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IAEA4月特別理事会報告


 IAEA4月特別理事会はウィーンにおいて1970年4月1日及び2日の両日開催された。
 議題は次のとおりである。


議題1. 保障措置
 (核兵器不拡散条約に照らした機関の責任、委員会の設置に関する提案)


議題2. 理事会の今後の会議に関する取極
 議題1に関して、スペインはIAEAの保障措置制度全般の再検討を求める決議案を提出し、また英、米、イタリアは共同でNPT下の保障措置に関する決議案を提出した。インドはさらに英、米、イタリア案を一部修正する形でスペイン案を盛り込んだ提案を行なったが、審議の結果、英、米、イタリア案が採択された。その骨子は次のとおりである。

1 加盟各国は、保障措置に関連するIAEAの活動に関し、特に条約に関連し必要となる保障措置協定の内容につき、事務総長あて可能な限り速やかにできれば5月1日までにコメントを提出する。

2 事務総長は、全ての加盟国に、上記の各国の見解をまとめて回布する。

3 事務総長は加盟国の見解、事務局作成の文書等からまとめたコメント、特にNPT第3条に従い、協定発効後180日以内に交渉開始が必要となる協定をカバーするためのイニシアル報告を6月1日までに提出する。

4 NPTに関連しIAEAが保障措置の責任を遂行するため、希望する全ての加盟国が参加できる保障措置委員会を設立する。本委員会は6月12日ごろ第1回目の会合を開催し、理事会に対し、IAEAが保障措置の実施に関し行なうべき義務についてアドバイスを行ない、特に協定の内容に関する報告を行なう。委員会はその結果を理事会に随時報告するが、特に緊急の業務として7月中に、NPT3条に基づいて180日以内に交渉を開始すべき協定についてのアドバイスを含むイニシアル報告を提出する努力をする。

5 理事会は委員会からイニシアル報告を受領したのち可能な限り速やかに、遅くても8月25日以前に特別理事会を開催する。


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