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安全確保体制の総点検結果について



 原子力施設の事故を契機として科学技術庁および通商産業省は原子力施設の安全確保体制の総点検を急いでいたが、この度両省庁共同して行なわれた総点検結果の調査状況をとりまとめた。

1 原子力発電所等の安全確保体制の総点検については、その重要性に鑑み、先に関係者に対し早急に行なうよう要請したところであるが、この度、8月12日から15日まで通商産業省と共同して現地において総点検結果について調査を行なった。

2 現地調査は、日本原子力発電(株)東海発電所、同敦賀発電所、関西電力(株)美浜発電所、東京電力(株)福島原子力発電所および日本原子力研究所動力試験炉の現在稼動中の5発電所につき実施し、安全確保上必要と考えられる安全管理体制、安全教育、安全管理設備、高放射線下作業管理、放射線被曝管理、防火対策等の各側面について詳細な調査を行なった。

(主要点検項目 参照)

3 調査結果によれば、

(1)原子力利用上安全確保の問題は最重要であるという認識の下に従来から各発電所等において種々の対策が講じられていたが

(2)今回の総点検に当たっては、タスク・フォースを社内に設置するなどして(イ)本社による安全確保のための点検体制の整備、(ロ)安全管理設備の増強等積極的に安全確保対策の強化が図られていた。

(3)わが国においては原子炉の運転経験が少ないことに鑑み、今後とも安全確保のため細心の注意を払うとともに安全確保体制について不断の見直しが不可欠である。


主要点検項目


1 安全管理体制について

(1)本社における安全管理体制

(2)発電所における安全管理体制

(3)本社、発電所間の連絡体制

2 安全教育について

(1)教育訓練の実施状況

(2)下請業者の安全指導状況

3 安全管理設備について

(1)エリア・モニターおよびプロセス・モニターの性能および設置状況

(2)サーベイ・メーター等の性能および装備状況

(3)遮蔽設備状況

4 高放射線下作業管理について

(1)作業手順書の作成状況

(2)作業管理の実情

5 放射線被曝管理について

(1)個人被曝管理状況

(2)フイルム・バッヂ特別緊急現像体制

6 防火対策について

(1)防火組織の現状

(2)防火設備状況

(3)防火訓練状況

(4)地元との防火連絡体制


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