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第4回原子力平和利用国際会議科学展示会への参加



 第4回原子力平和利用国際会議は、9月6日から16日までジュネーブで開催されるが、それと並行して今回も各国政府による原子力関係の展示会が開催されることになっている。同会議は原子力の最大の国際会議として世界各国の原子力界における指導的地位にある人々の参集を得て、毎回原子力平和利用に関する新たな話題を提供してきており、1964年の第3回会議以来7年ぶりに開かれる今回の第4回会議においても原子力の新しい話題が提供されるものと期待されている。わが国は、前回同様、同会議に代表団を送るとともに、並行して開かれる展示会に参加することとし、早くから、関係機関により、第4回原子力平和利用国際会議展示会準備委員会を構成し、展示会参加の準備を進めてきた。以下、わが国の展示会の概要を紹介する。

 展示会は大きくわけて、日本の経済社会発展の現況、動力炉開発、原子力船開発、機器の国産化、放射線利用の5つのコーナーに別かれており最初の日本の経済社会発展の現況は原子力分野のみでなく広く一般に日本の文化産業の現状を紹介し、後の4コーナーにおいて各々原子力分野の紹介を行なっている。

 各コーナーは、それぞれ、説明パネル、写真パネル、カラーコルトン、模型、実物等によって構成されており、機器のコーナーでは、原子炉機器メーカーの各種実物見本が展示されているほか、放射線利用のコーナーではポリエチレンフォームの実物見本をはじめ、多数の国産技術が紹介されている。一般に、日本の経済社会発展の現状のコーナーで、わが国の背景となる工業力を紹介したあと、原子力開発利用の進展の状況を、機器の国産化、放射線利用のほか、動力炉開発、原子力船開発等に別けて紹介することにより、日本の原子力開発利用全般の概要が理解できるようになっている。

 展示会は、それぞれの国の原子力開発利用の現状を紹介すると同時に、国際場裡における国威発揚の場ともなっており各国とも毎回国力に応じたスペースを確保して、趣向をこらした展示を行なってきている。

 今回の展示会には、米、英、ソをはじめとする20か国が参加することを予定しているが、わが国も、374m2と前回の4倍近いスペースを確保し、地理的に不利な条件を克服して、インド、オーストラリアと並んでアジア地域から参加する数少ない国となっている。
 以上の展示会とは別に、各国とも各種原子力関係資料を作成し、展示会場で各国代表団等に配布している。わが国としても、日本の原子力の現状を紹介する資料をはじめとして、10編に及ぶ各種資料を配布することとしている。また、論文、発表会場となっているパレ・デ・ナンオンの映写会場で各国の原子力関係の映画が上映されることとなっており、わが国からも、原子力局と日本原子力研究所の共同企画による「日本の原子力」、日本原子力発電(株)の「陸の孤島を拓く」および動力炉・核燃料開発事業団企画の「明日の動力炉をめざして」の3本について、英語版を制作し、出展することとしている。なお、同会議の日本展示会場図および海外展示会場図は、22、24頁に掲載してある。


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