処分をすることとし、11月11日、法第44条(聴聞)に基づき公開による聴聞を実施し、中国エックス線(株)広島県呉市(代表取締役 中野盛二)および5名の利害関係人から事情・意見等を聴取した。
 この聴聞の内容、嘆願書の提出等を総合的に勘案し、法により通商産業大臣とも協議した結果、昭和46年12月7日、法第26条(許可の取消等)第1項の規定に基づき、同社に対して、放射性同位元素の15日間の使用停止(昭和46年12月17日から同年12月31日まで)を命令した。
 また、同時に同社の担当の放射線取扱主任者の職務遂行義務違反を認め、法第38条(解任命令)の規定に基づき、放射線取扱主任者関谷晃一の解任を命令した。
 いずれの処分も、同法施行以来初めての行政処分である。


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