46原委第91号
昭和46年3月25日
内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長
日本原子力発電株式会社敦賀発電所の原子炉の設置変更について(答申)
昭和46年3月4日付け46原第1281号で諮問のあった標記の件について、下記のとおり答申する。
記
標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準に、適合しているものと認める。
なお、本設置変更に係る安全性に関する原子炉安全専門審査会の報告は別添の通りである。
日本原子力発電株式会社敦賀発電所の原子炉の
設置変更に係る安全性について
昭和46年3月17日
原子炉安全専門審査会
原子力委員会
委員長 西田 信一 殿
原子炉安全専門審査会
会長 内田 秀雄
日本原子力発電株式会社敦賀発電所の原子炉の
設置変更に係る安全性について
当審査会は、昭和46年3月4日付け、46原委第61号をもって審査の結果を求められた標記の件について結論を得たので報告します。
Ⅰ 審査結果
日本原子力発電株式会社敦賀発電所の原子炉の設置変更に関し、同社が提出した「敦賀発電所原子炉設置変更許可申請書」(昭和46年2月17日付け、総総発第243号で申請)に基づいて審査した結果、本原子炉の設置変更に係る安全性は十分確保し得るものと認める。
Ⅱ 変更事項
本変更は、敦賀発電所の原子炉施設を変更しようとするもので変更事項は次のとおりである。
既設の気体廃棄物の廃棄施設に希ガスホールドアップ装置を追加し、気体廃棄物の放射能の減衰を既設のガス液衰タンク又は希ガスホールドアップ装置で行なうもの。
希ガスホールドアップ装置は、除湿装置、サンドフィルター、活性炭吸着塔、吸引エジェクター等より成っている。
Ⅲ 審査内容
希ガスホールドアップ装置は既設のガス液衰タンクの後に設置され、同装置を使用する場合、気体廃棄物は加圧されることなく、ガス減衰タンクを約30分間で通過した後希ガスホールドアップ装置へとおされる。
希ガスホールドアップ装置は活性炭による希ガスの吸着離脱現象を利用するものであり、活性炭が希ガスの吸着離脱を繰り返すことにより、希ガスの同装置内の通過時間が遅くなり、気体廃棄物の放射能が減衰するものである。
本装置は気体廃棄物の流量、流速、湿分、温度、圧力等を考慮して活性炭を約26トン使用することとしている。
また、本装置の入口および出口において、気体廃棄物のサンプリングを行ない、本装置による気体廃棄物の減衰効果を監視することとしている。
本装置について、国内の実験成果および外国のデータを参考にし、設定された諸条件を検討した結果、本装置の附加によって原子炉の安全性がそこなわれることはない。
Ⅳ 審査経過
本審査会は、昭和46年3月17日に開かれた第89回審査会において審査し、本報告書を決定した。
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