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原子力第1船の原子炉設置変更について(答申)



46原委第86号
昭和46年3月18日


     内閣総理大臣  殿

原子力委員会委員長


原子力第1船の原子炉設置変更について(答申)


 昭和46年3月4日付け46原第1543号で諮問のあった標記の件について、下記のとおり答申する。


 標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準に適合しているものと認める。

 なお、本設置変更に係る安全性に関する原子炉安全専門審査会の報告は別添のとおりである。



原子力第1船の原子炉の設置変更に係る安全性について


昭和46年3月17日
原子炉安全専門審査会


     原子力委員会
       委員長 西田信一殿

原子炉安全専門審査会    
会長 内田秀雄


原子力第1船の原子炉の設置変更に係る安全性について


 昭和46年3月4日付け46原委第62号をもって審査の結果を求められた標記の件について、結論を得たので報告します。

Ⅰ 審査結果


 日本原子力船開発事業団の原子力第1船の原子炉の設置変更に関し、同事業団が提出した「原子力第1船原子炉設置変更許可申請書」(昭和46年2月18日付け技第1号をもって申請)に基づいて審査した結果、本原子炉の設置変更に係る安全性は十分確保し得るものと認める。

Ⅱ 変更事項


 本変更は、原子力第1船の付帯陸上施設の廃棄設備を変更しようとするもので、変更事項は次のとおりである。

(1)本船より移送される液体廃棄物の量等を考慮して、液体廃棄物の処理設備のうち貯留タンクを14基(変更前、約18基)とし、処理方法を蒸発濃縮、フイルターおよびイオン交換方式(変更前、蒸発濃縮、フイルター、イオン交換および凝集沈澱方式)にして処理能力を増やす。

(2)固体廃棄物の処理設備にセメントホッパー、ドラム缶用コンベアー等を追加する。

Ⅲ 審査内容


(1)変更1について
 
 変更前は低レベル廃液は主として凝集沈澱槽により処理することとしていたが、変更後はフイルターとイオン交換樹脂によって処理される。また中レベル廃液は変更前は主として固化処理することとしていたが、変更後は主として、蒸発濃縮処理する。変更後の処理方法によっても十分に廃液を処理する能力があるものと考えられる。
 処理済廃液は監視貯槽、稀釈設備を経て、その濃度を法令に定める値以下にして海中に放出される。放射能が高い場合は再処理を行なうこととしている。

(2)変更2について
 本変更により固体廃棄物の処理能力は、従前より増加し、安全上問題はない。

Ⅳ 審査経過


 本審査会は、昭和46年3月17日に開かれた第89回審査会において審査し、本報告書を決定した。


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