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東京電力株式会社福島原子力発電所の原子炉の
設置変更(1号原子炉施設の変更)について


45原委第275号
昭和45年9月10日

内閣総理大臣 殿

原子力委員会委員長

 東京電力株式会社福島原子力発電所の原子炉の
設置変更(1号原子炉施設の変更)について(答申)


 昭和45年8月27日付け45原第5480号で諮問のあった標記の件について、下記のとおり答申する。

 標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準に、適合しているものと認める。
 なお、各号の基準の適合に関する意見は、別紙のとおりである。


別紙
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に掲げる許可の基準の適合に関する意見

1 本変更は第1号から第3号に掲げる許可の基準に適合しているものと認める。

2 第4号の規定については、別添の原子炉安全専門審査会の審査結果のとおり、本変更は核燃料物質、核燃料物質によって汚染された物又は原子炉による災害の防止上支障ないものと認める。




東京電力株式会社福島原子力発電所の原子炉の
設置変更(1号原子炉施設の変更)に係る安全性について

昭和45年9月2日
原子炉安全専門審査会

原子力委員会
委員長 西田 信一殿

原子炉安全専門審査会
会長 内田 秀雄

 東京電力株式会社福島原子力発電所の原子炉の
設置変更(1号原子炉施設の変更)に係る安全性について

 昭和45年8月27日付け45原委第262号をもって審査の結果を求められた標記の件について、結論を得たので報告します。



Ⅰ 審査結果

 東京電力株式会社が提出した「福島原子力発電所原子炉設置変更許可申請書(1号原子炉施設の変更)」(昭和45年8月12日付け申請)に基づいて審査した結果、本原子炉設置変更に係る安全性は十分確保し得るものと認める。



Ⅱ 審査内容

 本変更は炉心周辺部のポイズンカーテンを廃止して、その総数を172枚(変更前196枚)に変更するものであるが、以下に示すようにこれによって原子炉の安全性を損うことはないものと認める。

(1)最大価値制御棒引抜時の停止余裕
 最大反応度抑制効果を有する制御棒が引き抜かれ、その他のすべての制御棒が挿入された状態で、原子炉は未臨界に保たれるという設計基準は、本変更後も十分満足される。このことは実際の炉においてポイズンカーテン数172枚の状態で上述の条件で炉心の未臨界度を実測することにより確認される。

(2)炉心全体の反応度への影響
 本原子炉の実効余剰増倍率は炉心初期で0.24ΔKであるが、ポイズンカーテンにより最大0.14ΔKに抑えられる。本変更によるこれらの値への影響は0.002ΔK程度と評価され、安全上問題はない。

(3)その他核的熱的特性への影響
 ポイズンカーテンに隣接しなくなる燃料要素内のローカルピーキングも十分低く、またポイズンカーテンの減少がボイド係数等動特性ピラメーターにおよぼす影響も少なく安全上問題はない。



Ⅲ 審査経過

 本審査会は、昭和45年9月2日第82回審査会において審査の結果本報告書を決定した。



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