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第1回日米原子炉安全審査専門家会議の開催について



1.日時 昭和44年12月5日、6日 


2.場所 サンフランシスコ サー・フランシス・ドレイク・ホテル


3.出席者

(日本側) 山田 太三郎 原子力委員
内田 秀雄 原子炉安全専門審査会会長
三島 良績        〃     会長代理
江藤 秀雄        〃     審査委員
大山 彰        〃       〃   
都甲 泰正        〃       〃   
田中 好雄        〃       〃   
(コーディネーター兼)
宮永 一郎        〃    調査委員
中島 孝夫 在米日本大使館
上村 雅一 特別参加
広瀬 定康   〃
(米国側) Dr.Stephen H.Hanauer Chairman,ACRS
Dr.Spencer H.Bush Member   〃
Dr.Warren J.Kaufman   〃    〃
Dr.David Okrent   〃    〃
Mr.Marvin C.Gaske Asst.to Executive Secretary,ACRS
Mr.H.L.Price Director,Office of Director
of Regulation USAEC
Dr.Clifford K.Beck Deputy Director,Office of
Director of Regulation,USAEC
Dr.P.A.Morris Director,Division of Reactor
Licensing,USAEC
Mr.Edson G.Case Director,Division of Reactor
Standards,USAEC
Mr.Lester Kornblith Asst.Director for Tech.
Programs Division of Compliance,USAEC
Mr.Hamester Reactor Developm-ent&Tech.

4.次回は東京において開催することに意見の一致をみ、開催日についてはコーディネイター相互で打合せることとなった。


5.会議の概要
 5日午前9時定刻に会議が開催され、Hanauer会長より米側を代表して歓迎の挨拶が述べられ、当方からは山田委員、内田会長より日本側を代表して謝意を表し、双方議事を調整した後、5日午前および6日はHanauer会長が、5日午後は内田会長が、それぞれ議長となり、議事日程に従って会議が進められた。5日は午前9時より午後6時まで、6日は午前9時より午後2時近くまで行なわれ、なごやかな雰囲気のなかで双方の意見を交換することができ、相互に益するところが大であったと考える。
 会議の内容は極めて専門的であるが、討議の対象となった事項をあげてみると、次の通りである。

(1)許認可の手続 例えば米国では4段階(AECのStaffによるもの、ACRSによるもの、Public Hearing、AECのreview)の審査を受ける。ACRSには現在110のSubcommitteeがあり、このなかには原子炉だけでなく圧力容器、計装、安全研究などの横割りのSubcommitteeがあるなど。

(2)原子炉の規制に関する最近の動き 例えば米国では設計、建設の標準化、コード化、信頼性の高い安全保護系、工学的安全施設の開発など。

(3)現在使用中のTID-14844、一次冷却系破断の推定の再検討

(4)安全評価の方法 例えば米国では非常用炉心冷却系にクレジットを与えていない。仮想事故の計算はACRS自身は行なわず、申請者が行ない、ACRSはその方法と結果の説明を受けるなど。

(5)運転時のPopulation Dose Man-remは考えない。敷地単位であるなど。

(6)General Design Criteria の現状 改訂Criteriaの発行までにはなお数ヶ月を要する。

(7)Pressure boundaryの検査 In-Service Inspection CodeのSection11の適用。容器壁へのaccessablityの問題など。

(8)安全研究 国の研究と民間の研究の違い。

(9)その他
  格納容器のLeak rate
  圧力容器の破断
  循環ポンプのループの破断時間
  アイソレイション・パルプの信頼度
  アイス・コンデンサーの効果
  タービン・ルームへのaccessability
  アイオダイン・フィルターの性能など。



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