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個人被ばく線量等の登録管理調査検討会の報告について



 放射線作業従事者等の放射線被ばく線量の測定および記録の保存については、放射線障害防止法、原子炉等規制法等によって、使用者等に義務づけられているが、近年、放射線取扱施設および放射線作業従事者等の数は増加の一途をたどり、これにともなう放射線取扱施設の廃・停止、作業従事者の離転職者数も比例的に多くなりつつある。

 さきに、原子力委員会の原子力事業従業員災害補償専門部会は、昭和40年5月この問題にふれ、被ばく線量の測定結果等健康管理上必要な記録の中央登録管理制度を、適切な公的機関内に確立する必要があると報告した。

 このような状況にあって、昭和44年8月原子力局に「個人被ばく線量等の登録管理調査検討会」を設置し、牧野直文氏(放射線審議会委員)を座長とする、学識経験者,放射線取扱事業所ならびに行政機関の関係者関係者等17名の委員により、10回に亘る審議を重ねるとともに、調査団による欧米5ヵ国の実状調査を実施するなど調査検討を行ない、昭和45年3月、「個人被ばく線量等の登録管理に関する考え方」をもとめ原子力局長に報告した。

 報告の内容は、登録管理制度の必要性にはじまり、目的および効果をのべ、その実施要綱として、登録すべき項目、登録対象者、登録機関、登録方法、記録管理、記録の処理、経費、ならびに実施にあたっての関係法令の措置の必要についてのべ、当面、この制度の実施にあたっての進め方を示し、さらに登録される測定値等の技術的事項は別途検討する必要があるとむすんでいる。


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