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第12回中国核実験にともなう放射能調査結果について



 第12回中国核実験にともない、11月19日核実験時における調査体制をとって以来、11月30日平常時の調査体制に復帰するまでの間における放射能調査結果では、22日〜24日にかけて西日本に降った、雨水・落下じん中に平常値と比べやや高い放射能を検出したが、その後その値も低下した。またその他の調査結果はほぼ平常の値と同様であった。
 調査結果の詳細は次のとおりである。


1 高空浮遊じんの放射能調査(防衛庁)




2 モニタリングポスト(気象庁、道府県)

 気象庁2ケ所(旭川、輪島)、14道府県(北海道、青森、秋田、宮城、福島、茨城、新潟、福井、鳥取、島根、大阪、高知、福岡、鹿児島)に設置しているモニタリングポストは平常の値と同様であった。


3 地表浮遊じんの放射能

(1)気象庁



(注)(1)調査結果は毎日900〜1400(約5時間)集じん20時間後に測定をした値である。
   (2)平常値は1.0ピコキュリー/立方メートル以下である。

(2)放射線医学総合研究所

 放射線医学総合研究所においては、地表浮遊じんの連続測定を、11月19日以降実施したが、平均0.7ピコキュリー/立方メートル以下で、実施前の平均値と変らなかった。
 なお、参考として空間線量については、11月19日以降連日午前10時、午後3時に測定を行ない11月23日までの結果は、核分裂生成物による線量寄与分が0.3〜0.4マイクロレントゲン/時であり、9月より核実験実施前(11月18日)までの平均値0.3マイクロレントゲン/時と同じであった。


4 雨水、落下じんの調査

(1)気象庁



(2)放射線医学総合研究所

 雨水、落下じんについて11月11日より毎日24時間毎に採取したが11月29日午前9時までの試料についての降下量は0.00〜0.29ミリキュリー/平方キロメートルで平常の値と同様でありまた放射性ヨウ案は検出されなかった。
 強放射性粒子の検索は、11月20日より毎日、午前9時30分より午前10時30分、午後1時30分より午後2時30分の2回ずつ11月24日まで行なったが、強放射性粒子は検出されなかった。
 調査結果は次のとおりである。




(3)地方衛生研究所(28都道府県)




5 核種分析

(1)牛乳中の放射性ヨウ素の測定

 放射線医学総合研究所(千葉)、及び農林省各試験場〔九州農業試験場(熊本)、畜産試験場(千葉)、北海道農林試験場(札幌)〕において核実験時における放射能調査体制の期間測定を続けたが、いずれも、放射性ヨウ素は検出されなかった。

(2)その他

 その他の核分裂成生核種分析については、各機関とも異常値が出なかったため実施しなかった。


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