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東京大学の原子炉の設置変更
(原子炉施設の変更)について(答申)



46原委第234号
昭和46年7月8日


内閣総理大臣 殿

原子力委員会委員長


東京大学の原子炉の設置変更(原子炉施設の変更)について(答申)


 昭和46年7月1日付け46原第4790号で諮問のあった
標記の件について、下記のとおり答申する。



 標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準に適合しているものと認める。

 なお、本設置変更に係る安全性に関する原子炉安全専門審査会の報告は別添のとおりである。


東京大学の原子炉の設置変更に係る安全性について


昭和46年7月6日
原子炉安全専門審査会


原子力委員会
  委員長 平泉 渉 殿

原子炉安全専門審査会
会長 内田 秀雄


東京大学の原子炉の設置変更に係る安全性について


 当審査会は昭和46年7月1日付け46原委第218号をもって審査を求められた標記の件について結論を得たので報告します。

東京大学の原子炉の設置変更に係る安全性について


Ⅰ 審査結果

 東京大学の原子炉の設置変更に関し、同大学が提出した「原子炉設置変更承認申請書」(昭和46年6月23日付け申請)に基づいて審査した結果、本原子炉の設置変更に係る安全性は十分確保しうるものと認める。

Ⅱ 変更内容

1 燃料要素Cの厚板化

 従来の薄板の使用をやめ、燃料要素厚さ約39mmの濃縮ウラン、約32mmの劣化ウランを作り、両者を一体化しステンレス鋼被覆を施し燃料要素Cとする。

2 制御棒等価反応度および最大過剰反応度の変更反応度制御能力として変更前は安全ブロック約4%K/K、安全棒(2本)約0.6%K/K、シム棒1約0.8%K/K、シム棒2約0.4%K/K、調整棒約0.3%K/Kであったのを、変更後は、安全ブロック、安全棒1、安全棒2、合計3%K/K以上、シム棒最大1%K/K、最小0.8%K/K、シム棒2最大0.7%K/K、最小0.4%K/K、調整棒最大0.7%K/K、最小0.3%K/Kとする。
 また、最大過剰反応度を1.1%K/Kから1.7%K/K以下に変更する。

Ⅲ 審査内容

1 燃料要素Cの厚板化

 本変更は、臨界実験によって、燃料装荷量がきまったことにより、その際に用いられた燃料要素Cの藩板を一体化して長期にわたる薄板の相対的なずれを防止しようとするものであり、安全性は変らないと認められる。

2 制御棒等価反応度および最大過剰反応度の変更

 特性試験の結果から制御棒等価反応度および最大過剰反応度の値を変更しようとするものである。
 この場合の安全性について検討した結果、最大想定事故の評価では、シム棒No.2と調整棒のいずれか1本が挿入され、スクラム系が作動しない場合の反応度事故を想定しているが、この仮定は妥当であり、挿入される反応度は0.7%△K/Kと変更前と変らないので、安全性は確保されると認められる。

Ⅳ 審査経過

 本審査会は、昭和46年7月6日の第93回審査会において本件を検討し報告書を決定した。


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