IAEA(国際原子力機関)第15回総会報告
国際原子力機関(IAEA)の第14回総会は、昭和46年9月21日から27日までのウィーンのノイエ・ホッフブルグ会議センターにおいて開催された。その概要は次のとおりである。
1 加盟国、国際機関等の参加数
加盟国 |
79 |
国際連合および専門機関 |
4 |
その他の国際機関 |
7 |
非政府機関 |
6 |
2 日本国政府代表団
代表 |
藤山 楢一 |
在オーストリア大使 |
代表代理 |
大和 明 |
在オーストリア大使館公使 |
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石井 享 |
在オーストリア大使館参事官 |
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高岡 敬展 |
在オーストリア大使館一等書記官 |
顧問 |
広重 博一 |
科学技術庁原子力局政策課補佐 |
3 会議議事
(1)開会式
第15回総会は、9月21日午後3時15分からウィーンのノイエ・ホッフブルグ会議場センターにおいて行なわれた。
(2)議長選出
議長に、スペイン代表のオテロ=ナバスクスが選出された。
(3)信任状委員会の任命
信任状委員会は、アルゼンチン、ブラジル、ガボン、日本、ポーランド、スペイン、台湾、ソ連およびアメリカ合衆国の9カ国で構成されることとなった。
(4)副議長の選出
副議長として、オーストラリア、カナダ、西ドイツ、日本、ナイジェリア、ソ連、米国およびウルグアイの8ケ国の代表が選出された。
(5)一般委員会委員の任命
(6)議事採択および議事割当
(7)事務局長演説
IAEAの創立から今日までの経過を報告するとともに、今日世界的に問題となっている環境問題については、平和利用に伴って生ずる放射能に関する情報センターとしてIAEAが中必となる準備をすすめていること。
また、IAEAによる技術援助の重要性および後進国に対しUNDPならびにUNIDOと提携して協力活動の推進をはかることを述べた保障措置については、NPTに基づく保障措置協定について各国といつでも交渉に入る用意があること等の報告があった。
(8)一般演説および理事会報告
第2日目から3日間、各国の代表の演説が行なわれた。
なお、米国代表からは、濃縮ウランについて内外の原子力発電所と長期供給契約を締結することおよび約国間の濃縮ウラン製造プロジェクトに関心をもつ旨発言があった。
わが国代表は、第3日目に演説を行ない、まず、わが国の進展する原子力発電について紹介した後、高速増殖炉、新型転換炉、再処理工場の建設、原子力船「むつ」の建造ウラン濃縮技術の研究開発等わが国の原子力開発利用状況について説明を行なった。
続いて、原子力の情報交換の必要性を強調するとともに、流通する核物質についての保障措置技術開発をIAEAがすすめることを期待する旨発言した。
また、原子力をめぐる環境問題についても、放射性廃棄物の処理処分に関する技術的な問題をIAEAの場において積極的に行なうべきことを強調した。
(9)第16回総会開催期日
第16回総会を、明年の9月26日メキシコで開催することが承認された。
(10)理事国の選出
コロンビア、ルーマニア、アラブ・リパブリック・オブ・エジプト、コンゴ、セイロン、中国およびギリシアが選出された。
(11)1971年および1972年の予算
1971年および1972年の予算について、計画技術予算委員会報告どおり、異議なく採択された。
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