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第1回日英原子力会議の開催について


 昭和43年10月に発効した新日英原子力協力協定に基づき、第1回日英原子力会議を昭和44年6月9日および10日の両日、東京で開催した。
 議題、日程および出席者は下記のとおりであり、会議後発表された共同コミュニケは下記のとおりである。

第1回日英原子力会議

1 日時および場所

 昭和44年6月9日および10日
 東京プリンスホテル
 東京都港区芝公園3


2 議題

(1) 両国における原子力開発についての現状と将来
(2) 動力炉開発
(3) 動力炉の安全性と立地問題
(4) その他の原子炉利用

イ 脱塩
ロ 製鉄利用
ハ 原子力船

(5) ウラン資源確保
(6) ウラン濃縮
(7) プルトニウムの生産・利用・価格
(8) 再処理
(9) 放射性廃棄物処理処分
(10) 保障措置
(11) 両国間の協力問題


3 出席者

日本側: 木内 四郎(原子力委員長)
有沢 広己(原子力委員長代理)
与謝野 秀(原子力委員)
武藤 俊之助(原子力委員)
武田 栄一(原子力委員)
山田 太三郎(原子力委員)
平泉 渉(科学技術庁政務次官)
梅沢 邦臣(原子力局長)
本田 早苗(通商産業省公益事業局長)
御園生 圭輔(放射線医学総合研究所長)
宗像 英二(日本原子力研究所理事長)
村田 浩(日本原子力研究所副理事長)
清成 迪(動力炉・核燃料開発事業団副理事長)
今井 美材(動力炉・核燃料開発事業団副理事長)
佐々木 周一(日本原子力船開発事業団理事長)
橋本 清之助(日本原子力産業会議代表常任理事)
英国側: J.M.ヒル(AEA総裁)
H.クロンバーガー(AEA原子炉開発担当理事)
D.E.H.ピアソン(AEA事務局長)
J.ムーア(リズレー原子炉グループ)
L.J.T.ロバーツ(ハウエル原子力研究所次長)
M.T.カバナー(リズレー生産グループ)
B.ベイリー(ウィンズケール生産グループ)
ホッチェン(英国大使館)
ルーク(AEA総裁秘書)

第1回日英原子力会議共同コミュニケ

昭和44年6月10日(東京)

 日本国原子力委員会および連合王国原子力公社は、原子力の平和的利用についての両国の協力を検討するため、6月9日および10日に会議を開催した。
 日本代表団は、原子力委員長・木内国務大臣を首席とし、連合王国代表団は、連合王国原子力公社総裁・ヒル博士を首席とした。
 この会議は、日本国と連合王国の30年間にわたる広範な協力計画を規定する新協力協定に基づく両国の原子力の平和的利用の協力を検討するための定期的会合の第1回目のものであった。
 両代表団は、高速増殖炉の分野における情報交換を継続し、かつ強化することおよび新型熱中性子炉の開発に関して密接な接触を保つことに合意した。また、両代表団は、再処理およびウラン濃縮を含む核燃料の分野についても意見交換を行ない、両国の核燃料計画に共通の関心を示した。
 さらに、両代表団は、原子炉の安全性、ウラン資源の確保、プルトニウムの生産および利用、原子力船、放射性廃棄物の処分ならびに保障措置の研究開発を含む広範な議題について討議した。
 両者は、両国の責任ある者の間において直接的な接触が行なわれることが有益であることについて完全に合意し、また第2回定期会議が明年ロンドンにおいて開催されることに合意した。



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